山の上のロックの永~い旅(8)

2021-06-30 09:22:49 | イラスト
今度は広い川の中なので、僕は転がりだして、大きな岩にぶつかった。
『痛いっ。岩にぶつかったので、頭とお尻の角が取れちゃった。』
僕は次々と岩にぶつかりながら転がって行った。
『あれっ、あっちこっちの角が取れちゃったので、段々丸くなってきた。』
そして、取れた角の小石も川の中でコロコロと転がっていた。
『お~い、みんな大丈夫かい?』
『大丈夫だよ。一緒に転がっているからね。』
『だけど、君達の方が小さいから転がるのが速いね。』

段々川が広くなって、魚も多くなってきた。人間が川下りする船とも出会った。
『僕はロック、君達は?』
『ぼくはコイ。』
『わたしはアユ。』
『ぼくはイワナで、あそこにウナギも居るよ。』『ロックはどこへ行くの。』
『海へ行くんだよ。』
『海はまだ遠いよ。』
『この川を転がって行くと海へ行けるよね。』
『うん、海の少し前まで行った事があるけれど、遠いよ。』
『ありがとう、頑張って行ってくるからね。』

そして、何年か転がって海の入口にやって来た。
『水が少し塩辛くなったね。』
遠くに大きな船が見えてきた。
『海だ、海だ、海に着いたのだ。』
僕の上を大きな波がザブン、ザブン。
『ここは、波でユラユラと楽しいな。』

『やぁ、僕たちよりも前に来た石達もみんな丸くなっているね。』
『お父さん、お母さん、僕は海に着いたよ。お姉ちゃん、弟、海で待っているからね。気を付けて来るんだよ。』
何年もかかったけれど楽しい旅だったと、僕は思った。

    おしまい

火星に行く日と火星に帰る日(4)

2018-10-21 09:04:09 | イラスト
そして、火星に向かっている僕達は、みんなで力を合せて大きなドームを作り、そのドームの中にお水を入れて川と海を作り、ドームの中の山に木を植える計画を話し合っていました。

『果物がいっぱい実るといいね。』
『そうだね、川と海にお魚がたくさん住むようになるといいね。』
『そうだね。川にはフナとドジョウが育つといいね。それから、トンボの子供のヤゴも育ってトンボになるといいね。』
『そうだね。海には貝やカニが、たくさんのお魚と住めるといいよね。』
『火星に着いたらがんばろうね。』
『うん、がんばろうね。』

しばらくして、2基の宇宙船は火星に着いたので、みんなで力を合せてドームを作りました。そしてドームの中に山と川と海を作り、海山には苗木と果物の種を植えて、川と海には水入れました。
『終ったね。』
『うん、終ったね。』
『次、また水と苗木を運ぶ時も一緒にやろうかね。』
『ありがとう、頼むね。』

そして、僕達は地球に帰って来てから望遠鏡で火星を見ていますが、火星は遠いのでドームは小さくて見えません。だから、木が大きくなっているかどうか分かりません。

そして、今度火星に行く予定は決まったら、火星の友達と会えるので楽しみにしています。

     おしまい