認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

回復可能なアルツハイマー型認知症の初期の症状とその特徴ーその1(小ボケ  B-32 )

2015-03-15 | アルツハイマー型認知症の早期診断

 5月の連休までには、屋内の全面的なリフォームが完成し、脳活性化研究所としての活動が開始される見通しです。高齢者が800世帯も定住しているこの別荘地で、脳を活性化させる「生活習慣」と言う「テーマ」を交流を通じて具体的に追及し、その類型化及びパターン化を図りたいと考えています。

    

    これは何 年のせいなの 病気のせいなの

                   回復可能な 本当の初期       By kinukototadao


&「アルツハイマー型認知症」の発病原因(発病のメカニズム)に関わる3つの「仮説」

テレビでよく認知症の専門家とか認知症の名医とかのふれこみで登場する人達がいます。「アルツハイマー型認知症」の診断についてその人達が語る内容を聞いていると、この人達にはプライドが全く無いのかと疑いたくなるのです。「アルツハイマー型認知症」の本質について、全く知らないのではないかと言うしかない内容なのに、如何にも深く理解しているかのような断定的な口ぶりで語るのです。加齢に伴い発現してくる老化現象としての記憶の障害の症状と「アルツハイマー型認知症」の症状としての記憶の障害の症状との判別の仕方も知らないで、程度や態様の如何を問わず、「アルツハイマー型認知症」診断の要件としての「記憶の障害」と言う要素に拘泥する内容なのです。

  私のブログを熱心に読んでくださっている皆さんなら既にお気づきのことと思いますが、程度及び態様の如何を問わず、「記憶障害」の症状が老化現象としての症状ではなくて「アルツハイマー型認知症」の症状としての症状である為には、私たちが開発した「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストの実施の結果として、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の機能レベルが異常なレベルにあると判定されることが不可欠の条件となるのです(ここを「クリック」してください)。

 私自身は詳しいメカニズムについては何もわかっていないのだけど、「〇〇〇」の説に従って言うと、「×××」と言うことになるようです。

自分なりのプライドがあるのであれば、このような話し方で、説明すべきではないのでしょうか。「アルツハイマー型認知症」は、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」が規定するような「記憶の障害」が第一の要件となる訳でもないのです。ましてや、食べ物や飲み物や魚介類等に多く含まれているとされる不飽和脂肪酸(DHA)などが発病を予防する効能を有する訳でもないのです。メタボであることや糖尿病を発病していることが、「アルツハイマー型認知症」の発病との間での直接の因果関係が認められるという訳でもないのです。

      


 今回は、認知症の専門家とされる人達が気付かないままに(或いは、まったく知らないで)、見落としている「アルツハイマー型認知症」の最初の段階と言うか、本当の意味での「初期」の段階、私たちの区分で言うところの「軽度認知症」(小ボケ)の段階について、症状の特徴を含め詳しく話してみることにしましょう。この段階の症状に気づかないで(目が向かないで)、重度の記憶障害の症状ばかりに目が向いていたのでは、何時まで経っても、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは出来ないのです。

 アー、嘆かわしや!今日も、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階を見つける条件を解明しようとして、若くて有能な多くの研究者達が、アルツハイマー・マウスとかの迷路での行動の追跡に夢中になっている姿を哀しく想像してしまうのです。どんなに努力しようとも、月日が何時まで経とうとも、結果は出ないことも知らないで。

     

 

「アルツハイマー型認知症」について幾らかなりとも関心がある皆さんであればご存知のように、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについては、日本を含めて世界中の認知症の専門家達から、未だに「不明」とされているのです。アルツハイマー病の患者の死後の脳の解剖所見と末期の段階にまで症状が進行していた「アルツハイマー型認知症」の患者の死後の脳の解剖所見とで共通の構造物として確認されるアミロイドベータの蓄積に起因するとされる老人斑及びタウ蛋白の蓄積に起因するとされる神経原線維変化並びに脳の委縮のそれぞれに着目していて、且つそれが発病の原因であると主張する仮説である、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の委縮説の3つの説が主張されています。但し、それら3つの主張は、ともに、原因と結果との間に要求される「因果関係の証明」は未だに行われていない、「単なる仮説」にすぎないのです。

