ワシは、最近、自転車に乗っとる。
口の悪いヤツは、オートバイからの逃避行か? って言ってくれるが、
まあ、中学生の頃から自転車は好きだったからイイのじゃ。
で、去年仕上げた自転車は、イタリア製のロードバイク用フレーム(チタンとカーボンの複合)をベースに部品を一つひとつ選んで組み上げた、まあ、本格的なロード仕様じゃ。
と言っても、ハンドルはロードバイクで一般的なドロップ型ではなくて、フラットハンドルじゃ。
何故かって? そりゃあまぁ、オートバイにドロップハンドルは無いからのう~
(自慢話?はここまで・ ・ )
【 オートバイも自転車も、バランスじゃ! 】
オートバイと自転車とはよく似とる。
元々、オートバイの祖先様が自転車だから、似とるのは当たり前だけど、タイヤが2本しかないのに、倒れないように走らせるところのが同じじゃ。
いやいや、言い間違えた。
ここが肝心なトコじゃけど、
「オートバイも自転車も、それ自体が自動的にバランスを保って、倒れないようになっている」というところが同じだし、今回一番話したいとこなのじゃ。
そして、この先人達が長年にわたって作りあげたバランスの仕組みを、うま~く利用して乗れるモン(人)とそれが分からんモン(人)とでは、走らせ方に大きな“差”が出るっちゅうコトを伝えたいのじゃ。
【 シート(サドル)が大切な自転車 】
では、オートバイと自転車の違うところと言えば“人間がエンジン”というコトじゃ。
えっ? 当たり前の事だし、知っておるとな?
いやいや、ワシが言いたい事は、シート(サドル)の高さや前後位置、そして形状や傾きが、エンジン(人)の効率を大きく左右してしまうって事じゃ。
実際、ワシも経験しとるのじゃが、最適なバランスがとれとるシート位置から、ホンの1~2㎜の移動、角度の 0.5~1.0 度の変化だけで、脚の疲れ方が違うし、ハンドルを握る手にも力が入り気味になるし、両手離しの時のバランスも悪くなってしまうのじゃ。
【 オートバイにとってのシートは? 】
つまり、自転車の場合、シート(サドル)の高さや前後位置、形状や傾きの狂いで、無駄にハンドルに力を入れてしまって、本来の能力が損なわれるという事じゃ。
車両の重さに較べて人間の重量が大きく、その上、漕ぐ脚の位置や角度もシート位置で影響を受ける自転車だからこそ、シート位置や形状・傾きの影響は大きく出る。
じゃが、(ここからが本題)、実はオートバイのシートでも同じ事が言えるのじゃ。
それも、自転車のように直立走行時だけじゃなくて、深くバンクさせてアクセルやブレーキを使うのがオートバイだから、オートバイとライダーとの位置関係のバランスが悪いと、ハンドルに力を入れてしまってして、自転車以上に怖い思いや転倒を招く原因になるのじゃ。
つまり、自転車とは較べモンにならん程に大きな力(質量&加速度)が加わり、しかも圧倒的に大きなバンク角で走るオートバイだからこそ、ライダーとオートバイとの“バランス”を最適に保ち、オートバイが本来持っとる能力を出して安全に走るためには、シートの高さや前後位置、形状や傾きが大切じゃという事じゃ。
【 オートバイのシートの現状は 】
ところが、オートバイのシートの高さや形状を見れば、その理想的なバランスとはちょっと違う。
シート素材は分厚く変形しやすく、形状も平板になっておって、自転車のシートの様に身体にフィットするものじゃあない。だから、身体(腰)を最適な位置に保つための努力を、オートバイのシートは殆どやっとらん事が分かる。
まあ、雑誌やオートバイ販売店の専門家でさえ、オートバイのシートは低い方が良いなどと言っとるのじゃから救われん。
何度も言うが、オートバイの場合でも、高さや前後位置、そして形状(角度を含めて)は、オートバイ本来のバランスを最適に保つところへ合わすべきなのじゃ。
もちろん、自転車の場合と同じように、乗る人に合わせてきちんと調整をすべき事なのじゃ。
【 最適なバランス取りのためには 】
オートバイの持つ運動能力を十分に発揮させるためには、人間の腰を最適な高さや前後位置に保ち、お尻や太ももの形状にフィットし、その上、アクセルやブレーキを掛けた時などの荷重変化による変形量が少ない事が理想だ。
現状はそんな調整の出来るシートは無い。
でも、最適なライディングを実現するためには、そんな調整が出来るシートが必要だという事を忘れんで欲しいのじゃ。
実は、ワシはオートバイの競技に出るのが好きじゃが、30年近くの間、出場するオートバイのシートは全部調整加工を加えとる。
それは、シート素材のスポンジを削るだけじゃあなく、シート形状やシート硬度(硬さ)を変える為に、高圧縮スポンジや低圧縮スポンジ、時にはタオルやカーペット素材を組み合わせ、ガムテープや接着剤を使い分けたりして、どんなライディング操作をしている時にも、手でハンドルの本来の動きを抑えないようにしてるのじゃ。
【 まとめ 】
とは言っても、オートバイのシートをライダーに合わせて最適な高さ・位置・形状にするのは難しいのはわかる。
でもじゃ! 何がなんでも、シートは低くするのが良いとは間違いじゃ。
その上、販売店の中には、足つきを良くするためだけに、前後のサスペンションをいじって、車高を下げて販売しとのもあるが、それは最悪だと知っといて欲しい。
何故って? オートバイ本来のバランスを無視した処理だからじゃ。
その事は、いずれ改めて書く事にしよう。
( ※ 本文中のオートバイとは、舗装された公道の走行が主体に作られたロード用車両の事で、モトクロッサーやトライアル車など特殊な用途の車両を指しません )
口の悪いヤツは、オートバイからの逃避行か? って言ってくれるが、
まあ、中学生の頃から自転車は好きだったからイイのじゃ。
で、去年仕上げた自転車は、イタリア製のロードバイク用フレーム(チタンとカーボンの複合)をベースに部品を一つひとつ選んで組み上げた、まあ、本格的なロード仕様じゃ。
と言っても、ハンドルはロードバイクで一般的なドロップ型ではなくて、フラットハンドルじゃ。
何故かって? そりゃあまぁ、オートバイにドロップハンドルは無いからのう~
(自慢話?はここまで・ ・ )
【 オートバイも自転車も、バランスじゃ! 】
オートバイと自転車とはよく似とる。
元々、オートバイの祖先様が自転車だから、似とるのは当たり前だけど、タイヤが2本しかないのに、倒れないように走らせるところのが同じじゃ。
いやいや、言い間違えた。
ここが肝心なトコじゃけど、
「オートバイも自転車も、それ自体が自動的にバランスを保って、倒れないようになっている」というところが同じだし、今回一番話したいとこなのじゃ。
そして、この先人達が長年にわたって作りあげたバランスの仕組みを、うま~く利用して乗れるモン(人)とそれが分からんモン(人)とでは、走らせ方に大きな“差”が出るっちゅうコトを伝えたいのじゃ。
【 シート(サドル)が大切な自転車 】
では、オートバイと自転車の違うところと言えば“人間がエンジン”というコトじゃ。
えっ? 当たり前の事だし、知っておるとな?
