胃がんが検診などで見つけられるような大きさになるまでには、通常何年もかかるといわれているようです。わたしは、自分がこうなるまで全くその知識が無かったのですが、がんにはその細胞の増殖の仕方によって分化型(もとの正常な細胞の特徴を残したまま塊を作って大きくなる)と未分化型(もとの細胞の構造がほとんど見られずバラバラに広がり、がんの範囲が分かりにくい。悪性で進行が早くリンパ節に転移しやすい)というものがあるそうです。こんなところにまで欲を張らなくてもいいと思うのですが、わたしの場合にはその両方のがん細胞が確認されたようなのです。
胃がん治療にはガイドラインというものがあって、分化型の早期胃がん(2センチ以内)は内視鏡による治療が可能ですが、未分化型のがんは内視鏡による治療はせずに、胃の切除とリンパ節の郭清(かくせい)が行われます。したがって、わたしの場合には後者の方法が用いられ、前のエントリーの中で「胃内部からの内視鏡切除は無理」というのは、そのような胃がん治療ガイドラインというものが日本胃癌学会で決められているからのようです。
11月30日、郡山市内の病院にて担当の先生から病状と腹腔鏡手術[開腹はせずに、お腹に数箇所の小さな穴を開け、そこから専用のカメラや特殊な手術器具を差し入れて行う低侵襲(ていしんしゅう:身体への負担が少ない)の手術]の説明がありました。先生は説明用紙にわたしの胃を描いて、がんの部分に2センチと大きさを書き、胃の2/3切除の位置に線を書きました。“低分化型腺癌”と赤字で書き入れ、郭清するリンパ節の位置から矢印を出して肝・肺遠隔転移(の可能性有り)と書きました。これはガイドラインに沿ったスタンダードな胃がんの手術ということでした。“ワイフ君”とわたしは覚悟を決めて先生の話をじっと聞きました。手術は年を越してからになるということでした。
★胃がんの治療については、こちらの画像が分かりやすいです。わたしに適用される手術は、この“定型的幽門側胃切除術”というものになります。
その間にこちらは癌が転移したりしまいかと気が気ではありませんでしたが「3ヶ月や4ヶ月は延びても大丈夫ですよ」なんて言われました。まあ、それぐらい初期だったということなのでしょうか。
ですから、お正月は普通にお正月していましたが、いずれ手術が控えているので、おっしゃるように華やいだ気分にはなれませんでした。
しかし、“ワイフ君”には栄養士さんから指示があったように細かくしなくて良いから普通に出してくれと言ってあります。
自分が口の中でかみ砕いて細かくする実感が無いと食べていても楽しくないからです。
ダンピング症候群は大変辛いようにお聞きしていますが、いまだ未経験です。入院中は全くその逆に胃から食物が流れなくて困りました。
早くラーメンが食べられるようになりたいものです。