25年ほど履いたデザートブーツを捨てたという記事を以前に書いたことがありました。実は、もうひとつ、「一生もの」があったのです。
23歳の年だったと思うのですが、マウンテンパーカを買いました。大阪駅前の山岳用品屋、半額で買いました(忘れもしません。定価42000円と書かれていて、払ったのが21000円)。当時の貧しい私からすれば、ずいぶん勇気のいった買い物だったはずです。当時のファッション雑誌、「メンズクラブ」の主張は質実剛健。ライターはジッポ、足元はハンティングブーツ、みたいな大層な出で立ち。外套はマウンテンパーカ、みたいな時代でした。ジッポもハンティングブーツも、ブルックスブラザーズも仲良くしてもらえませんでした。でも、マウンテンパーカは買っちゃいました。ダンロップと書いてあって、タイヤみたいと思った記憶があります。
60/40にゴアテックスを使用。当時は画期的な素材だったはず。大きなポケットが4つ、さらに地図を入れるための編目のポケットが内側にひとつあって、重宝しました。ファスナーは下からも開けられる便利なもの。ただ、買ったときにはサイズがやや大きくて外套として着るにはスースーする感じでした。やがて私も人並みに太ってきて、長かった袖もちょうどいいサイズになってきました。
北海道から沖縄まで連れて行きました。さすがに沖縄では出番がありません。時にはスキーウェア代わりに使ったこともありました。そうしておよそ30年。もとより、ぼんやりした色でしたから、色あせていくのも目立ちにくい。
まだまだいけるぞと思っていたら、約1年前のこと。シーズンが終わったので、マウンテンパーカを洗濯機で回し始めたご主人様。なぜ、なんでも洗濯機で片付けようとするのだろう。洗濯機が壊れかかっていて、背中に刀傷を浴びたように、裂け目ができてしまいました。今シーズンは、30年近く付き合ったパーカと別れるのが惜しくて、暗闇の中での犬の散歩用に使いました。
でももうお役ご免にしてやろうと思います。長い間、ありがとう。お世話になりました。
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