今日の産経新聞の朝刊に在日朝鮮、韓国人が
北朝鮮に渡った、(帰還事業)の開始から
14日で60年になり、脱北帰還者5人が記者会見をきました。
地上の楽園と言われたのは全くの嘘で帰国者は
夢も青春も奪われたのです。総勢9万人以上だそうです。
小学校の同級生のガンちゃんは体格も良く、
頭も良い優しい男の子でした。算数の問題に苦労していた
私や友人はいつもガンちゃんの親切でわかりやすい言葉に
励まされていました。
工業高校に進学して、その後は会うこともなかったのですが、
あるときガンちゃんが北朝鮮に帰った事が分かりました。
え~北の人だったの?知らなかった、とほとんどの友人が
驚きました。
ガンちゃんお家は小さな食堂でお父さんお母さんお姉さんが
お店にいました。親切な人たちでした。
ガンちゃんは帰国事業のうたい文句につられて、お父さん
お母さん、お兄さんお姉さんの大反対を押し切って帰国
したそうです。その後の消息は分からないそうです。
優秀なガンちゃんは大学に行きたかったのでしょう。
その話を知っていろいろな本を読みました。写真集も
買いました。何処かにガンちゃんが映っているかしら・・
むなしい気持ちです。帰国後の北朝鮮の素晴らしさを
宣伝した有名なジャーナリストも亡くなり、
帰国した人も亡くなっているでしょう。
優しい顔少しおでこが丸くて可愛かったガンちゃんを
思い出します。初めてガンちゃんが北に帰った事を
教えてくれた友人も3年前になくなりました。
今日の読売には何も載っていませんでした。
帰還事業の時ではありませんが、北との関係が悪化しかけた頃、突然日本を憎み出した友がありました。
親しかったのに、憎しみの会話となり、そのまま疎遠になりました。私の場合は、懐かしいと言うより、今でもあの事態が信じられないままです。
国が対立すると、個人まで対立すると言う、あの急変が、まだ理解できないままです。
きっとその人は前から日本を憎んでいたのだと思います。
個人では親しくしていても、憎む理由があったのでしょうね。
しょせん仲良くできない事は起きると思います。
哀しいですが仕方がありません。
国と国仲良くできない事ばかりです。
仲良くしようと近づいてくる相手にはご用心です。
私が5ヶ月ほどパートで働いた会社のオーナーさんは、
お姉さんが嫁ぎ先の親族と北朝鮮に渡り、
その後音沙汰がなくなったので、
姉に会いたい一心で市役所に帰還の申し込みをしたが、
未成年者だったため両親に問い合わせがあり、
そのことを知り激高した父親に殴られて断念。
お父さんは泣きながら息子を殴ったそうです。
現在その人は脱北者の支援をなさっています。
ご両親が引き留めなかったらどうなっていたことやら。。
日本で差別を受けていても向こうよりマシだとご両親はわかっていたんですね。
あの頃は帰還する人は、希望に燃えていたのですね
でも自分は帰還せずに、他の人を推薦する人間も
いたらしいです。分かっていた人もいたのですね。
ガンちゃんはもう亡くなってしまったかも知れません。
地上の楽園は地獄だったのです。
会社のオーナーさんのご両親は懸命でしたね。