ウェブアドレスが不要になる日

　お気づきですか。最近テレビのコマーシャルで、検索窓に語句を入れて、検索ボタンを押すというシーンが増えてきたことを。まるでブラウザで検索をしているようなシーン。
　 さぁ、10年くらい前なら、いただいた名刺にwebアドレスが書いてあったら、「おっ、すすんでる」と思いましたよね。さすがに近頃ではないことの方が珍しく思えるようになりました。電話番号や住所を確認するにも、会社名やお店の屋号を入力して、web上で探すことが多くなりました。 現在はアドレスを直に入力するのではなく、検索から入るわけですね。ですから、わざわざアドレスを覚えたり、入力したりという必要がない。テレビコマーシャルでは、「長ったらしいアドレスを入力するより、この語で検索をかけたら一発で出ますよ」と伝えているわけです。
　 こういう現象を、別ページで紹介している「文系のための『web2.0』入門」によれば、「web2.0化している」とか、「web2.0的だ」とかいうのだそうです。「web2.0」を簡単に説明すると、特別に知識をもっているわけではない人もがwebの恩恵を受けることともいえるのだそうです。 実は、私はいまだに「かな入力」をしている者ですから、アドレスを入力するというのは、かなりやっかいでした。いちいちアルファベットのキーを捜しながら打つわけですね。日本語のかな入力より何倍も時間がかかってしまう。ですから、かなり前からアドレスを入力するより、検索で探す派だったのですが、私のような者でも必要なページに早く行けるようになる、というこれがweb2.0的というわけです。
　 となると、従来ドメインの取得をめぐって、やがて高くで売れるだろうことを予測して、使う予定もないドメイン名を取得したり、商売に語呂のいい.com（どっと込む）ドメインを取得する、なんてのが不要になる。ほとんど人々の記憶に残らないアドレス名にやっきになる必要がなくなるということですね。
　決して、アドレスやドメインがなくなるわけではないけれど、特別に記憶しなくても、意識しておかなくても、目的のページにたどり着けるという意味では、アドレスが大きな意味をもたなくなる、そういう時代だということでしょう。