モモカちゃんのハナタレをつけられピクニックは続く。
ランチを食べた後、子供達は走り回ったりボールで遊んだり、
そしてそこには高い高いアスレチックの遊具があった。
縄をずんずん登って行って、降りる時は鉄のらせん階段を降りてくる。
高い高いアスレチック、勇気ある子はずんずん登って行った。
私は車椅子のMちゃんとその様子を見ていたのだが、Mちゃんがふらふらと立ち上がったので私はMちゃんを急いで支えた。
そしてMちゃんはアスレチックの縄に手をかけた。
「まさかMちゃん、登ろうとしてないでしょうね?」
と言うと、
「うん、登る」
とMちゃん。
えええ!
Mちゃんは手の力はあるから、ずん、と縄に手をかけ、足を頑張って上げた。
「わかった、わかった。じゃあ途中まで登ろうね」
と開き直ったおばちゃん。
私はMちゃんを抱えて一緒に登った。
「よし、これ以上登ると降りれなくなるからゆっくりこのまま降りよう」
と、言ったのだがMちゃんはそんな忠告無視。
ふらふらしながらどんどん登る。
私はMちゃんを放すわけにはいかない。
一歩間違えば下に落ちて怪我をさせてしまう。
いや、落ちたらMちゃんだけじゃなく私も一緒に怪我をする。
一歩、また一歩、上に登る少女とおばちゃん。
必死。ホントあの時は必死だった。
そして、ついに、てっぺんに上りきった。
Mちゃんは満足そうに上からの景色を見渡していた。
しかし、試練はここから。
今度は長いらせん階段を降りなきゃならないのだ。
立つことさえ一人ではできないMちゃんを、無事に降ろさなきゃならない責任が私にある。
そんな自信がない貧弱な体の老いたおばちゃん。
しかーし!そんなことを言ってる場合じゃないので覚悟を決めた。
Mちゃんを後ろから抱え、Mちゃんには手すりをしっかりつかまらせてゆっくり一段一段降りた。
足を踏み外したら大怪我だ。
ここは火事場の馬鹿力を出すおばちゃん。
階段を降りている間、私が
「はいゆっくり、1、2、はいゆっくり1、2」
とか号令をとって慎重に一緒に降りている間、
「うるさいなあ」「もぉ、心配性なんだから!」
と、憎まれ口をたたくMちゃん。
そして、ああそして、地面に足が着いた時のあの達成感と脱力感!涙。
今思い出しても二度と同じことをしたくない気持ち。
アスレチックの後は、ボール遊びをMちゃんや他の子たちとした。
Mちゃんは運動遊びが好き。
だけどMちゃんは小学3年生の時からどんどん歩けなくなり、そして立てなくなってしまった。
昔、沢尻エリカが主演でやっていたドラマ「1リットルの涙」と同じ病気。
今、Mちゃんは中学1年生。
リハビリを頑張っているようだ。
もともとは運動が得意な子だったようで、まだまだ出来るとプライドを持っているから、「危ない」とか言われるのをウザがる。
それでも、やっぱり危ないのだ。
Mちゃんの気持ちはわかるけど、この上ケガをさせたらそれこそ大変なことになる。
ウザがられようが何されようが私たちはMちゃんを守らなければならない。
で!も!
ああもぉ、でもでもでも、
ピクニックから帰って、施設に戻った時、Mちゃんをいつものように抱えて玄関に入ろうとした瞬間、
私はMちゃんを抱えたまま、一瞬バランスを崩してしまった。
そしてそのまま二人で転んでしまった!
倒れながらとっさにMちゃんをかばったので、頭を打ったりすることはなかったが、Mちゃんの脚に擦り傷がついた。
「だいじょうぶ!?」
目を丸くしてびっくりしているMちゃんに聞くと、「うん」とうなずいた。
何やってるんだ私。
あのとんでもないアスレチックは乗り切ったのに、こんな何でもない所で転ぶなんて。
「ねぇちょっと!モリムラさーん!」
と私は転んだまま大声でモリムラさんを呼んで、Mちゃんを先に起こしてもらった。
Mちゃんを支えていながら二人で転んでMちゃんに擦り傷をつけてしまった報告を上司とMちゃんのお母さんにした。
Mちゃんのお母さんは、「たかぽんさんの方は大丈夫でしたか?」と逆に心配されてしまった。
「ありがとうございます。大丈夫です」
「Mは大きくなってしまって、たかぽんさんにはどんどん大変な思いをさせてるかもしれませんね」
確かに成長期のMちゃんは大きくなった。
初めて会った時は5年生で、まだ身体も小さく軽かったが、
中学生になった今は私とあまり変わらない身長になった。
きっと近いうちに私の身長を追い越すだろう。
周りからの暗黙のルールで、Mちゃんのことは私がずっと担当してきたけど、そろそろモリムラさんのような力のある若い人の方が、もういいのかもしれない。
そんなこんなのピクニックだった。
ハナタレありの、命がけのアスレチックありの、最後は失敗ありの、いろいろ考えることありの。
さて、次のイベントは・・
『プールに行こう』だ。
同行職員を見ると…
あ、私の名前はない。ホッ。
Mちゃんも浮き袋でプールに入るから、モリムラさん、頼みます。
頑張って。
ランチを食べた後、子供達は走り回ったりボールで遊んだり、
そしてそこには高い高いアスレチックの遊具があった。
縄をずんずん登って行って、降りる時は鉄のらせん階段を降りてくる。
高い高いアスレチック、勇気ある子はずんずん登って行った。
私は車椅子のMちゃんとその様子を見ていたのだが、Mちゃんがふらふらと立ち上がったので私はMちゃんを急いで支えた。
そしてMちゃんはアスレチックの縄に手をかけた。
「まさかMちゃん、登ろうとしてないでしょうね?」
と言うと、
「うん、登る」
とMちゃん。
えええ!
