古今輪風@自転車ふぁん

わからない事だらけのレストア&メンテナンス備忘録

ハンドルのシェラックニス仕上げ…雑感。

2018-06-05 05:51:07 | レストア&オールドパーツ

ハンドルのシェラックニス仕上げ、覚え書き。自分用なので長いデス。

1回目~2回目はテープがニスを良く吸って完全に染み込んでしまう。その分乾きも遅く、触れる位になっても奥の方は乾いてない。下地になる部分なので焦らず薄く塗って、初日はここで止めてしっかり乾かしたい。

3回目~4回目。やや吸わなくなってきて表面に塗り始めた感じがする。2回目までより塗るのに時間がかからなくなって乾きもやや早い。

5回目から所々に艶が出始めて、ニスを塗ってる感が出てきた。総じて薄く塗り重ねているけど、テープの継ぎ目は滑らかに埋まってきている。コットンテープの質感が残るのはギリギリこの辺りまで。握り心地とか滑らない感じのグリップ感を優先するなら5回まで。

6回目、ほぼ染み込まないので厚みと艶を出す工程に入る。ただ、艶を求めるなら6回は中途半端で最低7回は必要と感じる。極軽く、コットンの質感を残し耐久性をあげるだけなら2回。ニス感を出しながらもグリップを優先したいなら5回。艶を求めるなら7回以上って感じ。もう一つ、あらかた染み込んだ3回目が終わったところで一度レバーを取り付けてレバー台座周辺の形を成形しておいた。

7回目、明らかに艶が増した。でもあと少し。ムラがあるのでもう一回塗るかって気になる。

8回目、キリがないので「ラスト」と決め込んで、艶を出す為に少々厚めに塗ってみた。これは失敗で、ここまで塗り重ねた事で良い感じに滑らかになっていたテープの巻き目にエッジがついてしまった。表面張力というか、たぶんそんな感じの理由。最悪やり直そうかなと思ったけど、リカバリーは意外と簡単だった。

細目の耐水ペーパーで表面を慣らす工程を追加。表面がしっかり乾いた状態でニスが厚めに乗って角が立ってしまった部分を削るイメージで磨いていく。仕上がりにムラが出ると嫌だったので、その部分だけでなく全体を削った。水を硬く絞った雑巾で綺麗に拭きあげて、乾燥してからニス塗りを再開。

9回目、少し削って滑らかにしたのが良かったらしく、薄く塗ってもしっかり艶が出るようになった。艶出し工程に入る前に耐水ペーパーで表面を慣らす工程は入れた方が良いかもしれない。結果オーライ。

10回目、この日は夜勤で帰れなかったので、週末に向けて正に最終のつもりで塗る。前回の反省を踏まえ、超慎重に、厚塗りを避けて薄くムラなく塗る。

11回目、10回目を塗ってから二日乾燥。8回目の厚塗りでの失敗は完全にリカバリー出来たけど、艶の具合を均一にしたくて最後にもう一回塗った。

参考までに、ヘンプ巻きの横に貼ってある切れ端が元のコットンテープ。

11回目を夜に塗って、朝にはしっかり乾いたように見えたのでレバーを装着して江ノ島まで試走。途中、20Km程走ったところで負荷のかかっていた部分にグローブが貼りつき始めた。帰宅後にレバーを外してみると、ブラケット台座に押された部分が大きく凹み樹液のような液体でベタついている。中の方は乾いてなくて、明らかに乾燥不足。完全な乾燥にはもう数日~数週間?かかるっぽい。

まさか数か月ってことは無いと思うけど、もう1回薄く塗ってしっかり乾燥させる事にした。基本は室内、天気の良い日は外で陰干し。その間、自転車の方はフラットバーに戻した。

日曜日の朝に作業を初めて、その日曜日は朝昼晩と3回。翌日以降は朝と夜って感じで作業を進め、結局6日間にわたり計12回塗りました。使ったシェラック(セラック)ニスは100㏄~120㏄くらい。

続いて、材料や道具について。

今回使ったのは近所のホームセンターで買ったセラックニス。セラック25パーセント、エチルアルコール75パーセントの表示があります。名目は木製食器用天然ニスで、精製した漂白されたタイプ。ですので、白いテープが徐々に飴色に変わっていくような変化は望めない。しかし色付きのコットンテープを使うと、その色をベースに濃い色合いに仕上がる。今回はブラウンが黒に近いダークブラウンになった。ニス塗りに使うのは、筆と筆洗い用の容器、同じく筆洗い用のエチルアルコール。筆はホームセンターで買った100円の安物でしたが、次は少し良い物を使おうと思います。ニスを塗る過程で毛が切れたり抜けたりして塗面に貼り付いて、その都度剥がしましたが幾度となくそうなるので大変だった。

コットンテープはVivaのコットンテープ(ブラウン)。専用品では一番容易に手に入るものですが、何も専用品である必要はないみたい。でも、無難だと思う。

テープ末端の処理はヘンプ巻き。よくある梱包用とか園芸用と基本は一緒ですが、手芸用の物はしっかり撚ってあるのでほつれずらく綺麗に仕上がります。私はこれをさらに捩じりながら使いました。今回使ったのはナチュラルカラーの方で、太さは約1.5~2.0mm程のタイプ。沢山の色や太さがあるので、テープや車体の色と合わせて考えるとお洒落だし面白い。私は作業はキッチリやる方だけど、センスが無いのであまり考えなかった。

質感の話であって色合いの話ではありませんが、ネットで見る艶々と滑らかな質感とは少々異なります。今回はブラウンの色付きコットンテープと漂白されたクリアのシェラックニスを使ったので、白いテープに無漂白のシェラックニスだとまた違うのかもしれない。それでも使い込むことで味が出て来そうな雰囲気はある。

クッション性は全く無いのでコットンテープを2重巻き3重巻きにしてクッション性を高める方法もあるようです。でも巻いた分は間違いなく太くなりますから、見た目と使い心地と、納得できるところで折り合いをつける。今回はシンプルに一巻きだけど、それでもテープを巻いてない時に比べれば明らかに乗車感は異なって役割は果たしている。艶がある割にグリップは良いと思ったけど、季節、気温や湿度、もちろん使うグローブによっても感覚は変わるだろうから、使い込んでどう感じるか。それと、握りに対する摩耗は非常に強そうですが、停車時にハンドルを支点にして自転車を立て掛けるような場面でコンクリートなどは厳禁。ニスで固めて艶を出しているので当然と言えば当然ですが、すぐに白い擦り傷になってしまう。

最後に塗ってから一週間ほど乾かしたらグローブが貼り付くような事はなくなった。レバーを外して確認するとやっぱりベタっと貼り付いているけど、前回ほどではないから徐々に乾燥は進んでいる。印象としては、塗って一週間で実用範囲。完全な乾燥にはまだ至って無いけど、相当な日数が必要なのは間違い無さそう。

と、まぁ色々考えながらやってみましたが、次は無漂白のニスで飴色に。それも良いですが、コットンテープ2重巻き+クリア(漂白)のシェラックニス2回塗り(ほぼコットンテープそのままの質感)、これでもう一回やってみたい。



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