私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

蓮を喰うものたち 103-104行目

2011-06-08 08:50:19 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.103-104]

To dream and dream, like yonder amber light,
Which will not leave the myrrh-bush on the hight.


蓮を喰うものたち   アルフレッド・テニスン

[103-104行目]

ゆめみ ゆめみて 遠方の 黄ばむ名残り日さながらに
高みにしげる没薬を 残し消えさることもなく



 ※103行目「遠方」は「おちかた」、「名残り日」は造語。
  104行目「没薬」はミルラ。ギリシア神話では実父に恋したアドニスの母の変じた木だった覚えあり。樹皮の傷からしたたる涙が凝って香料になるのです。……エリアデスの涙=琥珀と同じパターンですね。われながら無益な雑学。