北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

Guglielmo da Volpiano ( ヴォルピアーノの聖ウィリアム ) その11

2022-01-10 13:57:34 | 日記

 

西洋と東洋で離れていますし、200年くらい後の人ですが、日本にも  Guglielmo da Volpiano

( ヴォルピアーノの聖ウィリアム )さんのようの宗教者がいました。平安末期の勧進僧の

『重源さん』( 1121年ー1206年 )です。(日本建築史の授業で、伊藤要太郎先生が親しみを

込めて『重源さん』と呼んでいたので、ここでもそう書きました。)

 

 

 

 

兵庫県小野市の神戸電鉄栗生線小野駅から、3kmくらい北東の、舌状の丘陵の先端に

建っている、国宝の浄土寺浄土堂です。(東向きに建っていて、西を背にしています。)

 

 

 

 

 

 

 

重源さんは、若い頃に中国の南部の福建省のあたりに留学していて、当地の建築工法の勉強も

したらしく、帰国後に『通し貫』を多用して木造架構を丈夫にする『大仏様』(または『天竺様』)

の建物を作っており、東大寺の南大門(これも国宝)も作っています。

 

 

東大寺南大門     下から見上げたところ

 

 

柱に穴をあけて、柱と柱を水平につないで

いる何本もの水平材が『通し貫』

 

 

下山真司筑波大学名誉教授の『建築をめぐる話・・・つくることの原点を考える』というブログに

浄土堂が紹介されています。

 

 

 

 

この断面図には書き込まれていませんが、真ん中に天井まで届きそうなくらい大きい

阿弥陀三尊像があります。

 

 

山口県防府市の三田尻の山陽新幹線の線路の北側に、重源さんの作った 周防国阿弥陀寺 と言う

お寺があります。重源さんは、ここを拠点に佐波川(さばがわ)上流の木材を、三田尻港から

奈良まで、瀬戸内海を船で運んでいたんでしょうか ?

 

 

三田尻から30kmくらい上流の、徳地という所にある重源上人像、 木材の上に立っています。

 

 

 

 

右上に阿弥陀寺、真ん中上から左下に流れる佐波川、右下メバル公園のあたりが三田尻港

 

 

 

もしかしたら、平安時代の頃、佐波川は三田尻のあたりにも注いでいたのかも知れません、

重源さんは、木材の搬出のために、佐波川の改修工事も相当したらしいのです、、、。

 

 

 

                                              Guglielmo da Volpiano ( ヴォルピアーノの聖ウィリアム )その12につづく

                                   

                                                         

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