太宰府木うそ保存会

木うその技術伝承と原木育成を目的とした会です。木うその歴史や会の活動内容などを紹介します。

コシアブラ伐採作業

2010年02月15日 | 記事
木うその原木、コシアブラは現在、太宰府で入手するのは難しくなっています。

コシアブラは年中、伐採することはできません。
夏場は木の活動期で、多くの水を含んでいます。木は伐採してすぐに、木うそに
加工することはできません。水分が多いと、クルクルとした木うその羽が巻きあが
らないので、乾燥させる必要があります。
夏場に伐採すると、乾燥する過程で木が真っ二つに割れてしまい、まったく使い
ものになりません。


11月頃のコシアブラの葉。左側の葉は白く紅葉しています。
冬場には落葉し、どの木がコシアブラか見分けがつきにくくなります。

コシアブラの伐採は、木の休眠期の10月~2月までに限られます。
この時期の木は水分をあまり含んでおらず、乾燥する過程で割れることがあまり
ありません。

コシアブラの伐採作業は、伐採後に運び出すのがとても重労働です。
木うそ保存会の会員は定年退職後に、木うそ作りを始められる方が多く、平均年齢
は65歳くらいです。年々、木の伐採作業が大変になってきています。
ひとつの木うそは、原木の育成や確保、乾燥や加工など、多くの時間や労力の上に
出来上がる伝統民芸品なのです。

現在、木うそ保存会では、大分県中津市(旧耶馬渓町)や九重町などに、下草刈りや
伐採作業に行っています。
合併して中津市になった、耶馬渓町と太宰府市は友好都市でした。
その縁もあり、太宰府市長や商工会、市議の方々の働きかけにより、毎年2月に
コシアブラの伐採作業に行っています。

今週末は中津市へコシアブラの伐採作業に行ってきます。
また伐採の様子などを報告したいと思います。


コシアブラは黄色い小さな花がつきます。オスとメスの木があるようで、
すべての木に花が咲いているわけではありません。
花の後は黒い小さな実がついて、小鳥を媒介して森にコシアブラが増えて
いきます…
コメント (2)
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