190703_「みかんの花咲く丘」は、「今日作詞し、今日作曲し、今日歌手に教え、明日ラジオから流れた」
2019年7月3日 産経新聞 p.7
産経新聞社 喜多由浩さんの話
「みかんの花咲く丘」(加藤省吾、作詞、海沼實-かいぬまみのる、作曲、歌手:川田正子)の歌はこうしてできた。
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1946年(敗戦翌年)8月24日、海沼は、NHKから明日放送するテーマソングの作曲を依頼された。
その歌はどこで使われるのかと聞くと、静岡県伊東市とNHK東京をつなぐ中継番組で使われる、ということであった。
すぐに、海沼は、作詞家の加藤に、「詞」を作ってくれるよう依頼した。
海沼は加藤に、こういう詩を作ってほしいといった。
「静岡ですから、みかん畑の丘の上から海を見下ろし、海には船を浮かべて、煙を吐かせてほしい・・・」
加藤は30分で詩を作った。
一番と二番は「海を望む情景」、三番は「やさしかった亡き母をしのぶ子供の思い」とした。
海沼は、加藤からその詩を受け取り、歌手の川田正子(12歳)と一緒に、明日の放送のある静岡県伊東市に向かった。
海沼は、電車の中で作曲した。
海沼は、伊藤市の旅館で、川田正子に歌を教えた。
翌日、川田正子は、マイクの前で、歌をうたった。