古今輪風@自転車ふぁん

わからない事だらけのレストア&メンテナンス備忘録

PD-7800 分解洗浄(其の2)

2015-01-19 06:57:51 | メンテナンス

SHIMANO PD-7800 メンテナンス。前回からの続きで、今回は組み付け。

分解したパーツはそれぞれ可能な限り綺麗にしました。洗浄にはいつも通り灯油とパーツクリーナーを使用。シャフトの根元に使われているゴム製のシールだけ溶剤は使わず、優しく汚れをふき取っています。

ネジワンとロックナット。ネジワン(玉受けを兼ねた筒状のネジ部品)にロックナットと薄いワッシャーを通します。ネジ部分にはデュラグリスを使っています。

シャフトに薄くグリスを塗ってからゴム製のシールを取り付けます。ゴム製のシールには方向があって、シールの外径が広い方が車体側(写真上でいう下側)。

シャフトに玉受けを通します。

ベアリングのボールを収めていきます。この場所は17個。

ボールを収めた後でグリスを少量乗せ、玉受けを少し持ち上げてシャフトの玉押し(コーン)に押し付けながら回転させると、綺麗にグリスが回ります。

外した時と同様にマスターリングプライヤーを使ってCリングを取り付けます。Cリングの収まる場所には溝が切ってあるので判りやすいのですが、以外とズレて嵌る事もあるのでリングがしっかり溝に収まっているか確認。

ペダル側の一番奥に少しグリスを置いてからベアリングボールを9個入れていきます。一番奥なので見づらいですが、バラバラっと入れてしまって、細い棒やピンセットを使って内周に沿うように整えていくと綺麗に9個収まります。慣れてくると狙いを定めてボールを上手く落とせるように。

シャフトの先端と組み立てたニードルベアリングにグリスを塗ります。

ニードルベアリングをシャフトに通してからシャフトをペダルに挿しても良いし、ニードルベアリングをペダル側に装着してからシャフトを挿しても大丈夫。この後は玉押し調整を行って作業終了です。玉押しの調整は万力などでペダル本体を固定できる環境が必要です。

今回グリスの代用として使ったのはマイクロロン。取り扱いがシビアみたいですが、使わないと勿体無いので…。

PD-7800の分解メンテナンスに使った工具類。ハブスパナは17mmと20mm。20mmは持っていませんが、TOP製の薄いモンキーで代用しました。必須なのはハブスパナとグリス位で、あとは無いなりに何とかなるかもしれません。Cリングはしっかり止まっているので、マスターリングプライヤーは有った方が良いかもしれません。

見た目も綺麗になってスッキリ。

玉押しの調整はすごくシビアにやる必要があって、キッチリ調整できれば素晴らしい回転を感じる事が出来ます。シビアに出来るって事はそれだけ精度が高いって事ですから、やりがいがあります。小さい分ホイールのハブよりも作業に場所をとりませんから、リビングに座りながら延々と…

も、良いですが、カップとロックリングが共回りし易いのでやっぱり万力でペダルを固定しながらキッチリ調整出来る環境があった方が良い。

続いて構造が殆ど一緒のPD-7810もメンテしてみましたが、先にメンテしてあったPD-7800に比べると回転が今ひとつスッキリしない。USED品で個体の程度差がありますがカップやコーンに傷みは見られませんし、PD-7800もメンテしてすぐより少し乗ってから回転が随分馴染んだ印象があるので、こちらも負荷をかけて使ってみてどうか。

試しにPD-7810でPD-7800のシャフト軸部品一式を使ってみたら、問題なく使えそう(逆も試しました)。シマノのスモールパーツではどちらも同じ品番なので、軸部品については互換性有り。おそらく後発のPD-7810部品で統一しているんじゃないかと推測。PD-7810のシャフトで異なるのは肉抜き&シェイプアップして軽量化したシャフト形状(長さや玉押し部など、主要な寸法はPD-7800と一緒)と、形状変更に伴う樹脂パーツの追加(ニードルベアリングの手前に樹脂製のパーツが一つ入る)。

関連記事「PD-7800 メンテナンス(準備)」



4 Comments

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Kyoshoってw (さくらなみき)
2015-01-19 21:40:47
ラジコン用ですかw

100均で買ってきたミシン油を使ったり、エキストラバージンのオリーブオイル使ったり(汗)してる人間が指摘するのもアレですけどw

真っ黒になったグリスをきれいに拭って、新しいグリスを満たして組み付ける瞬間は、なかなか気持ちいいですね。こちらも走行距離の伸びやすい鉄レーサーとランドナーは、そろそろ点検の時期のようです。
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さくらなみき さん (ken)
2015-01-20 06:57:59
ラジコン用です(笑)
もともとは超高回転部みたいです。違うパッケージで車用だったりもします。せっかくなので無くなるまではシビアなところで使ってみますが、コンマ何秒の世界にいる方以外には無用の長物です。私は自己満足な世界に浸れるタイプなので(笑)
保管部品には向かなくて実際稼動しているパーツにしか使えません。更に雨天厳禁、小まめにメンテ等々、回転意外にはあまり良い事がありません。

綺麗になったのを組み付ける瞬間は、確かに気持ち良いです。
メンテ好きとしては最高の瞬間かもしれません^^

「ミシン油」は、スーパー万能オイルとして、定番の赤いやつを常備してます。オリーブオイルも有りなんですか!?
私自身はたまに作るペペロンチーノ位しか使った事がありません(笑)

定期点検、私には楽しみの一つです。むしろ点検し過ぎって(笑)。でも、乗ってる自転車の状態を知っている事って大切だと思います。まあ何事も適当が一番ですが…。
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オリーブ油 (さくらなみき)
2015-01-20 09:16:37
鯖を食べに行ったとき、BB辺りから軋み音が聞こえてきたのでミシン油を差そうとしたら、ホムセンでも適当な量を売ってなくて、結局それを買って急場をしのいだアノ一件ですw

そんなランドナーも、そろそろチェーン交換の時期になりました。
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Re:オリーブ油 (ken)
2015-01-20 11:38:53
鯖街道ですね!
そういえば、びっくりした記憶がありました。
二度ビックリで得した気分です(笑)
でも、油を切らしたままよりは圧倒的に良いのは確かです。金属の切削なんかを行うと歯のダメージが全く違いますから。
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