冬など手足が冷たい時、普通は手袋をしたり、厚手の靴下をはいたりするものだ。
ところが、これは意外に効果のない防寒法で、手袋や靴下を使っても、冷えた手足を温める根本的な解決策にはならないのだ。
人間の体は、周囲の温度が下がると、まず脳や内蔵を守るため、頭や胴体の温度を保とうとする。
そこで、体内の血液は脳や内蔵に集中し、手足に流れる血液は減ってしまう。
これが、寒いと手足が冷える原因になる。
と言う事は、手足にも血液がちゃんと流れる様にすれば、手足の冷えは解消されていく。
逆に、手袋や靴下を使ったところで、血液がちゃんと流れなければ、手足は一向に温かくならないのだ。
手足にも血液が流れる様にするには、脳に「頭や胴体はちゃんと温まっている」と分からせてやればいい。
その為に効果的なのが、「首」を温めることだ。
首は、頭や胴体の中でも、特に温度変化に敏感な部分だ。
特に、前側は冷たさを感じやすく、首の後側は温かさを感じやすい。
そこで寒い時は、マフラーで首をしっかり温めるといいのだ。
これで、脳は「頭も胴体も温まっている」と感じ、手足にも血液を送る様になって、手足も冷やさずにすむのだ。
ただし、注意したいのは、マフラーは室内に居る時から巻いておくこと。
いったん首が「寒い」と感じてしまうと、脳は「寒いモード」からなかなか抜け出せない。
その後、マフラーで保温しても、なかなか手足まで血液を送ってくれないのだ。
また、マフラーには服の中の温まった空気を外に逃がさない効果もある。
マフラーを巻く時は、服と密着させ中の空気を閉じ込める事を意識するといい。
胴全体が温まり、一層血液が手足に送られやすくなるのだ。