更に言うと、アミロイドベータの蓄積に起因するとされる老人斑の沈着もタウ蛋白の蓄積に起因するとされる神経原線維変化も、更には脳の委縮も「アルツハイマー型認知症」の発病の原因ではなくて結果に過ぎないのです。それらの要素は全て、「アルツハイマー型認知症」を発病して以降、末期の段階、私たちの区分で言うところの「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで認知症の症状が進行した(身体が持った)人達の脳に見られる特徴、末期段階にまで症状が進行したその結果としての「副産物」に過ぎないのです。

      


&「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕方とその特徴

〇 意識的な世界と「前頭葉」を含む脳の働き具合

 ベッドから起き上がる、洗面所で顔を洗う、洋服を着る、家族に挨拶する、食事の準備をする、料理をする、食事を摂る、外出する、切符を買う、電車に乗る、友達と会う、家に帰るなど、全ての意識的な行為や行動は、「前頭葉」を含む脳の働き具合(脳の機能レベル)に左右されているのです。この場合、「前頭葉」の働き具合が正常なレベルに保たれていることが、状況の判断やテーマの発想やテーマに沿った行動内容の企画や計画、その実行の決断等に必要不可欠の条件となるのです。「前頭葉」の働き具合が異常なレベルに衰えてくると、その「アウトプット」としての状況の判断やテーマの発想やテーマに沿った行動内容の企画や計画、その実行の決断等の全てが異常なレベルのものになってしまうのです。

 ベッドから起き上がり、洗面所で顔を洗うといった、身体を動かす場面で、今日の行動目的に沿った且つ季節及び自分に合った服装をするにも、或いは、友達と会う約束の目的地に約束の時間までに到着できるよう適切な電車の乗継の選択と切符を購入する等、状況と目的に沿った思考や動作や行動をするには、「前頭葉」を含む脳の機能が正常な機能レベルにあることが不可欠の条件となるのです。「前頭葉」を含む脳の機能がどのような機能レベルにあるかにより、そのアウトプット自体が変わってしまうのです。認知症の専門家とされる人達でさえ未だにこのことに気づいていないのですが、「アルツハイマー型認知症」の症状、回復の可能性と言う視点から私たちが3つに区分している段階的な症状は、まさにこの条件と直結した関係にあるのです。

   


〇「意識的な世界」における「脳の働き方」のメカニズム

私たちの頭のてっぺんの所には、身体を動かす指令を出す「運動の脳」があります。脳卒中で、半身麻痺になる人がいます。運動の脳の左の部分が壊れると、右半身麻痺が起きます。右の部分が壊れると、左半身麻痺が起きます。運動の脳の左の部分が右半身を動かしていて、右の部分が左半身を動かしているのです。

 脳の後ろの左側部分には、勉強や仕事などをする為に不可欠の「左脳」があります。左脳は、言葉や計算や論理や場合分けによるシミュレーションなど「デジタルな情報」を処理しているのです。 脳の後ろの右側部分には、趣味や遊びや人付きあいなどを楽しむ為に必要な「右脳」があります。右脳は、色や形や空間の認知や感情の処理など「アナログな情報」を処理しているのです。

額のところには、脳全体の司令塔の役割をつかさどる「前頭葉」があります。私たちが意識的に何かのテーマを実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(身体を動かすテーマ)、「左脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(言葉や計算や論理や場合分けなどのテーマ)、「右脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(色や形や空間認識や感情の処理などのテーマ)、全ては司令塔の「前頭葉」が周りの状況を判断して決定し、指令を出しているのです。その「前頭葉」には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察をしたり、或いは機転を利かせたりするなどの様々な働きが詰まっています。更には、自分の置かれている状況を判断し、種々ケースワークした上で、実行テーマの内容や実行の仕方を選択して、最終的に決定するために必要な「評価の物差し」という大事な働きがあります。この状況の判断に伴うテーマや実行内容、或いは実行の仕方やその程度及び態様を選択する機能こそ、私たち人間に特有の機能でもあるのです。

