北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

丸太

2014-10-13 13:30:09 | 日記
このカトリック新発田教会、東京オリンピックの頃の建築のはずです。当時の、新潟県

新発田市周辺では、どれほどの乾燥した木材の良材が入手しやすく(丸太も含めて、、)

大工さんの技術レベルの高かったことか、、、。(今では考えられません、、、。)

当地、函館市周辺では、近年、材木屋さんの自主廃業や倒産が相次いでおり、良材の入手

状況は、非常に厳しいものがあります。そして、大工さんの高齢化が進み、昔ながらの

「あんちゃん」の頃から修行を積んだ、腕の良い大工さんが引退し始めています、、、。

(みんなもう、65歳とか70歳なのです。)プレカット工法が普及してしまった結果、材木屋

さんは、ホワイト欧州松の集成材しか扱おうとしません。(地方都市では、特にその傾向

が強いのです。)木部を「現わし」にする図面など、描いてもプレカット工場(材木屋さ

んが兼ねている。)では、見積もりさえしてくれません。(私の事務所は、当地のいくつか

のプレカット工場では、もしかしてブラックリストに載ってしまっているかも知れませ

ん、、、。)角材でさえ、そうなのですから「丸太」になると絶望的です。「あんた、

何言ってんの?」って、感じです。良心的な工務店が何とか対応しようとしてくれても、

時間も手間もかかるのに、「相見積もり」では、こちらも申し訳なくなってしまいます。

建築基準法とローンや火災保険料のシステムは、「ゴチャゴチャ言わずに、木材をブラス

ターボードで囲って、ビニールクロスを貼れ!」と言っている様なものです。

私が、「東京オリンピックの前くらいの古き良き時代に、住宅の設計したかった。」と書

いた理由、お判りいただけますか? 学生の時、学校に吉村先生が特別講義に来てくだ

さって、「今、昔の下町の町屋のような建物を作ろうと思っても、予算に合わないんだ

よ。」と、おっしゃっていました。それから、もう、さらに40年も経っているのです。


写真は、そのホワイト欧州松の集成材の品質表示ラベル





そして、昔ながらの「手板」を作って、このブログの最初の三階建て住宅を、手で「墨付

け」「切り込み」をしてくれた、佐藤棟梁。(たぶん、50代後半くらい、、、) 

ありがとうございました。


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