蒲田耕二の発言

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嫉妬

2018-12-17 | 社会
今朝の朝日によると、電車の中で幼い男の子がぐずりだし、若い母親が周囲に気兼ねしてスマホの動画を見せた。男の子は大人しくなった。すると近くにいた年配の女たちが、スマホなんかで子供をあやして、と聞こえよがしに嫌味を言ったそうだ。

これ、オレは絶対にバアさん連の嫉妬だと思うね。

トシ寄りは新しい機械に弱い。むやみに警戒して積極的に試してみようとはしない。しかし世の中は、パソコンやスマホを取り込んでドンドン進化する。

で、年寄りたちがどうするかというと、焦る。自分たちの使えないツールを操る若い人たちを憎む。若い人たちが増えていく社会を恨む。

オレもトシ寄りの一人だが、仕事上、20年以上前からパソコンになじんできたのでガラケーにもスマホにも抵抗なく入れた。先だって、いつもの習慣で、電車で移動中に足を組んでスマホを弄っていたら、向かいのシートに座っていたジイさんが降りぎわ、ポーンとオレの足を蹴飛ばして行きやがった。

あれもスマホを使ってることがジジイのカンに障ったからだと思うね。足を組んでいたからじゃない。だって、オレとジイさんを含めて乗客は数人しかいないガラガラ状態だったもの。

外道め。今度会ったらタダじゃ置かねーぞ。

そういや昔、パソコンが普及し始めたころ、夜更けの地下鉄車内でノートパソコンのキーを叩いていたサラリーマンに、隣に座った60がらみのオッサンが、こんな遅くまで仕事するの、などと同情する振りでネチネチ絡んでいるのを目撃した。

日本人は、嫉妬深い。反中感情には、中国の経済力に対する嫉妬がある。安田純平さんへのバッシングには、自由に海外へ出て行く行動力への嫉妬がある。

反対に思い出すのが、やっぱり昔、朝日の特派員が伝えたニューヨークでの光景だ。

記者が雑貨店で品定めをしていたら、外から中年女性が勢い込んで入ってきた。買い物をするのかと思ったら、レジの女店員に近づいておおむね次のように言ったという。

「ウィンドウに飾ってあるあの品物、私は別の店でこれこれの値段で買ったわ。お宅で買うより××ドル儲かった」

こんなことを言いに店に入る日本人は、まずいないだろう。いたら、間違いなく店から叩き出される。しかしニューヨークの女店員は、まあ、それはよかったわね、おめでとう、と一緒になって喜んだそうだ。

これで腹を立てるのは嫉妬とはちょっと違うが、根っこは同じ不寛容だ。キリスト教は嫉妬を七つの大罪の一つとして戒めているので、内心はどうあれ、表面でだけ喜んだのかも知れないけどね。

オレはアメリカもキリスト教も嫌いだ。しかし、彼らのスケールというか懐の深さには、やられた、と思うことがあるのは否定できない。

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