    


〇 「三頭建ての馬車」の御者の役割を担うのが「前頭葉」

運動の脳、左脳、右脳という「三頭建ての馬車」をあやつる御者の役割をしているのが、「前頭葉」なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、「前頭葉」の働き次第ということなのです。御者が居眠りを始めたり、眠り込んでしまったら、馬はどこへどのようにして行ったらいいのか分からなくて道に迷ってしまうでしょう。生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの単調な生活の継続と言う脳の使い方としての生活習慣に起因して、言い換えると、使われる機会が極端に少ないことに起因し発生する廃用性の加速度的な機能低下を直接の原因として司令塔の「前頭葉」の働きを含む脳の働きが異常なレベルに衰えてきて、その結果の直接の反映として社会生活や家庭生活やセルフ・ケアなどに支障が起きてくるのが、「アルツハイマー型認知症」という病気なのです。「アルツハイマー型認知症」は、60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象として発症する「廃用症候群に属する単なる生活習慣病」に過ぎないのです(「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。

 〇 意識的な世界での「認知度」を左右しているもの

意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断と決断など、「前頭葉」の個別機能を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となります。

「認知度」が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が、自分が置かれている状況と実行すべき目的とに適う必要なレベルでは、発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さそのものを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。「前頭葉」の個別認知機能の機能レベルが正常なレベルを維持していても、「前頭葉」の三本柱の機能が正常な機能レベルに無いときは、アウトプットそれ自体も正常なレベルのものではなくなってしまうのです。「前頭葉」の個別認知機能の機能レベルが異常なレベルに劣えてきていて、「前頭葉」の三本柱の機能も異常な機能レベルに劣えてきているときは、そのアウトプットは更に異常なレベルのものになってしまうのです。

〇 「前頭葉」を含む脳の機能の発揮と「二重構造」の問題

「前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに左脳や右脳や運動の脳も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(実行すべきテーマをいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容を組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮し、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な内容を決定し、実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮も必要になるのです。上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である「個別機能」によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別機能を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係(私たちのネーミング)が存在しているのです。 

    


〇 「前頭葉」を含む脳の機能から見る「アルツハイマー型認知症」の症状の段階

私たちは、「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれにリンクした症状を「二段階方式」と呼ぶ神経心理機能テストで判定し、軽いほうから、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の3つの段階に区分します。「脳のリハビリ」を実行することにより、正常なレベルに回復させることが可能かどうかの視点から、3つの段階に区分しているのです。

 3段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、「前頭葉」を含む脳の機能レベルと「二重構造」との関係にあって「前頭葉」を含む脳の働き具合を下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合との組み合わせによる「相乗効果」としての脳の働き具合のアウトプットに過ぎないのです。それらは、以下のパターンに見るような3通りの組み合わせとなるのです。

①   「軽度認知症」(小ボケ):「前頭葉」の機能レベルだけが異常なレベルにあって、左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベル

②   「中等度認知症」(中ボケ):「前頭葉」の機能レベルが小ボケのレベルよりも更に異常なレベルにあって、且つ左脳も右脳も運動の脳も異常な機能レベル

③  「重度認知症」(大ボケ):「前頭葉」の機能レベルが中ボケのレベルよりも更に異常なレベルにあって、且つ左脳も右脳も運動の脳も中ボケのレベルよりも更に異常な機能レベル

注)小ボケ、中ボケ及び大ボケの脳の機能レベルは、「前頭葉」については「かなひろいテスト」の実施による基準点により、左脳及び右脳の機能レベルについては、MMSテストの実施による基準点(テストの粗点ではなくて、換算点を基準)により、判定します。

   

