北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

水上勉とジェーン・ジェイコブズ

2014-12-25 14:44:21 | 日記
ジェーン・ジェイコブズさんは2006年に亡くなりましたが、アメリカの都市計画運動家の

ような方で、女性ですが、本人か旦那さんがユダヤ系の方ではないかと思います。



KILL THE XPRESSWAY NOW !のプラカードを

胸に付けている ジェーン・ジェイコブズさん。







最近、ドキュメント映画にもなったようです。








『アメリカ大都市の死と生』(1961年、最初は黒川紀章さんの訳でした。)が有名なので

すが、もう一つ日本で翻訳されている本で『都市の原理』(1969年)と言う本があるので

す。たしか、3Mのテープとかブラジャーか何かの縫製を例にして、ルイス・マンフォード

の『歴史の都市 明日の都市』などの、集落が段階的に発達して大都市になる、と言う

都市の考え方を批判して、「都市があるから田舎がある。」「田舎があるから都市があ

る。」「都市が田舎を作り出す。」「田舎が都市を作り出す。」(「田舎」を「非都市」

と言ってもいいのかも知れません、、、。)と言うような内容だったと思います。(この

辺りは、『ユダヤ人と疎外社会』を書いたシカゴ社会学派のルイス・ワースを思わせる

ものがあります。都市の発生にはゲットーなどのユダヤ人の疎外社会が関与していると

言うのですから、、、。ルイス・ワースさんもユダヤ系なのかな?)


水上勉さんは、福井県若狭本郷の岡田集落の「さんまい谷」が在所で、その小説は、最後

に主人公の女性が不幸になるストーリーが凄く多いんです、、、。それも、もともと京都

の人でない女の人が、京都の街に関わって(関わったが為に、男も絡んで)不幸になってし

まうんです、、。最後は保津峡の鉄橋から飛び降りたり、木津川の木船の上で死産したり

、、、。この場合、京都は「都市」で、女主人公の「在所」の若狭や三国や越前は「田舎

」(または非都市)でしょうか? (とにかく物語の中で、女性と男は必ず絡みます、、。

絡まないと物語りになりません、、、。)


高倉健さんの映画「夜叉」では、大阪の「ミナミ」が「都市」で、三方五湖が「田舎(こ

の場合は漁村)」でしょうか?(でも、映画では田中裕子さんも、いしだあゆみさんも最後

に死んだりするほど不幸にはなりません。降旗監督、どうして?)





着物の後姿が田中裕子さんです。



水上勉さんの在所から、車で多分30分もしない所に、網野善彦さんの本に「縁切り寺」と

して出てくる、「萬徳寺」があります。(「無縁所」つまり「アジール」です。ヨーロッ

パの「ゲットー」も、一種の「アジール」なのでしょうか、、、?)遠敷川を挟んで向い

は、二月堂のお水取りで出てくる若狭彦神社上社です。「萬徳寺」があるのは「金屋」と

言う集落です。(水銀などと関係する山伏の活動、もしくは金工などの金属加工と関係が

あるのでしょうか?)



若狭小浜の萬徳寺です。



本当は、山門から遠敷川の風景が朝倉氏庭園跡みたいで良い感じなのですが、よい写真が

ありません。萬徳寺は庭園もあるのです。


それにしても、京都の街の女の人は、この若狭小浜の萬徳寺まで駆け込むのは大変だった

のではないでしょうか? 江戸の女の人が鎌倉の東慶寺や利根川の満徳寺に駆け込んだり

するよりは、ずっと大変そうに思えます。




追記  萬徳寺庭園です。


    


    

















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