Mちゃんは手の力はあるから、ずん、と縄に手をかけ、足を頑張って上げた。
「わかった、わかった。じゃあ途中まで登ろうね」
と開き直ったおばちゃん。
私はMちゃんを抱えて一緒に登った。
「よし、これ以上登ると降りれなくなるからゆっくりこのまま降りよう」
と、言ったのだがMちゃんはそんな忠告無視。
ふらふらしながらどんどん登る。
私はMちゃんを放すわけにはいかない。
一歩間違えば下に落ちて怪我をさせてしまう。
いや、落ちたらMちゃんだけじゃなく私も一緒に怪我をする。
一歩、また一歩、上に登る少女とおばちゃん。
必死。ホントあの時は必死だった。
そして、ついに、てっぺんに上りきった。
Mちゃんは満足そうに上からの景色を見渡していた。
しかし、試練はここから。
今度は長いらせん階段を降りなきゃならないのだ。
立つことさえ一人ではできないMちゃんを、無事に降ろさなきゃならない責任が私にある。
そんな自信がない貧弱な体の老いたおばちゃん。
しかーし!そんなことを言ってる場合じゃないので覚悟を決めた。
Mちゃんを後ろから抱え、Mちゃんには手すりをしっかりつかまらせてゆっくり一段一段降りた。
足を踏み外したら大怪我だ。
ここは火事場の馬鹿力を出すおばちゃん。
階段を降りている間、私が
「はいゆっくり、1、2、はいゆっくり1、2」
とか号令をとって慎重に一緒に降りている間、
「うるさいなあ」「もぉ、心配性なんだから!」
と、憎まれ口をたたくMちゃん。
そして、ああそして、地面に足が着いた時のあの達成感と脱力感!涙。
今思い出しても二度と同じことをしたくない気持ち。
アスレチックの後は、ボール遊びをMちゃんや他の子たちとした。
Mちゃんは運動遊びが好き。
だけどMちゃんは小学3年生の時からどんどん歩けなくなり、そして立てなくなってしまった。
昔、沢尻エリカが主演でやっていたドラマ「1リットルの涙」と同じ病気。
今、Mちゃんは中学1年生。
リハビリを頑張っているようだ。
もともとは運動が得意な子だったようで、まだまだ出来るとプライドを持っているから、「危ない」とか言われるのをウザがる。
それでも、やっぱり危ないのだ。
Mちゃんの気持ちはわかるけど、この上ケガをさせたらそれこそ大変なことになる。
ウザがられようが何されようが私たちはMちゃんを守らなければならない。
で!も!
ああもぉ、でもでもでも、
ピクニックから帰って、施設に戻った時、Mちゃんをいつものように抱えて玄関に入ろうとした瞬間、
私はMちゃんを抱えたまま、一瞬バランスを崩してしまった。
そしてそのまま二人で転んでしまった!
倒れながらとっさにMちゃんをかばったので、頭を打ったりすることはなかったが、Mちゃんの脚に擦り傷がついた。
「だいじょうぶ!?」
目を丸くしてびっくりしているMちゃんに聞くと、「うん」とうなずいた。
何やってるんだ私。
あのとんでもないアスレチックは乗り切ったのに、こんな何でもない所で転ぶなんて。
「ねぇちょっと!モリムラさーん!」
と私は転んだまま大声でモリムラさんを呼んで、Mちゃんを先に起こしてもらった。
Mちゃんを支えていながら二人で転んでMちゃんに擦り傷をつけてしまった報告を上司とMちゃんのお母さんにした。
Mちゃんのお母さんは、「たかぽんさんの方は大丈夫でしたか?」と逆に心配されてしまった。
「ありがとうございます。大丈夫です」
「Mは大きくなってしまって、たかぽんさんにはどんどん大変な思いをさせてるかもしれませんね」
確かに成長期のMちゃんは大きくなった。
初めて会った時は5年生で、まだ身体も小さく軽かったが、
中学生になった今は私とあまり変わらない身長になった。
きっと近いうちに私の身長を追い越すだろう。
周りからの暗黙のルールで、Mちゃんのことは私がずっと担当してきたけど、そろそろモリムラさんのような力のある若い人の方が、もういいのかもしれない。
そんなこんなのピクニックだった。
ハナタレありの、命がけのアスレチックありの、最後は失敗ありの、いろいろ考えることありの。
さて、次のイベントは・・
『プールに行こう』だ。
同行職員を見ると…
あ、私の名前はない。ホッ。
Mちゃんも浮き袋でプールに入るから、モリムラさん、頼みます。
頑張って。