僕達の小さくて大きな森(14)

2021-09-04 09:01:52 | 童話
僕は急いで友達の家へ行った。
『今ね、小さくて大きな森の動物達がやって来ているので早くおいでよ。』
『えっ、あの動物達が来ているの?』
『そうなんだよ。』
僕は急いで庭の梅の木の所に来て根元にいる動物達に会ったが、小さくて大きな森に帰る準備をしていた。

『君達も帰る時はエンピツなの?』
『そうだよ、エンピツが無いと帰れないんだ。』
『僕達と同じだね。』
『うん、そうだね。』
『今度はいつ来てくれるの?』
『もう来られないよ。』
『残念だけれど仕方ないね。』
『じゃぁ帰るからね、バイバイ。』

キリンが『うわっ。』
ゾウが『うわっ。』
チンパンジーが『うわっ。』
カピバラが『うわっ。』
カブトムシが『うわっ。』
クワガタが『うわっ。』

そうして、動物達はみんな小さくて大きな森に帰って行った。
僕は今も梅の木を大事にしている、小さくて大きな森の動物達のために。

  おしまい


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