-アラジンストーブ メンテナンスと販売- 暮しの道具とストーヴ『KEM-G』

芯上下式石油ストーブのメンテナンスと在庫ストーブのご紹介などなど
(石油機器技術管理士の資格を取得しています)

#0101 国産ストーブの設計思想の巻

2016年12月21日 | 日記
お客様のH様から、

シャープ製の古いストーブを持っているのだけれど、

芯交換ができるならば使い続けたいので、

芯交換可能かどうか見て欲しいとご依頼がありました。









お預かりしてみたところ、どうでしょう、

1970年代ぐらいのストーブでしょうか。


とても綺麗な状態で、大切に使われていたことが伝わってきて、

使い続けたいと仰るのも頷けます。


さて、肝心の芯の様子です。

分解して、芯筒を取り出してみて驚きました。


なんと12カ所もホチキス状の針でガッチリと筒に止められています。




パーフェクションの芯も同じように針で筒に止められていますが、

それでも確か3カ所程度で、12カ所というのは初めてです。

これでは、とても交換できません。



恐らくシャープの設計担当者は、

芯が短くなってきた時は、芯だけを交換するのではなく、

筒ごと交換する方法を採用したのでしょう。



針でガッチリと止めておけば、芯がズレる心配も無いでしょうから、

メーカーとしては安心です。



でも、なんだか、もったいない。

金属製の筒は壊れてもいないのに、芯が短くなった為に捨てられてしまう運命。



当時は、高度成長期真っ只中。

どんどん作って、どんどん消費して、というのがスタイルだったとか。



ストーブのこういう部品の設計から、

当時のモノの考え方が見えてきます、というお話。



それから考えると、

芯だけを交換する方法を採用したアラジンの設計担当者は

随分と堅実な方だったんだろうなぁと、感心しきりです。





今日は、私の年に一度のお楽しみの日。

年末恒例の第9コンサート。




今年もいろいろ、ありました。

1時間ちょっとの間、楽しんできます。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
15型の修理 (石川裕二)
2017-01-15 18:38:57
はじめまして。石川裕二と申します。
15型を愛用してきましたが、芯の上げ下げができなくなってしまいました。完全に空回りしています。タンクを上下で開かない限りは無理と他の業者さんに言われました。治る可能性はないでしょうか?
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Re:15型の修理 (kem-g)
2017-01-16 13:47:04
石川さん、こんにちは。お問い合わせ、ありがとうございます。
空回りしてしまう原因を特定できないと、ハッキリとしたことは申し上げにくいのですが、直せる可能性は僅かではありますがあるかもしれません。空回りするようになってしまった理由にお心当たりはありますか?
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15型の修理 (石川裕二)
2017-01-16 21:38:47
返信ありがとうございます。
空回りの直接的な原因はわかりませんが、以前から特に上げる時に空回りがあってからつながって上がるということがありました。最期に動いた時はギアが磨り減ったかねじ切れたような印象を持ちました。
別の職人さんは、真鍮のタンクを上下はり合わせる前に芯が上下する機能を取り付けているので2つに割らないと治せないでしょう、とおっしゃってました。つまりは修理不能ということを言われました。
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Re:15型の修理 (kem-g)
2017-01-17 10:39:33
職人さんのご返事の通り、#15の芯上下機構は一度壊れたらまず修理不可能です。私が僅かながらと申し上げたのは、どこかが単純に外れただけならば、手探りでその箇所をはめ直せるのではと考えたからです。今週中に#15のタンク内の構造が分かる写真をブログに載せますので、まずはその写真をご覧ください。写真をご覧いただいた後に、何を考えたかをご説明差し上げようと思います。
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