僕のお仕事(2)

2019-08-31 07:14:54 | 童話
学校の先生もいいね。
『みんな並んでください。今日は絵本のお勉強をします。みんなで順番に読みましょうね。そして、明日は運動会の練習をしますので、みんな体操服を持ってきてください。』

あっ、電車の運転手さんを忘れていた。
そうだ、今日はお巡りさんで、明日は学校の先生で、電車の運転手さんは学校の先生の次にしよう。そして、新幹線の運転手さんは次の次にしよう。

電車と新幹線のお客さんは、僕が運転手さんになるまで少し待っていてください。

僕のお仕事(1)

2019-08-30 06:50:36 | 童話
僕のお父さんは会社へ行ってお仕事をしています。
お母さんも、僕を保育所へ送って行ってから会社へ行きます。
みんな会社でお仕事をしています。
そして、僕も保育所でお仕事をします。

僕は、昨日は消防士さんでした。保育所の赤い自動車に乗って、ウ~ン、カンカン、ウ~ン、カンカンと走りました。
今日はお巡りさんがいいなぁ。白い色と黒い色に塗ったパトカーに乗って、
『みなさん、交通事故にあわないようにしましょう。』
と言って走ろう。

郵便屋さんもいいなぁ。オートバイで郵便を待っている人の家にいっぱい配達するんだ。
『おまちどうさま、郵便で~す。』
みんな郵便を待っているので喜ばれるんだ。

電気屋さんもいいなぁ。高い電柱に登ってお仕事をするんだ。みんなの家に電気がいかないとテレビでマンガが見られないからね。
『すぐ停電の修理が終ります。そうしたらテレビでマンガが見られるからね。』

お医者さんはもっといいなぁ。病気の人を治してあげられるから。僕もカゼをひいた時にお薬をもらって熱が下がったし、ケガをした時もお薬を塗ってもらって治ったからね。
『病院に来た人はみんな体温をはかってください。』
『いたい所はどこですか?』

僕の魔法のズボン(3)

2019-08-29 06:38:35 | 童話
ついにズボンの脚の折り返しが無くなった。そのまま履いて丁度良くなり、お兄ちゃんのように大きくなったのだ。

だけど、お兄ちゃんのようにカッコいいかなぁ?僕は女の子をいじめたりしないし、年寄りの人が信号待ちをしている時は、青信号になったら手を挙げて一緒に渡ってあげている。
お兄ちゃんと同じように、僕もカッコ良くなっていると思う。
僕はお母さんに聞いてみた。
『ねぇ、お母さん、僕もお兄ちゃんと同じようにカッコいいかなぁ。』
『そうねぇ、そのズボンを履いている時は良い子でカッコいいけれど、そのズボンじゃない時はもう少し良い子になったらカッコいいわよ。』
『う~ん、まだカッコ良くないのか。どうすればカッコ良くなれるのかな? そうだ、魔法のズボンに聞いてみよう。』
『ねぇ、魔法のズボン君、どうすれば君を履いていない時もカッコ良くなれるのかな?』
『それはね、君がいつも僕を履いている時と同じように頑張っていればいいんだよ。僕はいつも君を見ているからね。』
『そうか、いつも同じように頑張らないといけないんだね。』

そして、僕は大きくなって魔法のズボンが履けなくなってしまったが、ズボンの魔法がなくても頑張れるようになった。
そして、今も魔法のズボンは大切にしているし、時々話もする。
僕はいつまでもこの魔法のズボンを大切にしていこうと思う。

    おしまい

僕の魔法のズボン(2)

2019-08-28 06:37:52 | 童話
僕は時々公園で友達と駆けっこをするが、いつも友達に負けてばっかりだった。だけれど、今日はお兄ちゃんにもらった魔法のズボンを履いているので、友達に勝てる気がする。

『ヨーイ、ドン。』
僕は友達みんなを追い越して1番になった。友達みんなが
『速いなぁ。』
と言って驚いていた。そして、僕も驚いた。
お兄ちゃんのズボンは魔法のズボンだ。
僕は家に帰ってお母さんに『お母さん、お兄ちゃんからもらったこのズボンは魔法のズボンだよ。』
『どうして?』
『いつも、駆けっこの時には友達にかなわないけど、この魔法のズボンを履いて駆けっこをするとみんなに勝てるんだ。だから、このズボンは魔法のズボンなんだよ。』
『そうなの、じゃ、魔法のズボンね。お兄ちゃんに魔法のズボンを貰って良かったわね。』
『うん、大切にするね。』
『そうね。だけれど自分でも頑張らないと魔法のズボンじゃなくなるわよ。』
『うん、僕と魔法のズボンの両方で頑張るよ。』

そして、僕は大きくなり、お兄ちゃんからもらったズボンの脚の折り返しが1回となった。僕の魔法のズボンを履いて、友達と広場で戦隊ごっこをしている。
だけれど、、徒競走ではまだ1等賞は取れない。いつも2等賞だ。
僕は学校で遠くへ歩いて行く遠足も頑張っている。

僕の魔法のズボン(1)

2019-08-27 06:36:25 | 童話
僕のズボンは、お兄ちゃんが小さい時に履いていたズボンだ。ポケットが前に2つ、後に2つ付いていて、後のポケットには模様が付いている。そして、色は薄いブルーで、カッコいいズボンだ。

お兄ちゃんはこのズボンを履いて、友達と戦隊ごっこをやっている時はカッコ良かった。
僕もこのズボンを履いたから怪獣をやっつけて、カッコ良くなれるかなぁ。

お兄ちゃんは小学校の運動会の時に、このズボンを履いて徒競走で1等賞になった。
僕はまだ小さくて、小学校も幼稚園も行っていないので1等賞は取れない。

お兄ちゃんが遠くまで歩いて遠足に行った時に履いていたのも、このズボンだ。
僕も頑張って遠くまで歩いて行けるかなぁ。

お兄ちゃんは剣道を習っていて、僕も一緒に見に行ったことが有る。
剣道場まで魔法のズボンを履いて行き、剣道場で稽古着に着替えて剣道の練習をやっていた。
魔法のズボンを履いている時もカッコ良かったが、ズボンを脱いで稽古着の時もカッコ良かった。
その時に僕も大きくなったら剣道を始めたいなぁと思っていた。

僕は今この魔法のズボンを履いているが、脚の所が長くて2回折り畳んでいる。
お兄ちゃんのように、折り畳まないで履けるようになるのはいつかなぁ?
次の次の日曜日には僕もこのズボンを折り畳まないで履けるかなぁ?
お兄ちゃんもお母さんも、牛乳をたくさん飲むと大きくなれるよと言っているので僕は頑張って牛乳を飲んでいる。
僕も早くお兄ちゃんのようになりたい。