「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

2024年ジョージア議会選挙<2024/10/26

2025-01-10 22:28:05 | ヨーロッパ

産経新聞
2024/10/26
『親ロシアか親EUか・・・ジョージアで決戦の議会選挙 与党勝利ならEU加盟遠のく可能性』

https://www.sankei.com/article/20241026-R4SZ62FTXNOLFBJAI2DKRNU75A/

確かにジョージアは、コーカサスの小さな国ですけれど東欧情勢を見る上では、重要な議会選挙と言えます。
しかし、産経以外ネットにニュースを出しているメデイアは見ないです。
その意味で産経のネット記事は重宝しています。

ただ立場がアメリカ万歳ですからほぼ偏向報道と言えます。これは、やむを得ないことで日本のマスコミは全部同じです。

だから記事タイトルも相当、一方的なプロパガンダと言えます。
まず、そもそも現在ジョージアで政権与党である「ジョージアの夢」は親ロシア政策を取っていません。ロシアにもEUにも偏らない中立を基本政策にしています。
ロシアとの戦争が、あった以上親ロシアは国民感情からしても、あり得ないことです。

親EU勢力は、います。
どちらかと言うと元大統領で独裁者であるミヘイル・サアカシュベリが、強烈な反ロシア政策を取りロシアとの戦争を引き起こしました。
当時の国際情勢を考えると、2008年ブッシュJr大統領がNATOの東方拡大政策を決定した時期と重なっており、ほぼアメリカの傀儡とみていいと思います。
※参考
ウイキペデイア
「ジョージアの大統領一覧」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E4%B8%80%E8%A6%A7

2回目の任期が2008年1月20日から2013年11月17日までです。
ロシアとの戦争後、反サアカシュベリ運動が起きて最終的に選挙で敗北して、事実上追放されました。
その後、亡命したのがウクライナです。
ウクライナでは、一時期重要な職に就いていました。
そしてウクライナではアメリカが主導した2014年暴力クーデターが起きています。当然、主力はアメリカの意を受けた西ウクライナ過激民族主義者です。
大体、サカアシュベリが、どんな人物か分かると思います。
ジョージアで失敗したアメリカが次のターゲットにしたのがウクライナです。

この時、サカアシュベリ追放を主導したのが現大統領のサメロ・ズラビシュヴィリの政治グループと「ジョージアの夢」です。

ジョージアの夢が、目指すのは本当の意味での独立です。外国の干渉を受けない自分たちの政府を持ち、自分たちのための政治を行いたいというのが、主な目的です。
だから親EU的に装いますが実際は、EUとロシアの両方と距離を置いて中立政策を取っています。
やはりアメリカとEU の支援を受けた親EUグループの支持者は一定数残っています。

ここにジョージアの問題があります。一部の国民に迎合してEU加盟を推進すれば、確実にロシアの干渉を招きます。だから、一部国民を納得させるためにEU加盟政策を取っているように見えますが、政権の本音は中立堅持です。

それがジョージアをEUに引き込みたいEUの希望に反しているから、EUから「くそみそ」に非難されています。

そして、現実を見るなら東欧の小国がEUに加盟したからと言って豊かになっているわけではありません。
EUは、「バラ色の未来」を宣伝しますが豊かにはなれず、過疎化が急速に進行した小国は沢山あります。
EUの大国が小国を収奪するために囲い込んでいる側面があります。
決して、EU加盟がその国に良い未来を約束している分けではありません。
むしろEUとロシアの間で中立を保ち政治的に安定している方が、余程経済的にも上手くいくと思います。

大統領のズラビシュヴィリは、ほぼフランスの代理人と言うべき人物です。フランスの代理人であるなら、EU加盟は絶対に推進するべきことです。
ズラビシュヴィリが「ジョージアの夢」に取って必要だったのは、独裁者を追放するためです。
「ジョージアの夢」の描く夢とズラビシュヴェリの描く夢は、独裁者の追放では一致していますが、それ以外は違っていると言うことです。

国際的な知名度はズラビシュヴィリの方が圧倒的に大きいです。そしてジョージアの民主化(独裁者の追放)には貢献しましたしEU加盟を主導していますから、まるで正しいような報道のされ方ですが、ジョージア国内の評価は違うと言うことです。

【サメロ・ズラビシュヴィリ】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AA

産経の記事は、EUの側に立って書いていることが分かると思います。EUに加盟することが良いことだという前提で書かれています。
EU加盟が、その国にとって良いか悪いかなど個別に見ないと分かりません。ジョージアの場合は、地理的にも政治的にもロシア圏にいたほうが、有利な面が多い国です。

そして「ジョージアの夢」を「親ロシア」と決めつけています。しつこく書きましたが、ジョージアはロシアの傀儡になる気など全くありません。むしろロシアの傀儡にならないために細心の注意を払って、中立の立場を守ろうとしています。

記事に出てくる米シンクタンク「戦争研究所」は、ネオコン勢力が資金を出している組織です。
だから中立では、あり得ません。
アメリカに有利なことを言うに決まっています。

※色々書きましたが、記事のどこに捏造がありミスリードがあるのか分ったでしょうか❓

少しずつ事実を書き換えてプロパガンダとフェイクニュースに仕立て上げるのは、特にアメリカとイギリスのメデイアの常套手段です。
BBCが一番ひどいですね。
BBCが中立であり公平な立場から報道していると思ったら大間違いです。
一部の問題についてはイギリス政府のプロパガンダを、もっともらしくでっち上げて報道しています。
大体、その手の報道には中身がないです。
ほぼプロパガンダと情報操作だけです。
これは、読み慣れると分かってきます。
(あっ、またやってるな❓)
結構、記事に入れる写真もミスリードに利用します。
写真でごまかすのも良く使う手です。
一番すごかったのは、どう見ても証明できないことを動画を使って証明して事実だと決めつけていました。
しかし、動画を見ていると「証明できない」と証明しただけでした。

要は、新聞やテレビは巧妙に嘘をつくということを知っていれば、まずそれが本当なのかどうか自分で調べるようになります。
そうすると・・・
これは多分本当
これは微妙
これは嘘
こんな具合に大雑把に当たりを付けられるようになります。そこから本格的に調査しないと、嘘か本当かは分かりません。

 

※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


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