蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

『美味しんぼ』

2014-05-19 | 福島原発
がバッシングの集中砲火を浴びたあげく休載だと。版元の小学館いわく、「表現のあり方について今一度見直します」。

この最大手出版社は、掲載号の発売前に問題のエピソードのゲラ刷りを環境省へ送ったというから情けない。ジャーナリズムの権利放棄ではないか。

安倍が「風評防止に全力を挙げる」などと作者への脅しに近い言説をまき散らしているのは、原発再稼働推進の政府方針から見て少なくともスジが通っている(賛成してるわけじゃないが)。しかし、福島県知事を始め、原発事故の犠牲者というべき人々が一斉にマンガを批判しているのが理解に苦しむ。

双葉町の前町長が「実害だ」と断言しているのに、双葉町自体は抗議している。どういうことだ。

「風評被害が増す」「科学的根拠がない」……。だけどさあ、これってクサいものにフタ、と違う? それよりも、福島住民の健康の方が大事なのと違いますか。

もしも被曝によって少しでも体調に変化の表れた住民がいるなら、徹底的に原因を究明すべきだろう。曖昧にしたままでは、住民の不安は決して解消されない。『美味しんぼ』は、そのきっかけを提供した。なのに、なんで寄ってたかって叩きつぶさなきゃならないんだ。

被曝の健康被害はない、と言い張るのはどう考えても不自然だ。国も県も大手メディアも、ムリヤリそう信じ込ませようとしているけどね。福島県の調査でさえ、甲状腺ガンを患う子供たちは50人に達した。

住民の本音とおぼしい声を、19日付けの東京新聞オンライン版が報じている。「表現に配慮がないと憤るよりも、口にできなかった不安が描かれていることに共感が勝った双葉町民がいる」

こういうことを伝えるのが、ジャーナリズムの使命だろう。日本の報道の自由度は今年、世界で59位に下がったそうだが、ジワジワ国家主義体制が強化されていることを嫌でも実感するね。

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