もう、ウクライナ軍の反撃作戦が南ドネツク戦線とザポリージャ戦線で開始されてから1か月近く経ちます。
ところが最初の段階からロシア軍もロシア政府もウクライナ軍に大打撃を与えて撃退していると、主張しています。
プーチン氏に至っては、それが極端で最初から戦車を245両破壊して装甲車を678台破壊したと戦果を強調しています。ところが、この数字最初の日からこれまで同じです。1か月分の戦果を推測して主張している訳では、ないと思いますがいつまで経っても数字に変化は、ありません。
ワグネル事件の前には、前線は安定していて小康状態であると主張していました。その後、ワグネル事件が勃発してその後プーチン氏の戦果報告は、聞きません。
凄く、変でしょう?
南部戦線では、激戦が続き徐々にウクライナ軍が進出しつつあります。
にも、関わらずプーチン氏は同じ数字の戦果を主張し前線は、小康状態にあると主張しています。
そうすると?本当のことを報告したくない情報組織や国防省が(聞こえのいいように)報告内容を変更している可能性が、大きいです。つまり、プーチン氏はウクライナ戦線の現状を、まったく知らない可能性があります。多分?
「ウクライナ軍には大打撃を与えており、強力に撃退している」
と言う話しか知らないので、あろうと思います。
一方、ロシア軍はロシア軍でダム爆破と言う戦争犯罪を犯してドニプロ川下流域で洪水を起こしました。多分、それでウクライナ軍の進撃を阻止できると考えたのであろうと思います。しかし、それは洪水が起きている間だけで水が引けば、それほど役には立ちません。
ダム爆破後、ヘルソン州の守備部隊の一部をザポリージャ州やドネツク州に移動させました。
当然、ウクライナ軍はヘルソン州で渡河作戦の準備を始めました。現在、ドニプロ川東岸に橋頭保を築きつつあります。
ウクライナ戦線の現状<ウクライナ紛争2023年7月3日
https://smcb.jp/diaries/9084688
この日記で書いた通りウクライナのマリャル国防次官の広報の通りなら、ロシアの占領地は南部と東部に分断されつつあります。これは、ロシア軍にとって危機的な状況です。ここを分断されてしまうと占領地の中での、部隊移動や武器の移動、物資の輸送=補給がクリミア経由でないと出来なくなります。
その状況は放置されて現在ロシア軍は、バフムトからドネツク州北部に予備兵力を集中して攻勢をかけているようです。
その様子を見るなら、ロシア軍の参謀本部にすらウクライナ戦線の現状が正確に報告されているかどうか、疑わしい部分があります。それに加えて戦闘部隊の総指揮を執っていたと思われるNo2のスロビキン上級大将が、ワグネル関連の調査を受けているようです。少なくとも参謀本部にはいないと思われます。
つまり?
ウクライナ戦線の現状は、参謀本部に報告されず現地の戦闘部隊の指揮を執るNo2の指揮官は、いないことになります。それを代行する上級の大将は、すぐには決められないでしょう。
現状は、現地の部隊指揮官がばらばらに作戦行動をしている気配があります。その場で、そのまま戦う事は出来るかもしれません。しかし、部隊の移動や広範囲の作戦計画の変更は、ほぼ無理だと思います。
ヘルソン州のロシア軍の補給は、かなり滞ると思います。それをウクライナ軍は、狙っていると思います。私が、普通に考えてもヘルソン州のロシア軍は、かなりヤバそうに見えます。
その情報は、おそらくロシア軍の参謀本部にもプーチン氏にも届かないと思います。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/