北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

叔父さん その2

2015-08-19 02:23:59 | 日記
内田樹さん、『疲れすぎて眠れぬ夜のために』の「家族を愛するとは」より、、、(内田樹

さんの文章の中でも、もっともブログなどに引用されている回数の多そうな文章なので、

気が引けたのですが、「寅さん」の話だと判りやすいと言われたので、、、。)



 レヴィ・ストロースによれば、ほんらい親族の基本構造は四項関係です。お父さん

 お母さん、お母さんの兄弟(おじさん)、そして男の子です。これは男の子を中心に

 にした場合で、女の子を中心に取ると、お父さん、お母さん、お父さんの姉妹(おば

 さん)と、女の子という四項になるはずです。

 どちらの場合であれ、親の代の水準に、自分と同姓の大人が二人必要なのです。

 一番分りやすいのが『男はつらいよ』の寅さんです。

 満男(吉岡秀隆)

 


 の父は博(前田吟)

 


 母はさくら(倍賞千恵子)

 


 そして「おじさん」が寅さん(渥美清)

 


 寅さんは自分の妹さくらを博に嫁として与えたわけで、一種の「貸し」があります。

 親族構造は、「女を贈り物にする」というシステムで循環していますから、そういう

 ことになるのです。博は寅さんに反対給付の義務を負っているので、寅さんには、

 何となく頭が上がりません。そして、博が満男に向かってあれこれ文句を言うと、

 必ず寅さんは横からいちゃもんをつけます。



  (男はつらいよ 第42作 なんと副タイトルは、「ぼくの伯父さん 」です、、、。)
 
 



 もしも、これを夫婦でやると、もろにぶつかってしまい、非妥協的な対立になって

 しまいます。でも、父親とおじさんの対立は、男同士の論争なので、議論のプラッ

 トホームはかなり共通しています。いちおう、最後までディベートというかたちで

 進行します(寅さんはときどき怒ってちゃぶ台をひっくり返してしまいますけど)。




        長くなったので、  叔父さん その3  につづきます、、、。

 

 
コメント
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