みんなで遊ぼうよ (石)

2015-12-31 11:12:04 | 童話
おーい石くーん、おーい、石くーん、遊ぼうよ。
あれ、返事が無いや。
おーい、石くーん、遊ぼうよ。

遠くのほうから大きな石がやってきた。
 ドスン、ドスン、ドスン。

川から小さな石がやってきた。
 コロ、コロ、コロ。

海から小さな小さな砂がやってきた。
 サラ、サラ、サラ。

わーい、たくさんやってきた。
 楽しいな楽しいな。
 なにして遊ぼうか。

そうだ、おしくらまんじゅうをしようよ。
わっせ、わっせ、わっせ。
たのしいな、たのしいな。
わっせ、わっせ、わっせ、おもしろいなあー。

あ、もう帰らないといけない時間だ。
バイ、バイ。
 ドスン、ドスン、ドスン。
 コロ、コロ、コロ。
 サラ、サラ、サラ。

あーあ、みんな帰ってしまった、ぼくも帰ろう。

バイバイ、また明日遊ぼうね。

僕の元気君(7)

2015-12-30 10:48:49 | 童話
ある日、僕はおやつのケーキの大きさで妹とケンカをした。
『僕のケーキの方が妹のより小さいよ。』
『お兄ちゃんのイチゴの方が大きいわ。』
『そんなことないよ、うるさいなぁ。』
『うわ~ん。』

その時、僕のフォークになっていた元気君が、『兄弟ケンカするのなら居なくなるよ。』と言った。
僕はあわてて妹に『ゴメンね。』を言って仲直りをした。

しばらくして、僕と友達は明日、小学校の卒業式を迎えることになった。
そして、僕の元気君が話し掛けてきた。
『今迄楽しかったね。君は明日で小学生じゃなくなるから、僕は次の子供の所へ行かなくてはならないんだ。
今迄、いろいろな所へ行ったし、いっぱい楽しい事も有ったよね。中学生になっても、お父さんやお母さんの言う事を良くきいて良い子でいるんだよ。そして、お年寄りや小さい子供に優しくするんだよ。』

『うん、分かった。今迄すごく楽しかった、ありがとう。元気君も次の子供の所で頑張ってね。明日の朝起きた時に居ないと思うので、今バイバイするね。おやすみなさい。』

              おしまい

僕の元気君(6)

2015-12-29 15:55:20 | 童話
次の日、僕の元気君は赤い色に青色のラインの入ったカッコいいマウンテンバイクになっていた。

『わぁ、カッコいいなぁ。』

友達は赤いラインの入ったマウンテンバイクに乗ってきていた。

二人は自分のマウンテンバイクを自慢したが、お互いのマウンテンバイクをカッコいいと思った。

公園からの帰りに、信号待ちしていたお年寄りがいたので、僕と友達はマウンテンバイクから降りて、手を挙げてお年寄りと一緒にゆっくりと信号を渡った。

僕達はそのお年寄りから、『ありがとうね。』と言われた。

僕達は、元気君に明日何になってもらおうか相談した。

『明日は月曜日だから、宿題する時に教えてもらえる先生がいいよ。』

『そうだね。』

僕の元気君(5)

2015-12-28 21:35:08 | 童話
しばらくしてから友達が遊びにきた。

『僕にも元気君が来たよ。今はね、消しゴムになっているんだ。』

『本当だ、消しゴムが動いている。』

『昨日は鉛筆だったけれど、やっぱり動いていたよ。』

『僕の元気君は消しゴムの時は、お話しはしていたけれど、動かなかったよ。えっ元気君、動けるの、なんだ動けるのか。』

『明日、二人の元気君に自転車になってもらって、二人で公園へ行こうか。』

『ああ、いいね。』

『元気君にカッコいいマウンテンバイクになってもらおう。』

『僕もマウンテンバイクがいいな。』

『じゃ、明日ね、バイバイ。』

『バイバイ。』

僕の元気君(4)

2015-12-27 10:59:45 | 童話
だけど、友達の所に元気君が行ったら、僕の元気君はどうなるの?
そうか、友達の元気君と僕の元気君とは別なんだね。

元気君は何人くらい居るの?
そうか、数えきれないくらい居るのか。

元気君はいつまで僕の所に居ることかできるの?
えっ、小学6年生までなの、もって永く一緒に居られないの?

そうか、元気君はたくさん居ても、子供の方がもっとたくさん居るから、次の子供の所へ行かないといけないんだね。

それでは後2年、僕と一緒に居られるね。
えっ、僕が悪い子になると元気君は直ぐ居なくなってしまうの?そんなのイヤだよ。
良い子にしているから居なくなったらダメだよ。
約束の指きりだよ。