ほんわか村(4)

2021-02-28 09:46:21 | 童話
ある日人間がやってきて、動物全員と相談をしました。
ほんわか村の森は手入れがされていないので、木が倒れたままになっていたり、草が生い茂っている場所が多く、果物があまり多く取れていません。
それを人間が手入れをして果物の木を植える場所と、動物たちの大好きな野菜を植える場所を作るのです。
そして収穫できた果物や野菜を動物たちと人間とで半分ずつにするという計画でした。
 
しかし動物たちは、森の木は大切なので切っては困ると言い、人間も自然は大切なのでそのままにしておき、使えなくなっている所だけを手入れするということで、動物達と人間とが約束しました。
そして手入れした場所に
『ここは、ほんわか村の農場で、動物と人間とが自然を大切にする農場です。お互いに自然を大切にすることを約束します。』
と書いた看板を立てました。
そして、今も動物達と人間が約束を守りながら農場を大切にしています。

     おしまい

ほんわか村(3)

2021-02-27 09:41:43 | 童話
このほんわか村は赤道近くにあり、寒くはありませんが夏は大変暑いのですが、みんな元気で楽しく暮らしています。
毎日、夕方になると夕立でシャワーのような雨が降りまず。雨が降るとゾウさんやキリンさんやカバさんのように大きな動物の背中を、チンパンジーさんとミーアキャットさんが洗ってあげます。小さな動物達はお互いに体を洗ってあげます。しかし、ナマケモノさんは体を洗いません。どうしてでしょうか。
夕立が終るとまた太陽が現われて、動物達を乾かします。太陽が沈むとそれぞれ自分達の家でグッスリと寝ます。

ほんわか村で困った事がおきた時はみんなで相談して決めます。
暑くて風の強い日に村の森で、山火事が発生するので困っていました。そして村のみんなで相談して、山火事が発生しそうな時は森の木に水をかける事にしました。その担当はゾウさんに頼みました。

ある日、ミーアキャットさんのお父さんとお母さんが森へ果物を探し行っている時に、ミーアキャットさんの赤ちゃんが居なくなりました。ミーアキャットさんのお父さんとお母さんが探していると、チンパンジーさんは人間が赤ちゃんを連れて行ってしまったと教えてくれたので、みんなで赤ちゃんを探す事にしました。キリンさんが長い首で探して歩き、その後をゾウさんがミーアキャットさんのお父さんとお母さんとカピバラさんとチンパンジーさんを背中に乗せて行きました。やがて、キリンさんが赤ちゃんを連れた人間を見つけて、ゾウさんが人間に向って鼻から水を勢いよく吹き掛けて、赤ちゃんを取り返しました。
ミーアキャットさんのお父さんとお母さんは大変喜びましたが、また人間が来るかも知れないので、村のみんなで相談をしました。
  
いろいろな意見が出ましたが、ナマケモノさんの意見をみんなが賛成したので決めました。それは、村の入口に高い塀を作る事でした。
まず、ゾウさんが森から枯れて倒れた大木を持ってきて順番に立てました。その木をチンパンジーさんが森から持ってきたつる草で結び、最後に入口に大きな看板を取り付けました。その看板には
『ここは動物のほんわか村です。人間は入らないで下さい。』
と書きました。

ほんわか村(2)

2021-02-26 09:51:42 | 童話
村の動物達が次に相談したのは、村の集会場を作る事でした。今は、みんなが集まって相談する場所が有りません。みんなで相談して、ゾウさんが森から枯れて倒れた大木を持ってきて、チンパンジーさんがその木をつる草でむすんで高床式にし、バナナの葉っぱを屋根にした涼しい集会場を造りました。
しかし、大きなゾウさんとカバさんは重たいのと、キリンさんは背が高いので集会場の床には乗れません。仕方がないので、横の地面に座ってもらう事にしました。だけれど、ゾウさんとカバさんとキリンさんの子供はあまり大きくないので、他の動物と一緒に集会場の床に座る事ができるのです。

