台風の想い出

東京の下町のまた下町海抜零メートル言われていた所で
私は育ちました。台風が来るとラジオで放送があると、近所のみんなは雨戸を補強したり
玄関に斜交いの板を打ち付けたり大忙しです。大きな家でお抱え大工さんがある家は
大工さんが来ます。我が家隣の家は、協力して台風に備えます。　　
我が家に隣の兄妹が来て、大人の邪魔にならないようじっとしています。
でもなんだか気持ちが昂ぶって、少しはしゃいで大人に叱られました。
停電に備えて、姉たちはお握りを作ったり、するめを焼いたり、します。
無事台風が通過すれば、ほっとして、元通りの生活が始まります。
私たち子供は、ちょっとがっかりして、学校に行きます。
隣の兄妹と喧嘩をしたり遊んだりの普通の生活に戻ります。
大人たちの苦労も分からなくて、呑気なものでした。
隣の小父さん小母さん私の両親兄姉たちに感謝。少し遅すぎたかしら。