注)症状の段階(脳の機能レベル)と回復の可能性

① 小ボケの段階であれば、脳のリハビリにより正常なレベルに回復させることが容易なのです。

② 中ボケの段階であれば、脳のリハビリにより正常なレベルに回復させることが未だ可能なのです。

③ 大ボケの段階になると、正常なレベルに回復させることだけでなく、中ボケの段階に回復させることさえも困難になるのです。

④ 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムから考えて、飲むだけで(或いは、貼るだけで)「前頭葉」を含む脳の機能レベルが回復するような薬(「アルツハイマー型認知症」の治療薬)が開発可能とは考えられないのです。

(コーヒー・ブレイク)

欧米の主要な製薬メーカーからは、新規の治療薬開発の根拠とはならないとして既に否定されている説なのですが、我が国では、著名な独立行政法人を先頭にして、アミロイドベータ説が主流です。ところが、アミロイドベータの蓄積は、「アルツハイマー型認知症」の発病とは関係がないのです。アミロイドベータの蓄積は、「アルツハイマー型認知症」の発病原因ではなくて、発病し末期の段階にまで重症化が進行した結果としての「副産物」に過ぎないのです。

アミロイドベータの蓄積を早期の段階から検知できる方法や機器を開発できたからと言って、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階を検知できることにはならないのです。時間の無駄遣い、税金の無駄遣い、人材の無駄遣いに終わってしまうのです。

    


& 症状が段階的に進行していき、重症化していく主たる原因は、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下にあるのです

     

〇 小ボケ、中ボケ、大ボケと症状が進行していく原因は、脳の機能レベルの低下にあるのです

上述した3つの段階の組み合わせに見る「前頭葉」を含む脳の機能レベルの低下の中で、全ての脳の機能レベルが段階ごとの症状の発現及び進行に関係しているのですが、最も重要な要素は、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標もないというナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続(私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」)に起因する脳全体の廃用性の機能低下、特に、「前頭葉」の加速度的な機能低下の進行にあるということが症状の中身を理解する上で極めて重要なことなのです。

 意識的に何かの「テーマ」を実行する上で、状況を判断するにも、状況の判断に沿った「テーマ」を発想するにも、「テーマ」の内容を組み立てるにも、実行内容の結果をシミュレーションするにも、シミュレーションの結果に基づいて必要な修正を加えて変更を行うにも、実行の判断及び決断を行うにも、場合によっては必要な抑制を行うにも、全て及び常に、「前頭葉」による全体及び個別のコントロールが不可欠となるのです。

「二段階方式」による「前頭葉」を含む脳の働き具合のテスト結果を図示した上記図にみられるように、「小ボケ」から「中ボケ」、中ボケから「大ボケ」へと症状が進行し重症化していく中で、その主たる原因として、「前頭葉」の機能レベルが加速度的に低下して行っていることが分かるのです。「前頭葉」は、3頭建ての馬車の御者、脳全体のコントロールタワーの役割を担っているのです。その「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくということは、『状況を判断する機能、状況の判断に沿って「テーマ」を発想する機能、「テーマ」の内容を組み立てる機能、実行内容の結果をシミュレーションする機能、シミュレーションの結果に基づいて必要な修正を加えて変更を行う機能、実行の判断及び決断を行う機能、場合によっては必要な抑制を行う機能』と言ったすべての機能の働き具合が加速度的に低下して行くことを意味しているのです。

 [DSM-4]の規定を疑うこともなく盲信している認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の症状として認める初めての段階、私たちの区分で言う末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階になると、例えば、言葉を通じたやり取り(相手の言葉を理解し、自分の考えを相手に伝える)といったようなことも、自分の表情や感情の表出も、相手の表情や感情の理解も、態度も言動も行動も全て、肝心の「前頭葉」自体が眠り込んでしまっていて殆ど機能していない状態に在る下での表出(表現)なのだということを、私たち、家族や介護者は理解しておくことが必要不可欠のことになってくるのです。色々な言葉、身体に浸み込んだレベルの言葉や単語を発してはいても、それらは適切な/或いは必要なレベルでの状況判断や理解とは無関係のものに過ぎないのです。肝心の「前頭葉」が殆ど機能していない下での、言葉の表現であり、態度や行動の表出に過ぎないのですから。それなりに働いているのは、感情の脳である「右脳」と身体を動かす「運動の脳」だけであり、且つそれらの脳までもが症状の更なる進行の下で働かなくなっていくのです。

