晩秋の奥秩父を歩き登ってきた。
2000m近い山々は明るく紅葉し、山に入る者の気持ちを高揚させてくれる。
落ち葉を踏みしめて、ガサガサと音を立てて登ってゆくと、あちこちで獣たちが動いてゆく。
・・・俺たちの仲間がやってきた!!
そんな愉しい気分になってゆく。
熊公から猿、鹿、猪、狸に狐、リスたちも、み~んな地球に生きてる仲間だ。
人間社会で60年いじょうも生きて来て、それでも俺は山の獣の仲間のまんま、笑ってる。
メンドクサイことばかり、みみっち~人間の世界のことは、もう飽いたでよ。
・・・じゃ~、山で暮らそうよ!
最初の頂で一服しながら湯を沸かしてると、可愛い目で距離を保ってついてきてた狸に、そう言われてるようでもあった。
そうじゃな~、それもエエかもな~、山を降りずに仕事も放りだして、一緒に暮らすかな~、本気で想う。
・・・お前らの臭い体臭を、オジサンが洗い流してやるか
・・・け、けっこうでござるポンポコ!
雲は高く、たまに太陽が見える薄曇りでも、山は色とりどりの紅葉で輝いていた。
こういう雲は雨の心配はない。
薄化粧をした富士山も、いつもの場所で昼行燈。
下界は気温があがって、靄の中にあった。
人間がいない、俺の選ぶ山はいつも人がいない、だから余計に愉しくなってくる・・・昨日も人間はだ~れにも会わなかった。
わずらわしいことがない、たまに人間に会うとガッカリする、獣そのものだ。
いろんな愉しい奇声を大声で発しながら歩くと、そのうちに野鳥も啼きだして応えてくれる。
人間の言葉なんて、いらんわい。
冬装備、山はそんな素敵な季節を迎えている。
新しい四駆の小さな車の燃費は、10年で16万キロ走った山用アルファードの倍は走る感じ。
同時期に並行して10年で25万キロ走った四駆のCRVの2倍以上だろう。
そう、2台だけでも40万キロを10年で走ってるが、他にも車はあった・・・お月様まで37万キロ。
もうこれからはこの1台だけで山に入るつもりだが、小回りも効き、乗り心地だけは悪いが、仕方ない。
昨日は山の疲れよりも、山道・未舗装林道の運転で、疲れた。
慣れればなんとかなるだろう。
急いて歩き登ることもないし、のんびりやるわさ。
さ、メンドクサイが仕事を始めるっぺよ。