ガキの頃の遊びと言えば、近所の山に水晶の露天掘りが出来る山を見つけて、小学校が終わると仲間と七つ道具を担いで登っておったり、土器が出て来る! という仲間の話に、山の防空壕に七つ道具を隠しておいて、エッサオラショと山の斜面を掘りまくっておったり、海では廃船になって陸揚げしてある船に漁師からもらった釣り道具を隠しておいて、学校帰りにそのまんま餌とりから始め、突堤でキスを釣ったり、そのまんま海に飛び込んだり・・・キリが無いくらいに遊び呆けておった。
その延長で今があるから、偉そうに登山だとか遠泳だとか言っても、やってることはナニも変わってない。
だから砂金とりのボウルくらいは、今でもいつも山用の車に積んである。
・・・地球は生きてるんだから、どこで金脈にぶち当たるか、わかりゃ~せんのよ
夕焼けを見るとみな無口になり、イライラしておった、もう、帰らんといかんのか・・・。
いつものように短いスポーツ刈りにしてくると・・・あら、豊洲に行かれたんじゃ~なかったの・・・
魚屋じゃ~ね~がな、短く刈ると角刈りに見えるし、白髪だとテッペンが禿げて見えるし、本人はロクでもない銀座の日々に愛想が尽きておるのに・・・なんか、疲れてないですか?
・・・単に歳くってるだけだわい!!
失礼な挨拶ばかりに、朝から不愉快になってくる。
誰々が、こういう病で死んだ・・・怖い・・・気をつけなきゃいけないこんな病・・・なにをすべきか??
・・・いちいちなにもせんでエエやんけ
認知症と徘徊老人の予備軍は相変わらずのみっともないスカシっ屁、暇を持て余してる傍観者、そんなことで時間を潰して居るが、生まれたら死ぬ、いちいち大袈裟に考えることでもないだろう。
死ぬことが怖いのは、たいして中身の無い日々を送ってきたせいでしかなく、まわりばかりオロオロ覗き見して生きてる証でしかないのに、そういう風に見られてることすら気が付かない、優秀な消費者というローボット。
長く生きて来てる癖に、なんで笑っておれない? 子供らの前で、みっともない醜態だ。
みなといつも一緒、衆に寄って、群れを組んでる獣たちは、絶望的な孤独からは決して逃れられない。
大量生産と大量消費の繰り返し。
孤独死をさも可哀相なことのように言う価値観は、ただの徴税国家の罠でしかないのに、そんでもって終わらない後悔と欲求不満の輪廻のサークルを、ただただクルクル回ってる。
後悔なく生きて居ると、別に死に方なぞなんだってエエがな。
オジサン、呆れちゃうわ。
20数年前からオストメイトになって暮らしてる同世代のオヤジがおるけんども、これも銀座の近所でソムリエをしながらフレンチのレストランを自営でやってる。
腸がほとんど無くなってしまってるのに、普通に生きて居る。
歩いて居る姿を見るたんびに・・・ほ~~・・・なに?・・・いやいや人間ってすげ~んだなと思ってさ・・・
開業した最初の数年はなかなか黒字にならずに苦労して居ったが、なんとか10年は超えて顧客をつかんでる。
・・・むかしの人工肛門の手術は酷くってさ、俺なんか3回も穴を開け直してるから、腹なんて傷だらけで引きつってるよ、いまは良いよ、むかしの手術は大変だったんだよ
本当に、そう思う。
ところがその後の20数年間、あんたはナニをしてたんだ? というようなワイン漬けの日々で、いまではストマという、腹から飛び出してる腸の端くれまでが赤ワイン色になってるんだとさ。
・・・え~~、そんなことまでしてるの? 逆に言われる。
俺はさ、まだまだ初心者マークの3年目だのにさ、ワインばかり飲んでね~で、結婚相手を探す方が先だろう。
・・・ということで、妙齢の独身女性がおれば、ワインオヤジを紹介します。