海は広いな、 仙台亘理自転車道

８月１０日、せっかくの休日、みちのく自転車道もいいのだけれど、“estema22さん”や“dxguy/山羊さん”のように車で移動距離を稼いで、普段は走れないような所に行ってみようと思いました。

やはり８月といえば海。いままで相馬港や松川浦には何度も行っているんですが、そこから北、新地から宮城県にかけては一度も行ったことがありません。そこでネットで調べてみると仙台市から太平洋岸を南下して「仙台亘理自転車道（せんだいわたりじてんしゃどう）」という自転車道があるようです。一部は一般道になっています。そこで今回は相馬港まで自家用車で移動して、そこから仙台空港を目標にしながら、出来たら「仙台亘理自転車道」の一部分でも走ってみようというわけです。

平日ですし、走行距離は約８０キロぐらい。みちのく自転車道と同じぐらいの距離ですから、必要な時間はおおよそ５時間から余裕をみて５時間半ぐらいを想定しました。仕事にいく“ワイフ君”を見送ってから準備にかかり、相馬港にむけていざ出発。



１０時５０分、相馬港松川浦大橋のちょうど真下の駐車場に車を止め、準備にかかります。まずは、自転車を組み立て身支度をします。



天気予報は「曇り」になっていたのですが仙台方面に向かう段階では背中に日差しを浴びるので、ちゃんと「coolbit」もセブンイレブンの水道で濡らしてきました。海をみながらすこしお腹も満たして、１１時３０分に出発。



はじめての場所を走るのはなんだかワクワクします。それに山で生まれ育ったわたしにとって、海を見るというのは、憧れに似た特別な感慨があります。まず原釜尾浜（はらがまおばま）海水浴場を通ります。やはり平日ということで人出はイマイチのようです。でも紛れも無い夏がここには存在しているようです。



これから行こうとするところは兎に角全て初めてですから、何かがあるとすぐストップしてしまうんです。ホラ、展望台がある。行って登って見なくっちゃ！というわけでちっとも前に進まないんです。



展望台のうえからは広大な敷地の相馬共同火力発電所（株）新地火力発電所が見えました。



（写真は防波堤からみえた座礁船の撤去作業）

なるべく海岸線に沿って海を見ながら走りたいのですが、防波堤の上を走れるところはまだいいほうで、道路も防波堤も無い区間がこんなにあるとは思いませんでした。思えば海岸線は、道路を造ると言っても一筋縄では行かないような崖っぷちなんかが、至るところで行く手を阻んでいるんです。



福島県道・宮城県道３８号相馬亘理線をひたすら走り、新地町（しんちまち：福島県）から山元町（やまもとちょう：宮城県）へ入ります。しばらく進むと県道３８号線にも飽きてきて、ヤクルトのお姉さんに海岸線沿いを走れる道がないか聞いてみましたが、防波堤があるだけでそこを自転車で通れるかどうかは分からないとの答えでした。たしかに、何も無ければ防波堤の上を進むことは可能なんですが、途中で切れていたり、網などが干してあると通れなかったりするんです。


（写真は荒浜“鳥の海”近くの鎧川排水路）

異常なほど近くを通り過ぎる大型車に脅かされながら、ひたすら３８号線を走ります。海の近くなので道路わきの川は水を満々とたたえていて流れはほとんどありません。いたるところでこのような川に遭遇して、海の近くなんだなあという感じがします。




山元町から亘理町（わたりちょう）へ、そしてルートを県道３８号線から県道１０号線へ取り、阿武隈川の河口へと差し掛かります。海のようにデカイ阿武隈川の河口、これは感激です。そしてここにかかる大きな橋が「亘理大橋」です。みちのく自転車道を流れてきた阿武隈川がここで海に帰るんです。今ここを流れている水は乙字ケ滝（おつじがたき）をいつ通ったんだろうなんて馬鹿なことを考えたり・・・。



さあ、ここからまた１０号線を仙台空港目指してひた走ります。ほら、馬です。こんなところで道端の草を食べようと必死です。わたしが声をかけても、写真を撮ってもまったく無視されました。



突然空のうえからエンジン音が聞こえます。ということは仙台空港が近くなってきたということです。ペダルを漕ぐ足に力が入ります。仙台空港に近づいてくるにしたがって、道路の両側は仙台空港利用者を当て込んだ駐車場がいっぱいです。ほら、空港が見えてきました。空港前のモニュメントは“ルアー？”なんて馬鹿なことを、仙台にちなんで七夕ですよ。仙台空港は２５年ぶりぐらいです。もうその当時がどんなだったか全く覚えていないので初めてと同じです。さて駐車場は・・・自転車は入れません。おい、自転車はどこに止めたらいいんだい？やっと見つけた敷地はずれの職員駐輪場に置きます。




ああ、空港の中は空調がきいていて天国です。大好きな飛行機を見ながら涼んでしまいましょう。



空港の中も七夕飾り。



でも福島空港と同じで人が少ないです。展望デッキに行ってもやはり多くはありません。仙台空港は屋外展望デッキが無くてここからガラス越しに見るしかないんです。




レストランに入って食事でもしながら旅客機が離陸するところでも見ましょうか。食事？そう、ソフトクリームだけですけれどね。（じつは、サイフを持ってくるのを忘れてしまったんです。）すっかり遊んでしまって３時半です。ここからさらに仙台方面に行くのは完全にＯＵＴ！です。帰りはノンストップでもおおよそ２時間はかかるでしょう。でもせっかくですからここから仙台亘理自転車道（仙台湾自転車道）をかすめて帰ろうと思います。



仙台空港を東側に出たところが「貞山運河（ていざんうんが）」でした。ピラミッドもさることながら、こういう大工事を成し遂げた時の権力と集団の力というものには恐れ入ってしまいます。仙台亘理自転車道は貞山運河に沿って走るような記事を見たような気もします。でもどこが自転車道やら分からないんです。ちょうどここ仙台空港付近で一般道を通り、「岩沼海浜緑地帯」を通る海岸線の道路へと連絡しているようなんです。



何度か海岸方面へ走っては引き返すことを繰り返して、ようやくそれらしい道路へ抜けることが出来ました。ところがこの宮城県道125号岩沼海浜緑地線は海岸線に沿って松林の中をただひたすら、延々と走るだけなんです。海は見えない、景色は単調、いやになってしまします。「みちのく自転車道はいいなあ」ってつくづく思いました。



ようやくたどり着いた亘理大橋のところの阿武隈川河口。ここからはまた県道１０号線と３８号線を乗り継いでひたすら帰り道を急ぎます。だいぶ道路探しでタイムロスしてしまいました。ＧＰＳでもあったらこんなことは無いんでしょうけれど。



再び福島県に入り、５時３０分に相馬港へたどり着き、ようやく松川浦大橋が目前に迫ったときは、正直ホッとしました。



海は広くて大きかったのですが、みちのく自転車道の変化に富んだコースはやっぱりいいなあと思いながら走った本日の走行距離９２．５４ 走行時間３：５５ 平均速度２３．５ 最高速度４２．２