今日1月7日は七草がゆの日です。
春の七草には①セリ、②ナズナ、③ハハコグサ(ごぎょう)、④ハコベ(はこべら)、⑤コオニタビラコ(ほとけのざ)、 ⑥カブ(すずな)、⑦ダイコン(すずしろ)があります。カタカナは現代の標準和名、ひらがなは昔の名前です。
ダイコンやカブは、品種によっても違いがあるかもしれませんが、秋から冬にかけて収穫される農作物です。
セリは店頭では野菜として扱われてはいますが、元来田んぼの水路や畔に生育する野草。
残りの4種類も田んぼの畔や畑などに生育する野草です。
農作物であるダイコンとカブを除き、現代ではこうした野草たちを雑草として、汚らしく好ましくないものとして扱う事例が頻繁に見られます。
しかしながら里山で自然環境と調和した生活をしていた昔の人々は、そんな扱いはしていなかったとだろうということが、七草がゆの行事から察せられます。もしそんな扱いをしていたら、春の七草として愛おしんだり食べたりすることなどしなかったはずだからです。
草の中には冬になっても地上部が枯死せずに、姿を変えて寒さを耐え忍びながら冬を越すものがあります。その姿は葉が密集してバラの花のように多重円形となるためロゼットと呼ばれます。
七草がゆの節句は、春の訪れを祝い、健康と幸福を願う行事。寒い冬を耐え忍ぶ野草から、その生命力をあやかりたいという願いもあったのではないでしょうか。
私たち日本人はもともと農耕民族です。里山と呼ばれる、人が暮らすのに適した自然環境の中で、それらの自然と調和を保ちながら持続可能な生活をししてきたのです。
こうした里山での生活のしかた、生活の技術、慣習、田畑や雑木林、萱場や池の管理、行事や芸術、文学などを里山文化といいます。
七草がゆもそうした里山文化の一つ。自然環境と共存した持続可能な生活形態の一部だったならわしです。
地球環境問題が酷くなっていると言われ、持続可能なライフスタイルが求められている今日、里山環境と里山文化を見直し、少しでもそれらを保全しようと考えることは大事なことです。七草がゆの節句がそのひとつの機会となりますように。
写真は冬の森の写真で、草本層はススキ草地となっています。ススキは秋の七草の一つ。穂が動物の尾のようなので尾花とも呼ばれ、昔はかやぶき屋根の材用にされてきました。
このブログ「菊名エコクラブblog」の次回の更新予定日は明日1月8日(月)です。もう少し里山環境のことについてふれていきたいと思います。