脳の司令塔の前頭葉は、60歳より70歳、70歳より80歳と、年をとればとるほど誰でも老化が進んで、働きが次第に悪くなっていきます。それなら、お年よりは誰でも「アルツハイマー型認知症」になるのかと言うと、そうではありません。「加齢による脳の老化」(第一の要因)についての前回(N-27)の説明に続いて、しばらくは、第二の要因であるナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という「生活習慣」について説明します。
第二の人生が始まったばかりの60代で早々と「アルツハイマー型認知症」になるお年寄りもいれば、どこでも見かけられる普通のお年寄りもいれば、80代になっても脳がいきいきとしていて「かくしゃく」としているお年寄りもいるのです。
早々と「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りと生涯かくしゃくとして生きるお年寄りとの違いは、どこにあるのでしょうか?
その差は、脳の老化のスピードの差にあるのです。「脳の老化のスピード差」は、脳の使い方としての日々の「生活習慣の差」から生じるのです。この点に関する詳細なデータは、(N-34)で報告する予定です。
「生涯かくしゃく」と言われているお年寄りは、「前頭葉」の老化の進み方が、年をとるスピードよりもずっと緩やかなのです。年齢相当の老化よりも、脳の老化がずっと遅いのです。
「早々とアルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りは、前頭葉の老化の進み方が、年をとるスピードよりもずっと速いのです。年齢相当の老化よりも、脳の老化がずっと速いのです。
かくしゃく老人は、脳を生き生きと使う「生活習慣」をもって日々暮らしているのです:毎日の暮らしの中で、何をどのようにするのかを決める「前頭葉」の出番が多い生活を楽しんで暮らしているのです。
「運動の脳」を使ってスポーツや散歩を楽しむ生活、「右脳」を使って趣味や遊びや人付き合いを楽しむ生活、「左脳」を使って会話を楽しむ生活、更にはボランティア活動や地域の世話役等をやって、地域に役立つ生活をして暮らしているのです。
自分なりの目標や喜びや生き甲斐を持てる生活を送っていて、前頭葉の出番が多いので、前頭葉がイキイキと働き、活性化していて、認知症とは無縁なのです。
「認知症になるか、ならないか」「早々と認知症になるか、身体が持つ限り脳もイキイキと保てるか」:それは、毎日の脳の使い方という「生活習慣」が決め手になるのです。
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