そして、またみんなで相談して、ほんわか村に学校を作る事にしました。今度も、ゾウさんが森から木を運んで来て、チンパンジーさんがつる草で結んで、屋根をバナナの葉っぱで作りました。机やイスも同じようにしてチンパンジーさんがたくさん作りました。

国語の先生はナマケモノさん、
算数の先生はチンパンジーさん、
理科と図工の先生はカピバラさん、
体育の先生はミーアキャットさんが担当する事にしました。
ゾウさんとカバさんとキリンさんは、運動場をいつでも使えるように管理します。

学校は小さな子供のためですので、ゾウさんやカバさんやキリンさんの子供も教室に入れます。そして、先生が勉強を始めます。

また、クリスマスとお正月のお祝いも、集会場に子供達を全員集めて、歌や踊りをして楽しみました。もちろん、歌と踊りの先生はミーアキャットさんで、ピョンピョン、ピョンピョンと上手に飛び跳ねました。ゾウさんとカバさんの子供も飛び跳ねましたが、足は床に着いたままです。でも、すごく楽しそうでした。いつもボーとしていておとなしいカピバラさんもチンパンジーさんと一緒にピョンピョンと飛び跳ねました。みんなダンスが上手でしたが、ナマケモノさんは跳べないので、歌だけ参加しました。

ほんわか村(1)

2021-02-25 10:13:51 | 童話
ここは南の島のほんわか村、村長さんはカピバラさんです。
村人は、ゾウさん、キリンさん、カバさん、アライグマさん、ナマケモノさん、ミーアキャットさん、そしてチンパンジーさんです。

村長のカピバラさんは、いつもボーとしていているノンビリやさん、です。野菜を食べる事と、お風呂に入ってボ―としているのが大好きです。

ゾウさんは、どっしりしたおとなしい性格で、みんなに信頼されています。暑い時は鼻でみんなに水をかけてあげます。

キリンさんは、村一番のノッポさんで、その長い首でいつも村全体を見て、村の平和のために頑張っています。

カバさんはいつも川の中にいて、暴れん坊のワニから村の動物達を守っています。

アライグマさんは料理が上手で、村の動物達を喜ばせています。もちろん料理をする時は手をきれいに洗います。

ナマケモノさんは、うん~と、何しているのかな?でも、みんな集まって相談する時は、いろいろな意見を言ってくれるので居ないと困ります。

ミーアキャットさんはダンスが上手なので、みんなが集まってダンスをする時に、ダンスを教えてくれます。

チンパンジーさんは、道具を持つのが上手なので、道具を使ってみんなの家を作ってあげます。

村の動物達が最初に相談したのは、村に名前を付ける事でした。それぞれの動物から代表が集まり名前を相談しました。いろいろな意見が出ましたが、ナマケモノさんが
『私はみんなと同じように早く動く事ができないが、ここは危険な動物が居ないので安心して暮らせて、ほんわかとしていて良い所だよ。』
と言いました。
それを聴いたチンパンジーさんが
『ほんわかして良い所だから、【ほんわか村】にしたらどうだろうか。』
と言いました。
他の動物達もみんな『いいね。』、『いいよ。』と言ったので、村の名前は【ほんわか村】にする事にしました。

そして、村の入口に『ここは、ほんわか村の入口です。』と、チンパンジーさんが書いたカンバンを取り付けました。
そのカンバンを見て、全員の動物が手をたたいて喜びました。ゾウさんは鼻を高く上げて、キリンさんは首を大きく振って、カバさんは口を大きく開けて、みんなと一緒に喜びました。

おしゃべり畑(3)

2021-02-24 09:27:23 | 童話
そして、また夏の暑い日の朝、学校へ行く時にあの畑から話し声が聞こえてきました。
『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』
畑の近くの家の中から『ちょっと待ってて、すぐお水をあげるから。』と聞こえてきた。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。
すると、畑の近くの家の中から『いつもありがとうね。』と声が聞こえてきました。

去年と同じだ、畑もみんなも元気なんだね。
来年の夏も同じかな?
きっと同じだよね。

    おしまい