し尿を処理する御坊クリーンセンター
御坊、美浜、日高、印南、日高川1市4町が4月から、し尿汲み取り料金を現行の18リットルあたり230円(税込み)から10%アップの253円に値上げする方針を決めた。新型コロナなどによる物価高騰、人件費上昇が主な要因。令和元年10月の消費増税に伴う料金改定を除いた実質的な値上げは平成26年4月以来9年ぶりとなる。対象の汲み取り世帯は5市町あわせて5145世帯あり、世帯当たり年間2000円~4000円程度の負担増となる見込み。
値上げは単独・合併処理浄化槽を除いた汲み取り世帯が対象。農業集落排水事業や下水道整備事業などの普及で、近年は汲み取り方式から合併処理浄化槽への切り替えが進み、汲み取り世帯は、平成26年改定時6812世帯から昨年3月末5145世帯(御坊2193、美浜490、日高350、印南1000、日高川1112)に減少しており、総世帯2万4675世帯に占める割合は21%。
10社が加盟する日高環境衛生協同組合は、新型コロナなどに伴う物価高騰の影響を受け、燃料費や業務車両価格(排ガス装置、車両本体)などが値上がりしているのに加え、人員確保が困難なことによる人件費上昇もあり、昨年10月、5市町長に汲み取り料金を現行から34%アップの308円に値上げするよう要望。これを受けて御坊広域環境衛生主管課長会で協議し、組合と調整を続けてきた。
汲み取り世帯の減少や点在化、バキュームカーが入らない狭い地区が多いため作業の効率が悪いなどの現状から主管課長会は「値上げ自体は容認せざるを得ない」とした上で値上げ幅については「圏域住民への経済的負担を考慮し、極力値上げ幅を圧縮したい」と組合と交渉を重ねた結果、人件費や機材、諸物価の高騰分などを加味した10%アップの253円とすることで決着した。
各市町の3月定例議会に提案し、可決されれば4月から値上げする。値上げにあたって5市町から組合に対し、住民へのさらなるサービス向上に努めるよう要請する。由良町は町内の業者が組合に入っていないため、町と業者で対応を検討しているという。
平成26年改定時は消費増税や燃料費等高騰で、9年以来17年ぶりに200円から225円に値上げ。その後、令和元年10月に消費増税分を加えた230円に改定した。問い合わせは各市町担当課へ。
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