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日高町阿尾区民132人が高台へ津波避難訓練 〈2015年3月17日〉

2015年03月17日 10時40分26秒 | 記事

写真右下の集落から上り坂を非難し、
海抜20メートルの広場(左上)に避難する区民


 県と日高町が阿尾区に整備中の高台避難広場の暫定供用が始まり、15日に区民を対象にした避難訓練を実施した。急傾斜地崩壊防止施設整備に避難機能を付加させた施設の一体的整備として実施しており、平成27年度に完成する。小雨が降る中、海抜20メートルの広場に132人の地元民が避難。「近くに安全を確保できる場所が出来て安心」という声の一方で、「急勾配なので登るのが大変。本当に起こった時にすぐに避難できるか心配」と話すお年寄りもおり、高齢者などが迅速に避難できる態勢作りも不可欠となりそうだ。

 阿尾区の避難対象地域は、南海トラフ巨大地震が発生時に最大で11メートルの津波が想定されているが、集落が海と山に挟まれた位置にあることから避難所の確保が求められていた。そんな中、平成25年度から同地で実施している県の急傾斜地崩壊防止施設整備は、通常の事業とは違い、のり面の中腹(海抜約20メートル)に約1000平方メートルの避難広場を設け、海岸沿いの県道御坊由良線から通じる上り坂から避難できる広場を整備するもの。同整備事業の約7割が完了し、緊急時だけの暫定的な活用が可能となり、避難対象となる住民への周知や防災意識高揚を目的に同広場を初めて活用した訓練を実施した。
 午前9時、大津波警報が発令され、サイレンを鳴らして東日本大震災クラスの津波が来ることを想定。ただちに高台に避難を促す行政無線のアナウンスに合わせて避難を開始。雨が降る中、傘を手にした区民が続々と県道から広場に通じる道路を登り、約15分後に区民(約500人)の4分の1にあたる132人が広場に避難した。
 避難広場の真下に住むという80歳代後半の女性は「すぐ近くにあって安心できるが、急坂で登るのが大変だった。今日は避難する準備が出来ていたが、いつ大地震が発生するか分からないので、すぐに避難できるかは不安です」という声も聞かれた。自主防災会副会長の木村泰史区長(64)は「近場にこのような避難場所が出来て本当にありがたいが、広場までの道路が急斜面など課題も見つかった。安全に避難できる態勢づくりが必要だと感じた」、松本秀司町長は「これを機会に阿尾から1人の死者も出さないよう、訓練などに活用してほしい」と話した。
 広場への避難だけでなく、漁港の陸こう(県道御坊由良線沿いのゲート)の閉鎖などの訓練も実施したほか、整備中の避難広場や急傾斜防止施設の整備状況を見学し、県や町職員から概要説明を聞いた。


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