僕と、お父さんとボクとの約束(7)

2014-07-31 21:46:27 | 童話
僕は、その日から毎日、ヒジを曲げるようにして練習を続けていて、逆上がりができるようになった。

僕は速く走ることと、逆上がりができるようになる練習を続けていたので、ご飯を食べるのも、学校へ行くのも早くできるようになった。

僕は、ご飯を食べている時に、徒競走で3番になった事と、鉄棒の逆上がりができるようになった事を、お父さんとお母さんに話をした。

お母さんは『すごいわね。』と言ってくれて、お父さんは『どうしてできるようになったんだい?』と聞いたので、僕は『新しい友達が教えてくれたんだよ。』と答えた。

だけれど、ボクの事は話をしなかった。

僕と、お父さんとボクとの約束(6)

2014-07-30 20:51:46 | 童話
僕は、その日から毎日、ヒザを高く上げて走る練習を続けていて、学校の徒競走で5人で走って3番目になった。

『今度は逆上がりをやってみようよ。』

『うん、頑張るよ。』

『分かった、手が伸びてしまっているからできないんだ。
 鉄棒を回り始める時にヒジを曲げて、体を鉄棒にくっつけるようにするんだよ。
 ボクがやってみるね。』

『本当だ、すごいね。』

『ボクと一緒にやれば君もできるようになるよ。』

僕と、お父さんとボクとの約束(5)

2014-07-29 20:50:16 | 童話
『どうやってやるの?』

『ボクと同じ事をするだけだよ。最初は走る練習をしようか?』

『うん、いいよ。』

『走る時はね、ヒザを高く上げるようにするんだよ。一緒にやってみようよ。』

『うん、だけれど速く走れるようになれるのかぁ?』

『なれるよ、ボクと一緒に頑張ればできるよ。』

『うん、頑張る。』

『よ~い、どん。もっとヒザを高く上げて、もっと高く。そうそう、もっと高く上げて。』

『なんか、速く走ることができそうだ。』

『本当に速く走れているよ。』

僕と、お父さんとボクとの約束(4)

2014-07-28 20:31:31 | 童話
『ふぅ~ん。
だけれど、僕は朝お父さんが会社へ行く時に、行ってらっしゃいと言ったんだよ。』

『それはお父さんで、ボクはお父さんの子供の頃なんだよ。』

『ふぅ~ん。
だけれど君はなぜ、いつも僕の所にいるの?』

『ボクは君が頑張っているのは知っているよ。
だけれど、ボクがもっと頑張れるようにしてあげようと思っているんだ。』

僕と、お父さんとボクとの約束(3)

2014-07-27 10:34:45 | 童話
次の日も、僕と友達が学校へ行っている時に、その知らない子が一緒に歩いていた。

『ねぇ、君はだれ?』

『ボクの名前はツヨシ。ボクは君をよく知っているよ。』

『なんで君は僕を知っているの?』

『ボクはね、君のお父さんの子供の頃なんだ。』

『でも、お父さんは大人で大きいよ。』

『お父さんも子供の頃があって、それがボクなんだ。』