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心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

少年よ大志を抱け & 4時過ぎの雨はやまない

2004-09-07 09:37:32 | Weblog

還暦を翌年に迎える年、高校時代の級友の一人が、定年を待たずしてニュージーラン
ドへ留学に踏み切った。若い頃よりの夢だったそう。「1ドル360円の時代だった
からねえ。無理だったんだよ」1960年代の我が青春の日々。

開けっぴろげで、豊かで、個人が尊重されている(ように見えた)アメリカのホームド
ラマ「うちのママは世界一」。なぜかいっつもマメ料理ばっかり出たカーボーイ達の話
の「ローハイド」そこには初々しいクリント・イーストウッドがいた。生涯に1冊しか
書かなかった、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」の映画。アラン・ドロ
ン「太陽がいっぱい」。イタリア映画「道」「自転車泥棒」。どれほど私達のまわりに、
異文化の大波が押し寄せてきてたかしら。

大なり小なり戦後の復興途中の波を受けてきた私達に、アメリカの豊かさが、フランス
そして同盟国だったイタリアが放つ文化の香りは、強い憧れとなって、青春の血をたぎ
らせたものだったわ。

そして今、世界の中で、押しも押されもしない大国となった日本。高度成長の波にのっ
て必死に生きてきて、私達が辿り着いたこの国は、「夢」も「憧れ」も持ちにくい、日々
楽しくない話ばかりの中にいる、という有り様になってしまった。少子高齢化で、年金
と病気の話。閉塞感が渦巻くここ数年。級友の留学話は、「希望」という言葉が生きて
いることを、知らしめてくれたホットニュースとなって、私の心の内を駆け巡ったのよ。

時に、「少年よ大志を抱け、AS CHRIST.。キリストのように」って、知ってた?
北大キャンパスには、旅行の時寄ったけれど、見そびれたわ。クラーク博士の石碑は。

けれど、NZに行っちゃった彼は、3ヵ月後、ふっつりメールを終了しちゃったのよ。
高校時代は、クラスメイトでも口なんかきいた事もなかったから、それまでなんだけど、
「4時過ぎの雨はやまない」になっちゃったのかしら?ってね。

真面目・律儀・正直、およそ人としてあらまほしき道を歩いてきた人「本当にご自慢の
ご子息、ご主人、ねえ」と言われた男が、ある日、何かの弾みでつまずいた。さあ、こ
こから人生の歯車が狂い出す。 「ギャンブル」と「女」、大体これが2巨頭よ原因の。
これは、天地がひっくり返るような出来事が起こらない限り、止まらないってね。
分別を充分持っている大人がする行動だから、説教・説諭なんか、なんの力も持たない。
行き着くところまで行かなきゃね。

ニュージーランドの何もかもが、彼にとって瞠目に値するものだったらしく、
「家、買って、住み着いちゃおうかなあ」って、メールなど来てて、
「買ったらぁ、みんなで遊びに行くわ」なんて返信してたのよ。そのくらいだったら、
それこそ分別ある男子のことだから、当初の計画に沿って行動するでしょう?よしんば
住む事にしたとしてもね。けれど、パタッと、連絡が途絶えたってことは、ウ~~ン、
これは、女!って、睨んだのよ。なんせ、真面目がスーツを着てたような男だったみた
いだからねえ。危ない! 危ない! でもね、もしそうだったとしたら、あくまでも、
IFの話。 考えようによったら、い~い人生って、言えなくもないかもね。 そんな
甘美でスパイシーな人生なんて、そうそう味わえないでしょう。

その彼の予定では、NZの短期留学を終らせたら、イギリスで日本語教師をする。
世界中、インターネットで連絡が簡単にとれる現代だから、予定通りの行動だったら、
・・・やめましょう、人生はその人のものですものね。
                       Cuida te mucho, solo.

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