蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

リップサービス

2023-01-25 | 社会
「(教団が)安倍総理と近い団体と知っていたので、リップサービスとして言った。実際には報告しなかった」

なんとまあ、ヌケヌケと。イエね、名前を書くのも忌まわしい旧統一教会総裁の婆さん出席の会合で「会の内容を安倍総理にさっそく報告したい」と述べた動画がネットに流出して泡食ってる細田某ですけどね。自分がウソを言ったと、みずから認めている。

そら、ウソをつかない政治家なんて一人もいないだろうけどさ、ここまでアッケラカンと開き直った政治家って、かつていたかね。

別にホメてるわけじゃないが、死んだ安倍でさえ、モリカケ問題や桜を見る会では少なくとも知らぬ存ぜぬ程度の防御線を張った。ウソをつくことに、多少とも忸怩たる思いがあったからだろう。細田なるジジイは、それすらないらしい。

これがかつて官房長官を務め、現在は衆院議長の地位にある政治家だよ。それでもって、国民の税金から出る議長の月給が100万円しかないとブーたれてるんだとか。月収10万にも満たない非正規雇用で糊口を凌いでいる納税者が何人いると思ってるんだ。

日本の政治家の劣化、どこまで続く泥濘ぞ。
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虐待保育園

2022-12-06 | 社会
足をつかんで逆さ宙吊り、倉庫に閉じ込め、カッターナイフで脅迫、暴言。例の静岡の暴力保育士たちがやった虐待行為の数々、本当にひどい。逮捕は当然だ。

だが、彼ら3人を逮捕し、処罰すれば、保育園での虐待は一切なくなるのだろうか。一件落着でメデタシメデタシだろうか。

答えは明らかにノーだ。事実、富山の保育園でも同様の事件が起きている。問題は保育士個人の資質ではなく、あまりに過酷な彼らの労働条件だろう。

保育士が一人で担当する子供の数の上限を定めた国の配置基準は現在、0歳児3人、1~2歳児6人、3歳児20人、4~5歳児30人。この基準では子供たちの安全を担保できないと、保育の現場からは再三指摘されてきたという。

幼児は活発に動き回る生き物だ。予測不能なその行動に大人は振り回される。たった1人の自分の子供の世話さえ手に余って、育児ノイローゼに陥る母親もいる。そういう子供たちを20人も30人も1人で担当するのは、考えただけでも気が遠くなるほどの重労働に違いない。

虐待保育士の行為は決して弁護できないが、あまりの忙しさに理性と分別を失ってしまう者がいても不思議ではない。

厚労省も配置基準の改善が必要とは知っているらしい。知っていても、実行はしない。理由はいつものとおり「カネがない」だ。

ふざけんなよ。防衛費には今後5年間に43兆注ぎ込むんだろ。うなるほど、あるじゃないかよ。その1割なんてゼイタクは言わないよ。1%でいい。それを認可保育園の運営補助に回してくれよ。それでどれだけ子育て環境が改善されると思う。どれだけ出生率が上がると思う。

日本の将来を考えれば、少子化による国力の衰退の方が反撃能力保持とやらよりよっぽど深刻な問題だろ。
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痴漢

2022-09-09 | 社会
50年前ぐらいの昔、「木下恵介アワー」(だったかな) というテレビのドラマ番組があった。たしか火曜10時台の放送で、山田太一らトップクラスのライターが脚本を書いていた。

そのうちの一つに、主役の少年が肝試しに電車の中で痴漢を働く、というエピソードがあった。被害に遭う女子高生を演じたのが、デビューして間もない桃井かおりだった。女子高生といっても普通ではなく、いわゆるスケ番である。

で、そのスケ番女子高生がどう反応したかというと、少年を叩きのめすのではなく、少年の度胸が気に入って惚れてしまうのである。

同じ頃、東海林さだおが週刊誌に連載していたサラリーマン漫画では、主人公が怪我したふりをして三角筋で腕を吊り、その陰でこっそり痴漢を働く。1982年の映画『転校生』では、主役の少年がスカートめくりをする。ほとんどギャグ扱いである。

あの頃、痴漢は大した犯罪ではなく、バカな男の他愛ないいたずら、みたいに見られていたのではないか。恥ずかしいこと悪いこと、という意識はあまりなかったと思う。

それが建前だけでも変わり始めたのは、今世紀になってからだった。東京の下町で、アメリカ人女性が自分に痴漢を働いた男を自力で捕まえ、交番に突き出した。するとお巡りさん、こいつもどこそこへ行ってればこんなマネをしなくて済んだろうに、などと言って笑い、調書も取らずに男を釈放してしまった。「どこそこ」というのはアメリカ人女性が聞き取れなかったからで、おおかた「ソープへ行ってれば」とでも言ったのだろう。

