ドッコイショ(2)

2018-12-26 05:38:40 | 童話
だけれど、お父さんもお母さんもおばあちゃんもドッコイショやヨイショとは言いません。どうして、おじいちゃんだけがドッコイショやヨイショと言うのかなぁ?

ある日、おじいちゃんが
『なんでおじいちゃんだけが、ドッコイショやヨイショと言うのかだって? それはね、おじいちゃんだけがドッコイショやヨイショと言っても良い年だからだよ。』
と教えてくれました。
『ねぇおじいちゃん、ドッコイショやヨイショと言っても良いのは何才からなの?』
『決まりは無いけれど、おじいちゃんの年から良いんだよ。』
『ふぅ~ん。』
『ねぇおじいちゃん、僕もドッコイショやヨイショと言っても良いのかなぁ。』
『ああ、おじいちゃんと一緒の時だけドッコイショやヨイショと言って良いよ。』
『わぁ、うれしいなぁ。』
『だけれど、おじいちゃんと一緒ではない時は、ドッコイショもヨイショも言ってはいけないよ。』
『うん、わかったよ。』僕はおじいちゃんから、おじいちゃんと一緒の時は、ドッコイショやヨイショと言っても良いと言ってくれたのでうれしかったです。

これから、おじいちゃんと一緒の時は、おじいちゃんとドッコイショとヨイショと言う競争をしようと思いました。
だけれど、僕が中学生になった時におじいちゃんとドッコイショとヨイショの競争ができなくなりました。

僕は時々、おじいちゃんのいる空に向って大きい声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』
と言っています。
いつかおじいちゃんが高い空から、僕と競争するみたいに、もっともっと大きな声で
『ドッコイショ』
『ヨイショ』と言ってくれると思っています。

おじいちゃんのドッコイショやヨイショが聞こえるのはいつなのかなぁ。

おしまい

ドッコイショ(1)

2018-12-25 05:39:09 | 童話
僕のおじいちゃんはおもしろいおじいちゃんです。
座っていて立ち上がる時に
『ドッコイショ』
と言いますが、座る時も
『ドッコイショ』
と言います。
僕はおじいちゃんに
『なんでドッコイショと言うの?』
と聞きましたが、
『ドッコイショは、ドッコイショだからドッコイショなんだよ。』
と言いました。

だけれど、座っていて立ち上がる時に
『ヨイショ』
と言う時があります。
その時は、座る時も
『ヨイショ』
と言います。
僕はおじいちゃんに
『なんでヨイショと言うの?』
と聞きましたが、
『ヨイショは、ヨイショだからヨイショなんだよ。』
と言いました。

ドッコイショとヨイショはどう違うのか分かりません。
ある日、おじいちゃんが
『みんなが居る場所で立ち上がる時は、みんなに「これから立ち上がるよ。」と言うためにドッコイショと言うんだよ。
だから、座る時もドッコイショなんだよ、でも、誰も居ない時は自分のためにヨイショと言うんだよ。』
と教えてくれました。

『ふぅ~ん、そうなんだ。』
僕は、ドッコイショとヨイショは違うんだと分かりました。

てんから、てんから、てんからてん(7)

2018-12-24 09:06:26 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『暑くなってきたので、熱中症にならないように、汗をかいたらお水をたくさん飲むようにしています。』
と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も熱中症にならないように、お水をたくさん飲むようにしています。』
と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『ホタルはたくさん増えましたか?』
と都会の小学校のイヌとネコが、村の小学校の動物達に聞きました。
『うん、去年、小川や池をきれいにしたので、ホタルは増えたよ。』
『トンボやカエルもたくさんになりましたか?』
『うん、たくさん増えて、去年よりゲロゲロ、ゲロゲロとたくさん鳴いているよ。』
と言って、カエルがたくさんゲロゲロと鳴いている池を月に映して見せました。
『本当だ、いっぱいいるね。』
『うん、今年もたくさん鳴いているよ。』

そして、今度は赤トンボがたくさん飛んでいるのを月に映して見せました。
『うわっ、綺麗だね。』
『うん、みんなで池や小川を綺麗にしているからね。』
そう言って池や小川の中を月に映して見せました。
『メダカや鮒やヤゴやゲンゴロウがいっぱいいるんだよ。』
『凄いね。』
『都会の池や小川も水がきれいになるといいのにね。』
『うん、みんなで掃除をやっているよ。』

『それでは、今日の学級委員会を終ります。
また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

そして、村の小学校の動物達と都会の小学校のイヌとネコとの学級委員会は、今も続いています。
  おしまい

てんから、てんから、てんからてん(6)

2018-12-23 09:21:15 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『庭やマンションのベランダで、お花の苗を大切に育てています。』
と発表しました。
村の小学校の動物達が
『お花畑にはお花がたくさん植わっているので、お花を大切にしています。』
と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『春になりましたが、雪はもう解けましたか?』
『まだ雪は溶けないで、少し残っています。だけれど、雪ダルマはもう溶けてしまいました。』
『村ではお花が咲き始めましたが、都会でも咲き始めましたか?』
『お花屋さんにはいっぱいお花を売っていますが、植わっているお花が少ないので、分かりません。』
『村にはお花畑があって、いろいろな色のお花が咲きますが、都会にはお花畑は無いのですか?』
『お花畑は有りません。公園も、木や芝生が多いですが、お花畑はあまり有りません。』
そして、都会の小学校のイヌとネコが、大きな公園を月に映して見せました。
『本当だ、木がたくさんあって、広い芝生の上でイヌや人間が運動しているけれど、お花が植わっている所が少ないね。』
『うん、少ないよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(5)

2018-12-22 09:24:45 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなって、北風がピュ~ピュ~と吹くようになったので、外から帰ってきた時に、うがいと手洗いをして、カゼをひかないようにしています。』
と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も、うがいと手洗いをしています。』
と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『都会では、もう雪は降りました?』
『まだ降っていません。村では雪が降ったんですか?』
『うん、もう雪がたくさん降って積もったので、雪ダルマを作りました。』
と言って、雪ダルマを月に映して見せました。
『大きな雪ダルマだね。すごいね。』
『みんなで仲良く作るので楽しいよ。』
『ダルマの他に何が作れるの?』
『イヌやネコやペンギンや、何でも作れるよ。』
『今度、ダルマではないのを作ったら見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』