ドッコイショ(3)

2019-11-05 06:49:36 | 写真
これから、おじいちゃんと一緒の時は、おじいちゃんとドッコイショとヨイショと言う競争をしようと思いました。
だけれど、僕が中学生になった時におじいちゃんとドッコイショとヨイショの競争ができなくなりました。
僕は時々、おじいちゃんのいる空に向って大きい声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』
と言っています。

いつかおじいちゃんが高い空から、僕と競争するみたいに、もっともっと大きな声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』
と言ってくれると思っています。
おじいちゃんのドッコイショやヨイショが聞こえるのはいつなのかなぁ。

おしまい

僕達の小さくて大きな森(3)

2019-10-08 06:44:01 | 写真
二人は気が付くと、森の中にいた。
『ここはどこなんだろう?』
『どこなのかね。』
『僕達は植木の中に入って行ったんだよ。』
『そうか、植木の中なんだ。』
『少し歩いて行ってみようか?』
『そうだね、サッカーボールと野球のボールを探さなくっちゃ。』

森の中を進んで行くとサッカーボールが有ったが、ボールはブルブルと震えないし、空気も抜けていなかった。
そして、もっと進んで行くと野球のボールが3個有った。
『ボールが全部有ったので、もう帰ろうよ。』
『そうだね、この先の探検はまた今度にしようね。』
『さっきの所まで帰って来たけれど、どうすればいいのかなぁ?』
『入って来た時と同じように、エンピツを持っていると出られないかなぁ?』
『やってみようよ。』
『うん、やってみようね。』
『うわっ。』
ブルブル。
『うわ~~っ。』

気が付くと二人は家の庭にいた。
サッカーボールも野球のボールも全部有った。
『出られたね。』
『うん、出られたね。』
僕達は植木から森に入る方法が分かったので、次に探検する事を考えた。
森の中にはどんな生き物がいるのかなぁ?』
『カブトムシやクワガタはいるのかなぁ?』
『犬や猫もいるのかなぁ?』
『明日、行ってみようか?』
『そうだね。』

夢の交換(6)

2019-09-13 06:32:23 | 写真
次の日、僕は運動会でリレーをしている夢を見たので、朝起きてから「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませました。
そして、そのゴム風船を学校の近くの家の大きな犬の所へ持って行ってパチンと風船を割ってみました。
すると、大きな犬はまた寝てしまい、寝ながら走っているように前足と後足を動かし始めました。そして、口にくわえた何かを僕に渡そうとしました。
『あっ、リレーでくわえたバトンを僕に渡そうとしているのだ。』
大きな犬は今度も僕の持ってきた夢を見ているのだと思いました。

学校で、この大きな犬が、僕の持ってきた夢を見ていたことを友達に話しました。
『へぇ~、すごいね。』
『犬にも夢をあげられるんだ。』
『僕の家で飼っている猫に夢をあげてみようかな。』
そして、クラスのみんなで、自分の家で飼っている犬や猫やハムスターや金魚や亀に夢をあげてみることにしました。

犬を飼っている友達は、犬に海水浴へ行った夢をあげました。
そうすると、寝ながら泳いでいました。

猫を飼っている友達は、猫にお父さんと魚釣りに行った夢をあげました。
そうすると猫は両方の前足を前に出して釣竿を持っていました。

ハムスターを飼っている友達は、ハムスターに野球をしている夢をあげました。
そうすると、寝ながらバットを振ってから走る格好をしていました。

金魚を飼っている友達は、金魚に縄跳びをしている夢をあげました。
そうすると、寝ながらピョンピョンと跳んでいました。

亀を飼っている友達は、亀に運動会で組体操をしている夢をあげました。
そうすると、寝ながら後ろ足でふんばり、両方の前足をピーンと伸ばしていました。

今度、僕は動物園で、象やキリンやカピバラにも、いろいろな夢をあげてみようと思っています。

   おしまい

ぼく(5)

2018-10-09 05:38:54 | 写真
『もう一つあるよ。お母さんやお父さんが手を近付けてきたときに、手のひらを握るのではなく、指を一本だけを強く握るんだ。そうすると、みんな喜ぶよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』
『わたしも指を一本だけ握ってあげて、みんなに喜んでもらっているわ。』
『僕もやっているよ。そうすると、みんなが「かわいいわねえ。」と言って喜んでいるよ。』

『もう他に無いかなあ。』
『いっぱい有るよ。大人の人が「居ない居ない、バァ。」と言ったら、声を出して笑ってあげるんだ。これも喜ばれるよ。それからね、足の裏をコチョコチョされた時は、足だけではなく、両手両足を全部バタバタさせるんだ。足だけでは喜ばれないよ。あっ、バタバタさせる時に口を大きく開けることを忘れないようにね。』
『うん、分かった。今日からやってみるよ。』
『わたしもやるわ。』

『僕はもう大きいからハイハイをしているんだけれど、ハイハイしている時にドテッと転んで見せると笑いながら喜ぶよ。テレビのお笑い番組で、時々わざと転んでいるのを見て、わざと転んだのを知っていて笑っているけれど、僕の転ぶのは本当に転んでいると思っているみたいだよ。』
いっぱい有るんだね。

だけれど、お母さんやお父さんもぼくと同じ事をやっていたと思うんだけれど、大人になると全部忘れるのかなあ?
ぼくも大きくなったら忘れると思うので、今の内にお母さんやお父さんを喜ばせてあげようと思うんだ。

おしまい

僕の魔法のズボン(2)

2018-03-08 07:04:44 | 写真
僕は時々公園で友達と駆けっこをするが、いつも友達に負けてばっかりだったが、今日はお兄ちゃんにもらった魔法のズボンを履いているので、友達に勝てる気がする。
『ヨーイ、ドン。』
僕は友達みんなを追い越して1番になった。
友達みんなが『速いなぁ。』と言って驚いていた。
そして、僕も驚いた。
お兄ちゃんのズボンは魔法のズボンだ。

僕は家に帰ってお母さんに
『お母さん、お兄ちゃんからもらったこのズボンは魔法のズボンだよ。』
『どうして?』
『いつも、駆けっこの時には友達にかなわないけど、この魔法のズボンを履いて駆けっこをするとみんなに勝てるんだ。だから、このズボンは魔法のズボンなんだよ。』
『そうなの、じゃ、魔法のズボンね。お兄ちゃんに魔法のズボンを貰って良かったわね。』
『うん、大切にするね。』
『そうね。だけれど自分でも頑張らないと魔法のズボンじゃなくなるわよ。』
『うん、僕と魔法のズボンの両方で頑張るよ。』

そして、僕は大きくなり、お兄ちゃんからもらったズボンの脚の折り返しが1回となった。僕の魔法のズボンを履いて、友達と広場で戦隊ごっこをしている。
しかし、徒競走ではまだ1等賞は取れない。いつも2等賞だ。