   


(再び、コーヒー・ブレイク)

「前頭葉」を含む脳の機能レベルと言う視点から考えてみた場合、 「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで症状が進行してしまった人達こそ、介護保険の全面的な適用で手厚く介護すべきなのです。「家族介護」などもってのほかの施策(政策)と言うべきなのです。「脳はちゃんと働いているのに、身体がちゃんと働かない人」よりは、「身体はちゃんと動くのに、脳がちゃんと働かない人」にこそ、介護保険を適用すべきなのです。

 この先、認知症発病者の膨大な数の増加が見込まれることを危惧して、財政面からの介護保険制度の破たんを危惧して、家族介護を制度化するのであれば、もっと素晴らしい別の方法があるのです。開きっぱなしにされたままの蛇口を閉めればいいのです。これこそがBestの方策であり、施策であり、政策なのです。色々な種類が数ある認知症の中で、「アルツハイマー型認知症」が認知症全体の90%以上を占めているのです。その上、「アルツハイマー型認知症」は、発病自体を「予防」することが出来るタイプの認知症であり、「早期の段階」で発見すると治すことも出来るのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病であり、早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて、「脳のリハビリ」を実践すれば治すことも出来る病気だからです。

 「早期の段階」を見つけるとかいう名目で、費用ばかりが高額であって発見に寄与していないCTやMRIやPETの使用を診断に用いたがる医師達にそれらの使用を中止させるのです(どうしても使用するのであれば、その使用は「混合診療」の対象とするのです)。「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストであれば、費用自体が格安であるうえに、極めて精緻なレベルでの判定が可能だからです。その場合、判定は医師である必要もないのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を「市町村」が「地域予防活動」により実践し、本当の意味での「早期」の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の判定及び「脳のリハビリ」による「生活習慣」の改善指導を調剤薬局やコンビニが主体となって展開するのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」)が殆どだからです(極めて稀なケースとして、50歳代後半での発症がみられるだけなのです)。

    


& 「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状の特徴

以下に列挙された症状は、「DSM-4」の規定に基づいて診断を行う人たち、認知症の専門家とされる人達からは見落とされている「軽度認知症」(小ボケ)の段階に特有な症状ばかりなのです。「小ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階に特有な症状並びに「大ボケ」の段階に特有な症状は確認されないのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳の機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状として発現するからなのです。「前頭葉」を含む脳の機能レベルが異なれば、異なったレベル、段階の症状を示す、それが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。加齢に伴い発現してくる記憶障害の症状、所謂「物忘れ」の症状以外の病的な記憶障害の症状は全く確認されていないことに注意していただきたいのです。「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能障害を示す症状だけしか発現してこないのです。「記憶の障害」の症状が発現してくるのは、次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階からなのですが、「中ボケ」の段階更には「大ボケ」の段階での「記憶の障害」の症状とみられている症状の根幹にあるのは、主として、異常なレベルに機能が衰えてしまった「前頭葉」の働き具合に起因した理解力及び判断力並びに意欲及び集中力の機能の低下を基礎として発現する「記憶障害」の症状であることを専門家達が理解することが、「アルツハイマー型認知症」の発現のメカニズム及びその本質並びに症状を正しく理解する上で極めて重要なことなのです。「覚えていない」というだけの単純なメカニズムとは違うのです。それが故に、「前頭葉」と言う機能自体が備わってもいないラットとか、マウスとか、或いは、アルツハイマー・マウスとかを追いかけまわしていたのでは、何時まで経っても、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムやその本質を理解することは出来ないのです。

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってきた

□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない

□  同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ

□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている

□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなった

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ

□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる

□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になってくる

□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとするようになった

□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になった

□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない

□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

    

 注)本著作物(このブログB-32に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 

 エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

 

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


 


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