女性は悔し涙に暮れ、普及し始めたばかりのEメールで告発文を大使館、区役所、警察庁、内閣府、外務省その他、ありとあらゆる部署に送りまくった。こうしてことは警視庁だか警察庁だかの長官も知るところとなり、国辱ものだとしてようやく関係者が処分された。外国人ではなく日本女性の告発なら、うやむやで済まされたかもしれない。

日本は伊藤詩織さんのケースのように、明白な性犯罪さえ大目に見る、どころか、あろうことか被害者の女性を非難までする社会なのだから。

それから何十年も経った今朝、報道によると新宿駅で「痴漢は多くいらっしゃいます」「痴漢をされたくないお客様は後ろの車両へ」と駅員が繰り返しアナウンスしたそうだ。一瞬、時間が巻き戻ったのかと思った。

「いらっしゃいます」はお笑いで済むとしても、このアナウンスに透けて見える痴漢行為の犯罪性に鈍感な意識は笑って済ませるものではない。。日本の男の意識は結局、本質的には変わってないんだね。スマホの盗撮も後を絶たないし、やってる男たちにそれほど罪の意識があるとも思えないし。
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自殺幇助

2022-04-14 | 社会
今朝の東京の記事によると、交際相手の少年の自殺を手伝ったために千葉の女性が有罪になった。事件当時は、彼女も未成年だった。

女性は、遺族の恨みを一身に買ったようだ。法廷で、少年の父親と兄に散々なじられた。「親より先に子供に逝かれて、どれだけ辛いか分かるか」「目の前で首を吊るのを見ていられたのが分からん」

遺族の気持ちは、分からないではない。しかし責任は、彼女一人にあるのだろうか。

日本社会は、女性に従順さを求める。いや、強いる、と言う方が正しい。オレの親族が子供を育てるやり方を見ていると、日本の親がいかに熱心に子供たちに、特に娘たちにおとなしさ、慎ましさを強いるかを日々実感する。

それは表面上、人の迷惑にならないように、との道徳的規範の形を採るが、大抵は親の言いなりになることを要求しているだけである。こういう躾けが母親から娘へと代々受け継がれ、日本社会には「言いなり」規範がガッチリ根づいている。

こうして、辛淑玉さんや伊藤詩織さんのような、言いなりにはならず敢えて物言う女性は激しいバッシングに遭う。とりわけ、女性からバッシングされる。

千葉の少女は、なぜ少年の自殺を止めなかったのかと問われて、分からないと繰り返したそうだ。「何度も止めたけど、聞いてくれなかった」とも陳述している。この女性もおそらく、人の言いなりになる社会規範に組み込まれていたのではなかろうか。

首に縄を掛けた少年に踏み台を外すよう頼まれたとき、彼女が直面したのは「言いなりになる」ことへの抵抗だった。少年の頼みを断ることは、彼女の身体に染みついた社会規範と戦うことだった。一個の若い女性にとって、それは気が遠くなるほど膨大な気力を要する絶望的な戦いだったはずだ。

少女の自殺幇助は、根っ子をたどれば日本社会の風土に行き着く。女性一人に責任を負わせて解決する問題ではない。日本のジェンダーギャップ指数の異常な低さとも、おそらく無関係ではない。
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ケチに果てなし

2022-02-16 | 社会
ロゴの盗用、競技場の設計変更に始まり、最高責任者の失言辞任、スタッフも次々辞任、挙げ句の果てに新型コロナで無観客開催。何から何までケチのつき通しだった東京五輪がやっと終わり、祟りも打ち止めかと思ったら、公式記録映画にまでケチがついてる。

どこまで呪われるんだろうね。

制作スタッフの河瀬直美や島田角栄は、日本映画界で屈指の才能だと思う。河瀬の『あん』、島田の『ロッキンハートブレイカーズ』、いずれもオレの大好きな映画だ。

これほど豊かな才能を持った映画人に、知性がないはずがない。三流政治家みたいに屁理屈こねて、恥知らずな責任回避を謀るはずがない。

しかし、最近ちょっと騒ぎになっているNHKの虚偽字幕問題に関して、二人の態度がもう一つ納得いかないんだよなあ。市民団体の公開質問に対し、ともに回答をネグっているという。

当の市民団体は「オリンピック災害おことわり連絡会」なる名称だから、明らかに河瀬や島田とは対立する立ち位置だろう。したがって、ヘタな回答をしてつけ込まれるのを警戒する気持ちは分からないでもない。

しかし、この市民団体が出した質問内容は、リンク先の記事にあるとおり、しごく真っ当なものだ。変な落とし穴が仕掛けられているようには見えない。

それに、たとえ党利党略のための質問であっても、返答なり反論なり、何らかの反応をするのが公的立場にある人間の責任であろう。島田の「NHKにご連絡頂けると助かります」なるツイートは、まったく頂けない。

番組はBPOの審議入りが決まったそうだ。審議の過程で河瀬と島田の考えも明らかにされるのかも知れないが、いずれにせよ、日本映画のかけがえのない才能が対応にドジ踏んで自滅することのないように祈るよ。
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