今日は気温も下がり、一日中寒い日がつづいています。
写真は、澄んだ青空と独立峰の御嶽の姿が素敵ですね。(7/12撮影)
御嶽
「摩利支天様」
昔、荻島という集落に平太郎というお百姓さんがいました。
ある日、平太郎さんは万病を治すといわれている「横連」という薬草を取りに、百間滝の近くへ出かけました。百間滝は日帰りが難しい山の中にあるので、そこで一夜を過ごすために岩穴を見つけ、もみの木を利用した簡単な壁を作りました。
夜になり、だんだんと冷え込んできたので、平太郎さんは火をおこして暖まっていました。するとそこへ、一丈五尺もある大男が壁を破って入って来ました。驚いた平太郎さんは逃げ出そうとしましたが、岩穴は狭く、大男は入り口近くにいるので、逃げることができません。そのうち平太郎さんは、摩利支天様のお守りを持っていることに気付き、それを出すと、不思議なことに大男は「もう帰る」と言ってすぐ帰ってしまいました。平太郎さんが見た大男の後姿には、二間もある大きな尻尾があったそうです。
(摩利支天 : 御嶽教における神の一人)
「横連」と呼ばれる花の根は、現在でも胃薬として用いられているようです。御嶽山麓の村々に、その薬効性を教えたのは、覚明行者だと言われています。それ以来、その辺では、万病に効果のある薬として知られています。