関東からウチへ帰るなら関越をまっすぐ北へ上がっていけばそれで済むのですが、それを長野回りにしてして行ったのは、ワークマン時代の同期の奥さんの顔を、そしてあわよくばその同期の顔を見るため。でも行ってはみたものの、同期どころか奥さんもたまたまお休みで会えずじまいのスカ。普通ならこれを『ムダ足』と呼ぶのでしょうが。。。
関東から上信越道を下ってきて、長野県は小布施PAにあるスマートインターで下りました。その時ボクはある光景を目撃したのです。もしお店まで行って誰かしら居ればその相手をして、誰も居なかったらココまで戻ってきてその「ある光景」の相手をしてやろうと決めました。結局お店に知ってる人がいなかったので、お土産だけ置いてすみやかにスマートインターまで戻りました。もしかしたら居ないかも知れないけど・・・。あっ、いた~っ!ボクは手招きして2人組を呼びました。
「北へ、って、どこまで行くん?」
「金沢なんですけど」
「今から新潟帰るんだけど、途中まで乗っていくかい?」
「いいんですか!?んじゃ妙高SAまででいいんでお願いします!」
「んじゃちょっと待ってて。今千葉から帰ってる最中でさ、荷物がおおばらくたになってるから、ちょっと片付けるわ」
ボクは出かける時、常々「ヒッチハイクしているのが居たら乗せる」と心に決めていました。でも、急いでる時とか仕事してる時とかには見かけるものの、年に1度6月頃に奥さんと里帰りする時とか出かける時に限ってなかなか出くわさず。それが今回、思いつきでルートを変えて、変えてはみたものの計画どおりにはいかなかったという偶然が重なって、さらにこの偶然を生み出したのであります。
彼らは信州大学上田キャンパスの3年生。写真右側の秩父出身の彼が最近彼女にふられたらしく、その哀しさを紛らわすために人生初のヒッチハイク旅行に出かけようと考えて、写真左側の焼津出身の友達がヒッチハイクサークルのメンバーということで指南を受けつつ、最初は京都に行こうかと思ったけど、とりあえず近場でってことで金沢に行って寒ブリを食べよう!ってことになったそうで。
「上田で1台捕まえて、長野まで行くところをココまで乗せてきてもらったんですが、あまりにも車が少なくてヤバイってなってたところなんですよ」
「あ~、そこにこんな変なおじさんが現れて手招きされて捕まったってわけなんだね?」
「そうなんです、捕まっちゃいましたねぇ!」
「失礼だな!」
ヒッチハイクサークルに入ってるだけあって、慣れた感じで楽しく会話を繰り広げてくれました。
話を聞いていると焼津の彼は相当なヤツで、自転車で長野から実家までチャリで帰ったりとか、持ってる車は今時の子にしては珍しくマニュアル車で実家の軽トラ乗るのが楽しくてしょうがないとか。秩父の彼も思いつきでなんかするのが好きらしくて、今回の計画も1週間くらい前に立てたとか、今度は友達に軽いノリで誘われたから軽いノリでマレーシア行ってくるとか。二人してそれぞれあっち行ったとかこっち行ったとか、ボクからしてみればすんごいうらやましい話ばかりしてて。
そんな中で焼津の子が北海道をヒッチハイクした時に
「ドライバーさんの目標が、年に1度はヒッチハイカーを乗せるっていうので、その年は未だにその目標が達成されてないところにボクが現れたもんですから、その人会社に休むって電話して稚内まで400キロ近く乗せてってくれたんですよ。そのあとその人は1人で400キロ帰って行きました」
ってことがあったって話をしてくれたんですが、世の中にはボクと同じような、いや、ボク以上のつわものがいるんだなと感心してしまいました。
「・・・って、妙高過ぎちゃってますけど」
「妙高なんて小布施と大して変わんないよ!だっけ、とりあえず新井まで行って、新井で作戦会議しよて!」
彼らが持っているHighway Walkerはネクスコ東日本が出しているもの。上越過ぎちゃうと西側は中日本の管轄で載っていない。車に20年前の全日本道路地図があったのでそれを見ながら作戦会議。
「古い地図だっけ載ってないんだけど、ここ新井。んで富山でしょ?そんで金沢。次のSAは名立谷浜だけど、う~ん、こんなトコじゃなぁ。それにまだ4時前で時間も早いし。。。その先、う~ん、、、よっしゃ!楽しいからいいや!有磯海まで送ってったるわ!」
「いいんですか?うわぁ、ありがとうございます!じゃあせっかくなんで金沢まで…」
「うん、それは無いから!」
なんだかんだしゃべってるうちに、魚津の先の北陸道・有磯海SAに到着しました。
「ホラ!金沢ナンバーばっか停まってんじゃん!これなら行けるろ?」
「そうですね!やったね、これで最初に書いた『金沢』っていうの、ようやく出せるね」
「よっしゃ、休憩すんべ!って、お前ら試食のお菓子をバクバク食うな!」
「いやいや、これこそ学生の特権すよ!」
「ったくなぁ。まぁいいや、とりあえずなんか好きな飲み物選べ。おごってやるから」
「最後にひとつだけお願い聞いてもらっていい?写真一緒に写ってくんない?」
「いいですよ!んじゃこれ出しましょう。家族の方に証拠写真として見せてください!」
「もちろん、すぐ送るよ!」
というわけで撮ってもらったのが最初の写真。
「どうもありがとうございました。気を付けて新潟まで帰ってください!」
「こっちこそ楽しかったよ、ありがとう。頑張ってね!」
しっかり握手をしてくれて、大きく手を振って見送ってくれました。
さ~て、どうしたもんか。4時半過ぎか。まぁここまで来たらホタルイカ買って帰らんきゃだな。とりあえず滑川のホタルイカミュージアムの売店へ。
「ホタルイカってまだ時期じゃないですかねぇ?」
「3月1日からよ~。チョロっと上がったのがスーパーなんかに置いてあるけどねぇ」
なら、こっちはどうだ?ってことで魚津の『海の駅・蜃気楼』。
やっぱり無かった。夕日はキレイだったけど。。。
仕方ないから黒部インター近くのスーパーで(解凍)のホタルイカを購入。
6時過ぎに黒部から高速に乗り、中之島見附で奥さんの実家におみやげを置いて、そして15日のあの時間に帰宅したのでありました。
いやぁ、最後の最後のどんでん返しを含めて、今回のたびはホントいいものになりました。
信州大学ヒッチハイクサークルの彼ら御一行様、無事に金沢に着いて美味しいものを食べて、満喫してまた無事に上田へ戻れたのでしょうか?ぜひまたお会いしましょう!
そして茂原のお友達、グリーンバスのみなさん、八千代のお友達、今回のたびに関わってくださったみなさん、本当にありがとうございました。
今回「オイ、なんでこっち来なかったんだ?」と思われた方。ご安心ください、今年はまだまだ始まったばかりです。また次回がありますからね!
是非にというかたは連絡ください!そうすれば真っ先に予定を組むことにしますから!!!
おわり