40年前、中標津の大地は牧草地だけでした。畑はほとんどありませんでした。
中標津にあった道立釧根農業試験場では、寒冷地に強いジャガイモの品種改良
をして、寒さに強いジャガイモを作り出してきました。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 森が作った畑 ★
150年前、根釧台地は原生の森が生い茂り、大地は落ち葉や倒木で腐葉土が育む
黒土で覆われていたはずです。北海道開発庁のもと、パイロットフォレスト事業
が推進され、森は牧草地に転化され、牧畜事業が押し進められてきました。
牧草地しかできなかったのは、夏季になると張り出すオホーツク高気圧のせい
です。寒冷な気候と海霧を生みだし、日光が十分に当たらなかったのです。
そのために野菜や小麦、トウモロコシなどがきちんと育ちません。
ところが10年前くらいから気温が上昇し、海霧が少なくなり、作物が順調に育つ
ようになってきました。砂糖大根(シュガービート)、デントコーン、夏大根、
小麦などの栽培がされるようになりました。
牧草地を転用して、作付が増えてきています。森が育んだ黒土が、作物をしっ
かり生育させています。
まだ、専業の農家は少ないですが、いずれ夏大根のように生育のよき作物の
産地になる要素が溢れています。広大な大地に植え付けられたビートや小麦、
デントコーンの新芽の様子を見ながら思いを馳せています。