「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ドネツク州アウデイーイウカの激戦<ウクライナ紛争2023年10月

2023-10-25 19:07:17 | ウクライナ紛争

1週間でロシア兵6000人死亡か ウクライナ試算、激戦地アウディイウカ
2023年10月23日07時07分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023102300178&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

ウクライナ側の試算のとおりであるとするとロシア軍に甚大な被害が出ていることになります。空恐ろしいというべきでしょう。

これまで最もロシア側の犠牲が大きかったと思われるのが、バフムトの激戦です。推測ですがワグネルの囚人兵部隊で約3万人見当。ロシアの正規軍が2万人とすると合計5万人。これは死傷者の推測です。かなり死亡率の高い戦場でしたので、このうち3万人は戦死しているかもしれません。しかし、これは5か月間に及ぶ激戦の総計です。

戦死者が5千人とすると負傷者が同数いると仮定して1万人の死傷者です。バフムトは地獄の戦場と言われました。しかもワグネルの戦術は、人的犠牲を考慮しない無茶苦茶なものです。それでもロシアの正規軍と合計した1か月分の死傷者を、たった1週間で出したことになります。

ロシア軍がアウデイーイウカАвдіївкаでやっている戦術は、バフムトの2番煎じと言えます。バフムトでは、市街北の郊外を制圧して市街の東の郊外から市街に攻め入りました。
アウデイーイウカАвдіївкаでは、北と南の郊外を制圧して市街を包囲しようとしています。

仮にこの作戦が成功したところでウクライナの前線を北に押し戻すだけで大勢に影響はありません。州都ドネツクの防衛が確実になるだけです。これは、バフムトにも言えることでバフムト市街をロシア軍が占領したところで戦略的な意味は、ほぼありません。勢力の境界線上に1拠点に過ぎないからです。

これがドネツク州リマンЛиманやハルキウ州クピャンスクКуп'янськになると全然、意味が違います。両方ともハルキウ州攻略の要の要衝です。両方ロシア軍が奪還するとウクライナ軍のハルキウ州防衛は、かなり大変だと思います。

大きな犠牲を払ってまで攻め落とすなら攻撃する方向が全然違うと言うことです。バフムトも同じことで、バフムトではなくドネツク州リマンЛиманやハルキウ州クピャンスクКуп'янськ攻略にあの大兵力を振り向けていれば、ハルキウ州は、今頃無事ではないと思います。

こうやってロシアの参謀本部が方向違いの作戦計画を立てているうちはウクライナ軍は、少なくとも今のウクライナ領を大きく失うことはないと思います。

と言ってウクライナ軍の方も決め手に欠けていて、主攻撃路と言えるザポリージャ戦線での進撃は、事実上頓挫しているようです。

『 ウクライナ軍ドニプロ川「渡河作戦」、イギリスで半年訓練の1000人投入…東岸に拠点維持』
2023/10/22 22:34
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231022-OYT1T50143/

ウクライナ軍にとっての期待の持てる戦場は、ヘルソン市のドニプロ川東岸に現在保持している橋頭保です。ここを保持したうえでへルソン州東側で進撃できるかどうか?

アゾフ海側まで進撃できるとウクライナ軍の作戦目的であるロシアの占領地の東部と南部の分断には、成功します。しかしそれがロシアの占領地を全部奪還することに結びつくものでは、ありません。南部の奪還に成功しても、クリミアと東部は依然としてロシアの占領地として残ります。これを全部、奪還しようとするなら3年はかかるような気がします。クリミアは陸側から攻めるのは、かなり困難な要塞のような地形です。

そこまでウクライナの国家財政が持つとは思えません。有利なうちにウクライナ軍に兵力と武器装備があるうちに、停戦を考えるべきと思います。ロシア軍を占領地から追い出す前に、ウクライナの国家財政は確実に破綻すると思います。今ですら欧米の援助がなければ、事実上ウクライナの国家財政は破綻状態にあると思います。ウクライナが国家として存続することを最優先に考えるべきだと思います。それで十分、ウクライナの勝利だと思います。



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