もうずいぶん昔の話。
私にとって、2匹目の猫だったけれど、
17歳の彼の死は、
私にとって、始めての猫の死だった。
苦しそうな呼吸をしながらも、
私が名前を呼ぶと、
短いクリンと曲がった尻尾を振る。
いつもと同じ返事。
もう頑張らなくていいんだよ、と、
声をかけることしか出来なかった。
真夜中、彼の呼吸が止まった。
彼の胸に耳を押し当てた。
トクン、トクン、トッ・・・クン、ト・・・
心臓の鼓動も、
とうとう聞こえなくなってしまった。
ああ、逝ってしまった・・・と、
思わず見たデジタル時計。
00:39
39・・・
サンキュウなの!?
たまたまの偶然だろうけれど、
あれは彼から、私へのメッセージ。
「ありがとう」って言ってくれたんだ!
そう思いたいし、そう思っている私。
今朝、友人の猫が旅立ったと連絡が・・・
少し前から、
付きっ切りで看病していたのに、
とうとう旅立ってしまった、と・・・
逝ってしまった彼も、
きっと彼女に言いたかったと思うし、
何らかの形で言っていると思う。
「ありがとう!」って・・・