いやいや、ワシが言いたい事は、シート(サドル)の高さや前後位置、そして形状や傾きが、エンジン(人)の効率を大きく左右してしまうって事じゃ。
実際、ワシも経験しとるのじゃが、最適なバランスがとれとるシート位置から、ホンの1~2㎜の移動、角度の 0.5~1.0 度の変化だけで、脚の疲れ方が違うし、ハンドルを握る手にも力が入り気味になるし、両手離しの時のバランスも悪くなってしまうのじゃ。
【 オートバイにとってのシートは? 】
つまり、自転車の場合、シート(サドル)の高さや前後位置、形状や傾きの狂いで、無駄にハンドルに力を入れてしまって、本来の能力が損なわれるという事じゃ。
車両の重さに較べて人間の重量が大きく、その上、漕ぐ脚の位置や角度もシート位置で影響を受ける自転車だからこそ、シート位置や形状・傾きの影響は大きく出る。
じゃが、(ここからが本題)、実はオートバイのシートでも同じ事が言えるのじゃ。
それも、自転車のように直立走行時だけじゃなくて、深くバンクさせてアクセルやブレーキを使うのがオートバイだから、オートバイとライダーとの位置関係のバランスが悪いと、ハンドルに力を入れてしまってして、自転車以上に怖い思いや転倒を招く原因になるのじゃ。
つまり、自転車とは較べモンにならん程に大きな力(質量&加速度)が加わり、しかも圧倒的に大きなバンク角で走るオートバイだからこそ、ライダーとオートバイとの“バランス”を最適に保ち、オートバイが本来持っとる能力を出して安全に走るためには、シートの高さや前後位置、形状や傾きが大切じゃという事じゃ。
【 オートバイのシートの現状は 】
ところが、オートバイのシートの高さや形状を見れば、その理想的なバランスとはちょっと違う。
シート素材は分厚く変形しやすく、形状も平板になっておって、自転車のシートの様に身体にフィットするものじゃあない。だから、身体(腰)を最適な位置に保つための努力を、オートバイのシートは殆どやっとらん事が分かる。
まあ、雑誌やオートバイ販売店の専門家でさえ、オートバイのシートは低い方が良いなどと言っとるのじゃから救われん。
何度も言うが、オートバイの場合でも、高さや前後位置、そして形状(角度を含めて)は、オートバイ本来のバランスを最適に保つところへ合わすべきなのじゃ。
もちろん、自転車の場合と同じように、乗る人に合わせてきちんと調整をすべき事なのじゃ。
【 最適なバランス取りのためには 】
オートバイの持つ運動能力を十分に発揮させるためには、人間の腰を最適な高さや前後位置に保ち、お尻や太ももの形状にフィットし、その上、アクセルやブレーキを掛けた時などの荷重変化による変形量が少ない事が理想だ。
現状はそんな調整の出来るシートは無い。
でも、最適なライディングを実現するためには、そんな調整が出来るシートが必要だという事を忘れんで欲しいのじゃ。
実は、ワシはオートバイの競技に出るのが好きじゃが、30年近くの間、出場するオートバイのシートは全部調整加工を加えとる。
それは、シート素材のスポンジを削るだけじゃあなく、シート形状やシート硬度(硬さ)を変える為に、高圧縮スポンジや低圧縮スポンジ、時にはタオルやカーペット素材を組み合わせ、ガムテープや接着剤を使い分けたりして、どんなライディング操作をしている時にも、手でハンドルの本来の動きを抑えないようにしてるのじゃ。
【 まとめ 】
とは言っても、オートバイのシートをライダーに合わせて最適な高さ・位置・形状にするのは難しいのはわかる。
でもじゃ! 何がなんでも、シートは低くするのが良いとは間違いじゃ。
その上、販売店の中には、足つきを良くするためだけに、前後のサスペンションをいじって、車高を下げて販売しとのもあるが、それは最悪だと知っといて欲しい。
何故って? オートバイ本来のバランスを無視した処理だからじゃ。
その事は、いずれ改めて書く事にしよう。
( ※ 本文中のオートバイとは、舗装された公道の走行が主体に作られたロード用車両の事で、モトクロッサーやトライアル車など特殊な用途の車両を指しません )