夢の交換(5)

2016-01-31 11:04:32 | 童話
それから、僕が海へ行った夢を見た時は、山へ行った夢を見た友達と夢の交換をしています。
そうすると、二人とも海と山と両方へ行ったことになるのです。
だから、学校へ持って行って、たくさんの友達と夢の交換をして楽しんでいます。

そして、僕はまたクワガタを捕まえた夢を見たので、今度は別の友達と夢の交換をすることにしました。

僕が夢の入ったゴム風船を大切に持って学校へ行っている時に、学校の近くの家の大きな犬が『ワン』と吠えたので、大切に持っていた夢の入ったゴム風船を落としてしまいました。

そうすると、ゴム風船が割れて、まばゆく光りました。

ゴム風船が割れてすぐに、大きな犬は寝てしまいました。

そして、寝ている犬が前足で何かをさわるようにし始めました。
その後、顔を振りながら前足で鼻に付いている何かを取ろうとし始めました。
僕は、この犬はクワガタに鼻を挟まれている夢を見ているのだと思いました。

夢の交換(4)

2016-01-30 22:05:41 | 童話
ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませました。
そして、友達はクワガタを捕まえた夢を見たので、「夢っ!」と言ってゴム風船を膨らませて学校へ持って来て交換することにしました。

夢の入ったゴム風船は、白くてフアフアしているので、夢を持って行く時は、ゴム風船が割れないように大事に持って行きました。

僕のカブトムシも友達のクワガタも大きくてかっこよかったので、夜に夢を見るのが楽しみです。

僕も友達も、夢の入ったゴム風船を大事に家に持って帰りました。
胸のポケットにゴム風船を大事にしまって布団の中に入りました。
『楽しみだなあ。』

そして、僕は友達が見たクワガタを捕まえた夢を見ました。
大きくてカッコいいクワガタ でした。

朝、僕がパジャマの胸ポケットを探しましたが夢の入ったゴム風船は有りませんでした。
学校で友達に『クワガタを捕まえた夢を見たよ。』と言ったら、友達も『カッコいいカブトムシの夢を見たよ。』と言いました。

『やったあ、成功だ。』
『そうだね、成功だね。』

夢の交換(3)

2016-01-29 21:42:13 | 童話
ある日、また僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるペットボトルの蓋を開けて「夢っ!」と言って蓋を閉めました。

次の朝、夢を入れたペットボトルを学校へ持って行って友達にあげました。
すると、友達もキャンプに行った夢をペットボトルに入れて僕にくれました。
そして、二人とも家で寝る時に蓋を開けて「夢っ!」と言って寝ました。

だけれど、二人ともペットボトルの中の夢は見ませんでした。

『夢を見なかったね。』
『そうだね。』
『何に入れればいいのか考えてみようよ。』
『それじゃ、ゴム風船だとどうかなあ?』
『ビンより良いんじゃないかなあ?』
『よしっ、やってみようよ。だけれど、どうやって夢を入れるの?』
『夢を見た朝に「夢っ!」と言った後でゴム風船を膨らませるといいと思うよ。』
『うん、分かった。今度はうまくいくよね。だけれど、ゴム風船の中の夢を見る時はどうするの?』
『ゴム風船は結んでいる所をほどいたら夢がすぐ外へ出てしまうよ。』
『そうだね、すぐ出てしまうね。』
『よしっ、夢の入ったゴム風船はパジャマのポケットに入れて寝ようよ。』
『そうだね、きっとうまくいくよね。』

そして、僕も友達も夢を見るのを楽しみにしていました。

夢の交換(2)

2016-01-28 21:14:09 | 童話
ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるビンの蓋を開けて「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めました。

そして、夢を入れたビンを学校の持って行って友達にあげました。
『ありがとう。だけれど、どうやって夢を見るの?』
『寝る時に、ビンの蓋を開けて「夢っ!」と言って寝るといいんだと思うよ。』
『うん、やってみるよ。』

次の日、友達は
『言われたとおりやったんだけれど、夢は見なかったよ。』
と言いました。
『夢の入れ物はビンだとダメなのかなあ?』

『ビンはダメなんじゃないかなあ?』
『よしっ、今度はジュースの入っていたペットボトルに入れてみようよ。』
『そうだね、ペットボトルならきっと大丈夫だよ。』
『うん、ペットボトルならきっとうまくいくよ。』

夢の交換(1)

2016-01-27 21:20:37 | 童話
僕は学校で、昨日見た夢を友達に教えてあげることがあります。
旅行に行った夢、飼っている動物とお話しをした夢、友達と遊んだ夢、大きなカブトムシやクワガタと遊んだ夢、そのほか楽しい夢がいっぱいあります。

そして、友達もたくさんの楽しい夢を見ますが、僕しか知らない夢や、友達しか知らない夢がいっぱい有るので、僕は友達と夢を交換する方法を相談しました。

『僕の見た夢を、何かの入れ物に入れて持って来ることができるといいんだけれどね。』
『そうだね。どんな入れ物だと夢が入れられるのかなあ?』
『キャンディーが入っていたビンに入るかなあ?』
『うん、やってみようよ。』
『だけれど、どうやって夢をビンの中に入れるの?』
『夢を見た朝に、ビンの入口に向って「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めたらどうかなあ?』
『いい考えだね。やってみようよ。』
『今度、夢を見たらやってみようね。』

僕も友達もしばらく夢を見ないか、起きた時に夢の内容を覚えていなかったので、夢を入れることができませんでした。