かつお節発祥の地をPRする広告塔近くに
建立予定
かつお節発祥の地ともされる印南町で、かつお節を考案するなど、かつお節に関して偉大な功績を残した江戸時代の印南漁民3人の顕彰碑を建立しようと有志らが取り組みを始めた。3人の偉業を町民はじめ広く知ってもらい後世に伝えたいとこのほど発足した「顕彰碑」建立会は、賛助金を募り、国体開幕までに建立したいとしており「将来の印南の子ども達に、誇れるものを持ってもらうためにも顕彰碑を建立したい」と協力を呼びかけている。
3人は、土佐で活躍しかつお節を考案したと言われる角屋甚太郎、江戸中期に鹿児島県枕崎市にかつお節製造法を伝えた森弥兵衛、江戸後期に伊豆や房州へ製造法を伝えた印南與一(通称・土佐與市)。
食文化研究者の宮下章氏が著書「鰹節」で「江戸時代において、カツオ漁法と鰹節製法を全国の主要産地に伝えたのは、期せずして、紀州印南浦の3人の漁民であった。彼らの創始努力がやがて実を結び、土佐、薩摩、伊豆は天下に名だたる鰹節の名産地になる。カツオ漁業におよそ恵まれない印南浦が、3人もの偉大な功労者を生んだのは脅威」と書いているように、日本食に欠かせないかつお節に関して3人が残した功績の大きさがうかがえる。
建立会発起人の一人で町文化協会長の坂下緋美さんは「高知県土佐清水市の松尾地区では、角屋甚太郎の子孫である角屋与三郎の墓が『旦那さんの墓』として今も名所史跡として大切に守られている。鹿児島県枕崎市では平成19年にかつお節の製法伝来300年記念として発行された冊子に森弥兵衛が紹介されている。千葉県南房総市にある『與市の墓』は市の指定文化財にもなっている。しかし、地元印南では角屋甚太郎は少しは知られているが、森弥兵衛と印南與市はほとんど知られていない」と現状を憂い「印南が誇るこの素晴らしい史実を今こそ伝える活動をしなければいずれは忘れ去られてしまう」と話す。
印南漁港内ケ浜埋立地の印南浜公園脇に御坊ライオンズクラブが創立25周年記念事業の一環で平成3年に「かつお節発祥の地」をPRする高さ11メートルの広告塔を建てており、顕彰碑も印南浜公園に建立を予定。建立会は、土佐清水市や枕崎市、南房総市など3人が活躍した地元から石を送ってもらい顕彰碑の前に飾るなど意義あるものにしたいと考えており「江戸時代・印南浦で魂をかつお節に捧げたすごい人達のことを後世に伝えよう!」と、趣旨などを記したチラシを近く全戸配布し、気運を高めるとともに賛助金への協力を呼びかけることにしている。
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