蔵書の棚から、阿川弘之の『井上成美』と『暗い波濤』(上下)を抜き取り、数日かけて読み終えた。 すでに読んだものばかりのはずが、後者については、内容に全く覚えがない.前者についても記憶と大きな差があって愕然とした。古い映画を何度も観て感動するのとよく似ている。これでは、新しい本を購入する必要などなく、山ほど抱えている蔵書を再読、三読するのがよいと思い知らされた。 阿川弘之の『山本五十六』(上下)があったはずだから、ついでに読んでみようと書棚を探したが出てこない。退職、転居を経ているので、その間に他人に譲ったり、処分したり、倉庫に入れたりした可能性があり、探しても出てくるかどうか分からない。そこで、書店に出かけたのだが、なんと市内の書店では、入手不能であることが分かった。探している作品のみならず、「阿川弘之」の作品そのものがないのである。規模の大きな古書店も事情は同じであった。結局ネットで注文して入手することができたが、昨今の書店では少し前の世代の作者は、完全に忘れ去られている。必要なもののうち、書店で入手できないものはネットで購入できる。それも送料なしで、一週間以内に入手可能である。これでは地方の弱小書店は存続不能になるはずである。「阿川」と表示のある棚にあるのは、弘之の娘さんの佐和子女史のものばかりで、2015年に亡くなった父親は、「もう忘れられたか」と、苦笑しているに違いない。
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