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池上彰さんの連載について おわびし、説明します 朝日新聞

2014-09-06 16:51:56 | シェアー

http://www.asahi.com/articles/ASG956K76G95ULZU019.htmlより転載

朝日新聞デジタル2014年9月6日03時00分

池上彰さんの連載について おわびし、説明します

 

ジャーナリスト・池上彰さんの連載「新聞ななめ読み」の掲載をいったん見合わせた後、4日付で掲載したことについて、読者の皆様から本社に疑問や批判の声が寄せられています。掲載見合わせは、多様な言論を大切にする朝日新聞として間違った判断であり、読者の本紙に対する信頼を損なう結果になりました。改めておわびし、経緯を説明します。

 「新聞ななめ読み」は原則として毎月最終金曜日の朝刊に掲載しています。8月は29日付朝刊に載せる予定で、原稿は27日に池上さんからいただきました。

 8月5、6日付朝刊で慰安婦問題特集を掲載して以来、本社には言論による批判や評価が寄せられる一方で、関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為などが続いていました。

 こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました。本社は8月28日、池上さんに「このままの掲載は難しい」と伝え、修整の余地があるかどうかを打診しました。

 池上さんは「原稿の骨格は変えられない」という考えだったため、話し合いの結果、予定日の掲載を見合わせる判断をしました。

 その際、池上さんから「掲載されないなら、朝日新聞との信頼関係が崩れたことになり、連載も続ける状況にない」との言葉がありました。

 池上さんは8月29日から海外に取材に出る予定でしたが、引き続き連絡を取る約束をし、9月4日の帰国後に改めてお会いすることにしました。

 しかし、9月1日夜、この間の本社と池上さんのやりとりが外部に伝わったのを機に、「不掲載」「論評を封殺」との批判を受けました。本社は池上さんとの話し合いの途上だったため「連載中止を決めたわけではない」とコメントしましたが、読者から経緯に関する疑問や批判の声が寄せられました。

 私たちは3日、いったん掲載を見合わせた判断は間違いであり、読者の信頼を少しでも取り戻すためには池上さんの原稿を掲載しなければならないと判断し、出張中の池上さんの了解を得ました。その際、池上さんの意向も踏まえ、簡単な経緯を含めた双方のコメントを添え、4日付「慰安婦報道検証/訂正、遅きに失したのでは」の見出しで掲載しました。

 池上さんとはこれからも誠意を持って話し合いを続け、対応と結果については改めてお知らせします。

 池上さんの「新聞ななめ読み」は2007年4月、週1回の連載として始まりました。2010年4月から月1回、「読者にとって分かりやすいか」を切り口に、鋭い新聞批評を展開してきました。

 本紙への厳しい批判、注文も何度となくありましたが、すべてを掲載してきました。批判や異論を載せてこそ読者の信頼を得られると考えたからです。今回の過ちを大きな反省として、原点に立ち返り、本紙で多様な言論を大切にしていきます。(東京本社報道局長・市川速水)

 


生活保護法「改悪」に警鐘 本紙・上坂記者受賞 貧困ジャーナリズム賞

2014-09-06 04:24:17 | シェアー

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014090502000258.html   東京新聞 2014年9月5日 朝刊

生活保護法「改悪」に警鐘 本紙・上坂記者受賞 貧困ジャーナリズム賞

 貧困問題に関する優れた報道を表彰している市民団体「反貧困ネットワーク」(代表世話人・宇都宮健児元日本弁護士連合会会長)は四日、今年の「貧困ジャーナリズム大賞」を発表し、都内で授賞式を開いた。 

 生活保護法改正案の問題点を報じ続け、政府の法案修正につなげた東京新聞(中日新聞東京本社)の上坂修子(うえさかなおこ)論説委員に貧困ジャーナリズム賞が贈られた。

 上坂氏は今年七月まで在籍した政治部で主に社会保障問題を担当。生活保護の不正受給防止を理由に厚生労働省が進めようとした生活保護法の見直しは、生活保護を受給できなくなる家庭を増やし、貧困の拡大につながると指摘し続けた。

 大賞にはインターネット上で生活保護制度の問題点を指摘し続けたジャーナリストのみわよしこ氏、貧困の現場を丹念に歩いて報じた下野新聞社の「子どもの希望」取材班が選ばれた。

 

◆困窮者の視点に立ち報道

 四日に都内で開かれた「貧困ジャーナリズム大賞」の授賞式で、選考に携わった水島宏明法政大教授は、本紙の上坂修子論説委員の生活保護法見直しをめぐる報道について「改悪だと明確にし、一面に次々と記事を掲載して多角的な視点で報道した」と述べた。 

 授賞理由は「生活保護の不正受給防止に偏重する(厚生労働省の)『改革』が、困窮者に与えるマイナス影響を繰り返し警告した」こと。

 上坂氏は授賞式とその後のシンポジウムで「生活保護の政策決定で、信じられないぐらいのずさんさに不信感が募った」と述べた。さらに「弱い立場の人々の側に立った報道を心掛けていきたい」と語った。

 対象となった報道は二〇一三年五月、生活保護法改正案の閣議決定を前に、厚労省が申請手続きの厳格化を改正案に盛り込んだ事実を指摘。生活保護を受給できなくなる家庭が続出すると指摘し続け、与野党による法案修正につなげた。

 法案成立後の一四年三月には、与野党の修正内容を無視して、同省が省令案にあらためて申請手続きの厳格化を盛り込んだと報じた。同省には千百件を超えるパブリックコメント(意見公募)が寄せられ、政府は省令案を見直した。

 

<受賞一覧> みわよしこ氏、下野新聞社「子どもの希望」取材班、上坂氏のほか、受賞した団体、個人は次の通り。

 貧困ジャーナリズム特別賞 さいきまこ(漫画家)、NHK「ハートネットTV」取材班▽貧困ジャーナリズム賞 陸田元一(NHK)、秋山浩之(TBS)、米沢秀敏(山陽放送)、蒔田備憲(毎日新聞)、今村優莉(朝日新聞)、竹次稔(西日本新聞)、横田増生(ジャーナリスト)、野村明弘(週刊東洋経済)=敬称略、複数人で受賞の場合は筆頭者のみ