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この円安は危険すぎる―家庭負担増23万円 安倍政権“円安誘導”で庶民生活は地獄へ

2014-09-08 22:10:11 | シェアー

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153175より転載

家庭負担増23万円 安倍政権“円安誘導”で庶民生活は地獄へ

消費増税も加わり家計は火の車/(C)日刊ゲンダイ

消費増税も加わり家計は火の車/(C)日刊

 

 この円安は危険すぎる――。7月下旬に1ドル=101円台で推移していた為替相場は、5日東京市場で105円71銭をつけた。実に5年11カ月ぶりの安値だ。ECB(欧州中央銀行)の利下げや、米経済指標の堅調さがドル高・円安の背景といわれるが、市場からは「1カ月あまりで4円の振れ幅は異常」という声が聞かれる。

「円安は、海外要因だけではありません。安倍政権の“円安誘導”です。安倍首相が夏休みだった8月中旬にタネはまかれた。休暇中に円高・株安になったら、批判続出だからです。タネはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。大手メディアは、なぜかこの時期にGPIF改革のニュースを流し、円安・株高に一役買った。日経平均が9連騰したのも、首相の夏休み中でした」(市場関係者)

 運用資産127兆円を誇る世界最大級の機関投資家GPIFは、今月中にもポートフォリオ(資産構成)を見直し、株式や外債、外国株式の保有比率を高める方針だ。外債や外国株式を買い増すということは「円売り、ドル買い」になる。野村証券の試算では、GPIFの外債などの追加購入は15兆円に達する。為替市場は、GPIFの動きを先取りし、大量の円売り(円安)に動いた。
 

この流れが継続すると、1ドル=108~110円台もあり得ます」(三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏)

 円安→株高で、安倍政権は安泰だろうが、庶民生活は地獄が待っている。ただでさえ消費税増税による物価上昇に苦しめられているのに、さらなる円安で輸入物価は押し上げられ、食料品やガソリン、エネルギー関連の価格上昇をもたらす。

 地方生活に欠かせないガソリンは、再び上昇に転じかねない。エネルギー庁が3日発表したレギュラーガソリン価格は1リットル=167円。1ドル=110円になると、08年並みの1リットル=182円もあり得る。8%以上の値上がりだ。燃料費高騰で漁船の出航見合わせが続出し、魚介類やねり製品は値上がり。原油由来のプラスチック容器を使う納豆やカップ麺、コンビニ弁当も急騰する。
静岡大名誉教授の土居英二氏(経済統計学)の試算では、「1ドル=110円」になると安倍政権以前(12年9月)に比べ、平均的な家庭(年収599万円)の負担増は14万2000円。消費増税分の9万2000円が上乗せされ、合計23万4000円の負担増だ。

 給与がアップすれば少しは救われるが賃金は減り続けている。毎月勤労統計調査(7月)によると、ボーナス支給月にもかかわらず、実質賃金はマイナス1.4%だった。

 極端な円安は企業業績も直撃する。今年1月、1ドル=105円台に乗ったとき、日産のゴーン社長は「100円程度が適正」と不満をあらわにした。自動車部品メーカーからは、「105円までは業績押し上げ効果があるが、それ以上の円安は部材などの輸入コストが高くなり、経営を圧迫する」と悲鳴が上がった。

 この先、給与増は望めない。「悪い円安」で庶民生活はズタズタだ。
 
 

GDP急落。本当は悪化している日本経済

2014-09-08 21:50:47 | シェアー

President ONLINE http://president.jp/articles/-/13293より転載 2014年9月2日(火)

GDP急落。本当は悪化している日本経済

PRESIDENT 2014年9月15日号  著者 大阪経済大学経営学部客員教授 岩本沙弓

消費税増税法案が可決された2012年、もしくはそれ以前から、消費税増税による日本経済への影響は甚大とする客観的かつ冷徹な分析をする声は、主流派から排除されてしまったようだ。

とはいえ、実体経済の状況を示す経済指標は嘘をつかない。内閣府は14年4~6月期の国内総生産(GDP)速報で物価変動を除く実質で▲1.7%、年率換算で▲6.8%の大幅低下を発表した。増税の影響を楽観視してきた向きにとって完全な「想定外」であるわけだが、発表間近になるとGDP予想を下方修正し、無理やり「想定内」とする手の込みようである

マスメディアの報道からはわかりにくいが、今回のGDP速報以前にも4月の増税以降、経済指標の悪化は続いていた。実質賃金のうち固定給となる「きまって支給する給与」は3カ月連続の▲3%台。消費者に実際の納税義務が発生しない以上(納税者は事業者)、消費税は税金というよりも政府による物価上昇統制となる側面がある。

消費税で物価が3%上がる中で賃金が上昇しなければ、実質の手取りは増税分がそのまま下がる。所得が上がらなければ、GDPの6割を占める民間消費に回るとは考えにくい。駆け込み需要によって3月の消費支出が39年ぶりの前年同月比7.2%増となったとは華々しく伝えられても、4月は東日本大震災の発生した11年3月(▲8.2%)以来、3年1カ月ぶりの大幅下落▲4.6%、5月は過去33年間でワースト2位の▲8.0%という数字については報道では影を潜めてしまう。

さらに、GDPの2割弱を占め民間の設備投資の先行指標とされる機械受注(船舶・電力を除く民需)は、4月が▲9.1%。5月は▲19.5%とリーマンショック時をはるかに超える過去最大の減少幅だったのは周知の通り。これではGDPの事前予想も下方修正せざるをえない。これだけ悪い指標が続けば、15年10月の10%増税にひた走ることは不可能だ。本来こうした予想は増税前にすべきもの。専門家がバイアス抜きの主張ができない、あるいは主張をしてもかき消される現状が日本社会の構造の中にあるとすれば、適正な経済政策の運営は難しい。